仮想オーディオミキサー「Voice Meeter Banana」の紹介 前編 〜基本的な画面構成・使い方〜
今回のテーマはWindowsの有名な仮想オーディオミキサー「VoiceMeeter Banana」です。
Windowsの配信者ならお世話になった方も多いのではないでしょうか。パソコン上で、音声のミキシング・ルーティングできるツールです。
前編では、基本的な情報や使い方について紹介をしたいと思います。
Voice Meeter Bananaとは
仮想ミキサーと名がつく通り、パソコン上で動くミキサーソフトウェアです。Windowsのソフトウェアで、Mac版はありません。
外部から入力した音やソフトから出力される音をソースに、音声の出力・分配やエフェクトの追加などなど、非常に多岐にわたる作業ができます。
あんなにケーブルで溢れるミキサーが、ソフトウェアだと一本もいらない場合さえあります。いやはや、恐ろしい子...。
音声のミキシングができる
様々なことができるソフトですが、ライブ配信においては何ができるのでしょうか。まずは「音声のミキシング」ができます。
つまり複数の音声を、混ぜて調整が可能です。音量だけでなく、左右バランス・コンプレサー・ノイズ除去、更にはイコライザや連携ツール…などなど、かなり多岐に渡った調整が可能です。
例えば、配信では音声調整の場所をまとめられる良さがありますね。パソコンの中に複数の音声源があったとして、各ソフトで音量調整するのは面倒です。
そんな時は、Voice Meeter Bananaに一度集約すれば、ここでまとめて操作ができます。こういった、いわゆる音声のミキシングがまず一つ目です。
音声のルーティングができる
次に配信で重宝するのが「音声のルーティング」です。
難しそうな言葉ですが、要は音声を必要な所へ渡すということです。例えば配信だと、Zoomの音声をOBSに送りたい時には活躍しますね。あとは分配もできるので、BGMを二つのソフトに送りたい時も活躍します。
ポイントは出力先が一つではないことです。最大5つの出力先にミキシングした音を送ることができます。
更に、この時ミキシングのパターンは2種類作ることができます。つまり、一方にはAとBの音声を出力し、もう一方にはAだけを出力する、ということが可能なんですね。
これが配信で重宝する音声のルーティングです。
無料で使い始められる(ドネーションウェア)
非常に高機能で便利なソフトですが、なんと無料で使い始められます。
正しくは寄付制のドネーションウェアです。私もこの記事をきっかけに寄付しましたが、お世話になった方・気に入った方はぜひ寄付してみてください。
また、より機能が強化された「Voice Meeter Potato」も存在します。こちらだと、更に入力できる音声、ミキシングの種類、出力先などが増えるようです。
「Potato」も無料で使えますが、定期的に寄付を促すポップアップが出るとのことでした。継続的なサポートをしてもらうためにも、ぜひ寄付しましょう^^
基本的な画面構成
有名なソフトなので、検索すると詳しい使い方は沢山出てきます。そのため、この記事ではとっかかりの部分にフォーカスして、使い方を紹介します。
まずは画面を大きく5つのエリアに分けて見ると良いと思います。それぞれのエリアを順番に紹介していきます。
出力設定
最初に見るべき場所ですが、意外にも右上の「出力設定」のエリアを見た方が良いです。
どうやら出力先の設定をしないと、いくら音を入力してもメーターが動かないようです。そのため、最初に仮でも良いので出力するデバイスの設定をしましょう。
出力先は「A1」「A2」「A3」の3種類があります。この内、最低限必要なのは「A1」です。出力先が選べるので、ひとまずどれか選んでおきましょう。
一つ気になるのは、同じデバイス名で「WDM」と「MME」の2種類が表示されること。
これは出力する方法の違いで、ひとまずは以下の特徴を理解してもらえば大丈夫かと思います。詳しくは調べると色々な技術情報が見つかります。
音声入力調整
出力の次は音声入力の設定を行います。エリアは「ハード」と「ソフト」の2つに分かれていますね。
ハード
ハードはPCが接続した機器からの音声入力を意味します。マイク端子に挿したヘッドセットや、USBに挿したオーディオIFなどです。
3列ありますが、これは最大で3つのハードウェアから音声が入力できるということ。それぞれ[Select Input Device]を選択すると、デバイスを選ぶことができます。
ソフト
ソフトはPCの中で再生された、ソフトウェアからの音声入力を意味します。
こちらについては、音を出すソフトウェア側で出力先の設定が必要です。例えば、Zoomのスピーカー設定だと「VoiceMeeter Aux Input」と「Voice Meeter Input」の2つを選ぶことができます。
2種類あるのは、Voice Meeter Bananaが2種類の系統を持っているからです。
ソフト(VIRTUAL INPUTS)には2列あります。この内「Voicemeeter VAIO」が、Zoomのリストの「Voice Meeter Input」です。逆に「Voicemeeter AUX」が、Zoomで言う「VoiceMeeter Aux Input」です。
微妙に名前が違ってややこしいですね^^;
出力先を選ぶ
ソフト・ハードのどちらにも「A1」「A2」「A3」「B1」「B2」のボタンがあります。これは出力先を選ぶ設定です。
「A1〜3」は↑で紹介した右上の「出力設定」のエリアと連動しています。A1を押せば、設定した出力機器に音が出ていきます。
では、「B1」「B2」はなんでしょうか。これは、PC内のソフトがマイク音源として選ぶ入力元になります。
例えばZoomのマイク設定を見てみると、「VoiceMeeter Output」と「VoiceMeeter Aux Output」の2種類があります。
この内「VoiceMeeter Output」が「B1」、「VoiceMeeter Aux Output」が「B2」です。こちらも分かりづらい。。^^;
再生・録音
このエリアは音声ファイルを再生したり、音声を録音する場所です。触った限りでは再生もしくは録音のいずれかのようです。
より細かい設定は、どこかを右クリックをするとウィンドウが表示されます。ループ再生ができるのも良いですね。
最終調整
最後に最終調整のエリアです。
ここでは、出力先のA1・A2・A3・B1・B2の、最終的な出力音声を調整します。ミックスした音を、系統ごとに音量調整したり、イコライザなどをかけるイメージですね。
後編に続く
以上、前編ではVoice Meeter Bananaの基本的な内容をご紹介しました。
後編では、実際にサポートした内容を元に、具体的な活用イメージなどを紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。