「使ってはいけない言葉」忌野清志郎の言葉。
(忌野清志郎の言葉45)
2020年に、忌野清志郎、デビュー50周年記念企画として、
「使ってはいけない言葉」という本が発売された。清志郎が著作をはじめ、
テレビやラジオ、雑誌、ライブを通じて発信したメッセージを
セレクトした一冊だ。清志郎関連の本は、ほとんど所持しているので、
知ってることばかりだろうと感じて、買わなかった。発売から、4年経ったいま、なんか急に気になって、ネットで購入してしまった。
このnoteで清志郎のこと書きはじめたからかもしれない。
ここに綴られているのは、清志郎の言葉のみ。余計な解説が一切ないのがいい。
「ああ、こんなこと言ってたよな」と懐かしさを覚える言葉もあるが、
新鮮に感じるものもある。言葉というものは、時の流れとともに、
感じ方が違ってくるんだと思う。
本書に収められている文章は、磨きに磨かれて、輝きを放っている
歌詞のフレーズとくらべると、生っぽく感じる。つくられてないからだろう。
しかし、それがまた魅力なのだ。文字を追ってるだけで、メッセージが
まっすぐに伝わっきて心地良い。
もっとみんな自分の好きなもの、好きっていえばいいじゃない。
労働も大事ですけど、サボるってのも意外と大事だと思うんですね。
俺はそういうの大っ嫌いなんだよね。
昔無かったんだもん、コンセプトなんて言葉自体が。
そして、本書のタイトルにつながるこんな言葉も。
どいつもこいつもオエラガタがすべてやばい言葉を禁止禁止にしちまったのさ。
生々とした生の言葉を全部言えないようにしたんだ。そのころから、この国は
おかしくなっていった。
人々からトゲみたいなのを全部取っていこうとしてるよね。使っちゃいけない言葉とかも、どんどん増えてるしさ。結局、日本語が減っているような状況じゃないですか。未来を見すえた時に、それはなんとかしないとまずいと思うんですよ。
この本を、名言集なんてたいそうな紹介をすると、
本人は嫌がりそうな気がするな(笑)。
これは、一人のバンドマンの「なかなか、いいこと言うね」を集めた本なのです。
人が本当の意味で死ぬのは、すべての人の記憶から消えた時だとよく言われる。
誰かが、その人のことを覚えてる限り、人は死んでいないのだそうだ。
そう考えると、ジョンレノンも、まだまだ死なないのだろう。今も健在なボブディランなんかは不死身なのかもしれない。
忌野清志郎も、そうあってほしいな。
どうか、若い世代が、語り継ぎ、歌い継いでいってくれますように。
(とりあえず、忌野清志郎の言葉、いったん休憩にしよう)。