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【プロダクトの作り方】EV車の必要航続可能距離と適切な充電ステーション密度を考える

たかゆきです。
EV車の航続可能距離はどのくらいが適正なのでしょうか? 長いに越したことはないですが、不必要に長くても、コスト面も含めるとアンバランスになってしまいます。この記事では、日常のライフスタイル上、どの程度の航続距離と充電ステーションの密度が適切かを、私の専門でもあるプロダクトデザインの観点で考えていきます。

プロダクトデザインの視点で以下の2課題を考察する。
・ライフスタイルから考察する人々の平均移動距離
・平均移動距離に基づく、充電拠点のあり方

【結論1】平均通勤距離は、おおよそ90km。通勤時には、家(駐車場)・会社は必須+その中間地点くらいにあればよい

NHKの国民生活時間調査報告書(2015)によると、電車・車等全ての手段の平均通勤時間は1時間27分。地方都市は1時間8分。車の平均時速を60kmと計算すると、片道の平均距離は、約90km。あくまで平均値なので最大考慮で1.5倍くらいかけてみると、120kmとなります。

ちなみに、日産リーフの航続可能距離は458km、コンパクトカーで航続距離の短いホンダeでも283km(2020年12月データ)。私のオススメの中国製45万円EV軽自動車の宏光MINIですら120km。つまり、出発地と到着地に充電ステーションがあれば十分で、精神衛生上中間地点にもあれば心休まるといった結論となります。

【結論2】長距離移動でも高速のSA2-3個分(150-250km)くらい走れれば十分

従来の車雑誌系のウェブメディアでは特に、航続可能距離は500-1000km以上あるべきなどの、既存の車両性能を加味した意見もありますが、日常+たまの旅行くらいの使い方であれば、既存の高速のSA/PAくらいの密度で充電ステーションがあれば十分との結論になります。

参考:高速道路のPA/SA設置基準(NEXCO基準)
・パーキングエリア(PA):目安は15km間隔。最大25km間隔。
・サービスエリア(SA):目安は50km間隔。最大100km間隔。

プリウスは、1,000km以上走ります! やはりハイブリッド車は性能は高いですね。安心感はありますが、九州までは行けなくてもよいかなとは思います。CO2排出については忘れても、同じ車格・同じ値段ならハイブリッド車がベストチョイスですね。

参考:プリウスの航続可能距離
燃費40km/ℓ x タンク容量約40ℓx 70%(実燃費の係数)→1,170km
※東京から九州南部まで行ける距離。


まとめ:充電ステーションの適切な投資(補助金投下)先

今回の議論を整理すると以下の内容となります。

・日常のライフスタイル上必要な航続距離は120km。
・最低限、出発点、到着点に充電ステーションが必要
 ※中間地点にあるとさらに安心
・長距離は、高速道路のPA/SAに全設置で十分

具体的な設置先としては、以下となります。

・自宅もしくは自宅近辺の駐車場
・職場もしくは職場に近い駐車場
・高速道路のPA/SA

結論として、充電設備の設置支援の補助金を出すべき先は、以下に勝手に決定しました! 既に補助金が出ているところが多いですが、このような考え方で、国共通の充電ステーションマップができてくると楽しみです。

1. 個人の持ち家やマンションオーナー
2. 地元の駐車場オーナー
3. Timesなどコインパーキング会社
4. NEXCOなど高速道路系組織
5. 【追加】補助的に巨大スーパーやコンビニ

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