iPadがHDMIキャプチャデバイスに対応!ライブ配信でも使えるのか試してみた
今回のテーマはiPadの新機能「UVC対応」について。
先日のアップデートで搭載された機能ですが、iPadの活用幅を広げる機能として話題になっています。
今回は配信の観点から、この新機能がどのように使えるのかチェックしてみます。
iPadOS 17の新機能「UVC対応」
昨日Apple関連のOSアップデートが公開され、iPadもバージョン17が公開されました。
その内容自体は6月に発表されており、配信界隈で話題になったのは「UVC対応」でした。
UVC対応とは、HDMIキャプチャデバイスに対応するということ。カメラをパソコンのWebカメラとして使う時に繋げる機材ですね。
他にもATEM Miniのような配信機材も、WebカメラとしてUSB出力する機能を持っている機種があります。Appleの発表でも、ATEM Miniが例として紹介されていました。
これまでiPadはUVCに対応していませんでした。繋げてみると音は入ったりしたのですが、映像は使うことができませんでした。
それが、今回のiPadOS 17からは正式に使えるようになったのです。
モニターとして
UVCに対応すると何が良いのでしょうか。巷ではiPadがモニターとして使えると話題になっています。
単純にキャプチャデバイスからの映像を表示するだけですが、既にいくつかの対応アプリがリリースされていました。
試したところ、若干の遅延があるものの安定してモニターとして使える印象を覚えました。
わざわざキャプチャデバイスを経由するのも面倒なので、私はポータブルモニターを使いたいなと思っています。ただ、忘れた・足りないといった際に、急遽モニターとして使えるのは便利だと思いました。
Web会議のカメラ
Web会議のカメラはどうでしょうか。それこそ、Zoom配信の時に、iPadから接続できるのは便利なシーンもありそうです。
しかし、試したところZoomもGoogle Meetもまだ対応していないようでした。できるのは内側カメラと外側カメラの切り替えだけです。
Apple純正のFaceTimeは対応していましたが、キャプチャデバイスを刺すと映像も音声も強制的にそちらへ切り替わるようです。この辺りは任意に選べた方が便利な印象です。
今後のZoomやGoogle Meetが、良い感じの機能搭載をしてくれることに期待したいですね。
StreamYard(Safari)は対応!
では、Apple純正のブラウザ「Safari」からはどうでしょうか。
今回は検証として、クラウド ライブ配信サービスの「StreamYard」で試してみました。クラウドベースで簡単に演出性の高い配信ができる便利なサービスです。
結果としては、見事UVCを映像・音声のソースとして使うことができました。
しかも、リストからデバイスを選ぶことができます。使い勝手もいいですね〜。
しばらく接続していましたが、動作も安定しているようでした。
私は以前スマホからStreamYardに参加する配信を行いましたが、UVCが使えるならより演出の幅も広がったと思います。
YouTube(Safari)は非対応
ただし、YouTubeについてはブラウザからUVCを使った配信はできないようでした。
標準ブラウザのSafariでYouTube Studioにアクセスし、ウェブカメラからの配信を選びましたが、対応していない旨が表示されます。
UVC対応と言うよりも、そもそもこのページからiPadでどうこうできないといった感じです。
iPad版Chromeも試して見ましたが、結果は同じでした。残念ながらiPadのブラウザから、直接YouTubeへの配信はできないようです。
ライブ配信アプリを試す
ではアプリはどうかということで「Camo Studio」というアプリを試してみました。こちらはUVC対応かつ、YouTubeに配信もできるアプリです。
早速試してみると、バッチリUVCの映像・音声を使うことができました。そのままCamo Studioの機能で配信もでき、中々良い感じです。
今回は「Speedify」も組み合わせて、お手軽ボンディング配信もテストして見ました。
Speedifyは、複数の回線を束ねてネットワークの冗長化ができるアプリです。iPadでも裏側で常駐的に動作してくれるので、他のアプリとも組み合わて使えます。
結果的には、ボンディング配信にも成功しました。これでiPadがお手軽配信エンコーダーに早変わりですね。
以上、リリースしたての新機能をテストしてみた結果でした。
今回はiPad mini 6で試しましたが、2018年発売のiPad Proでは映像が乱れて使えない時がありました。割と新しいiPadでないとツライ時もありそうです。
その意味では、引き続き信頼性については使いながら確かめていく必要がありそうです。お手軽ボンディング配信セットができたので、久しぶりに外から配信でも試してみたいなと思いました。