【前編】Zoomの映像・音声をパラで扱える!「ZoomISO V2」の使用レポート
今回のテーマはZoomを拡張するソフトウェア「ZoomISO」です。
これはZoom社が買収した、Zoomの映像を個別に取り出せるソフトウェアです。9月にリリースされたバージョン2では、音声も個別に扱えるようになりました。
今回はZoomISOを使って撮影や配信を行いましたので、改めてその使い方や使用感をご紹介します。
ZoomISOとは
「ZoomISO」はZoom会議の映像音声を、配信用に取り込むためのMacOS専用のソフトウェアです。
元々は非公式のツールでしたが、2021年末にZoom社によるに買収が発表。今後の動向に注目が集まる中、2022年9月に発表されたのがバージョン2でした。
買収でより密接な連携が可能となり、バージョン2ではコア機能を再設計したそうです。更にはApple Siliconへの最適化によって、より高速で品質の高い映像に改善されたとのことでした。
魅力1:映像を個別に取り出せる
そんなZoomISOの魅力は、何といっても参加者個別の映像を取り出し、配信のソースとして使えることです。
通常、Zoomで参加者ごとの映像を取り出すには、その人数分のPCを用意する必要がありました。ZoomISOを使えば、一台のPCで完結することも可能です。
魅力2:音声を個別に取り出せる
更にバージョン2からは参加者ごとの音声を取り出すことも可能となりました。いわゆる「パラで受け取る」ができます。
具体的には参加者ごとの音声を、音声デバイスの別々のチャネルに送ることができます。これにより、マルチチャネルの仮想オーディオデバイスを経由することで、個別に音声を扱うことができます。
通常はミックスした音声しか扱うことができませんので、参加者ごとに調整できるのがどれだけ便利かはお分かりいただけるかと思います。
制約はMac限定なこと
非常に魅力的なツールですが、最大の制約はmacOS専用ツールであることです。これは、Windowsユーザーにとっては大きな制約ですね。
また、バージョン2からはApple silicon端末が推奨となりました。これによる影響が大きいのは、HDMIの出力数に制限がある点です。
いわゆるM1/M2チップを搭載したMacbookは、1つのHDMIしか出力できません。モニターを搭載しないMac miniなら2つの出力が可能ですが、それでも物足りなさが残ります。
一応「DisplayLink」または「InstantView」に対応したアダプタを使えば増設が可能です。ただ、調べると多少なりの不安定さもあるようで、これがどれだけ有用なのかは継続的に使って判断する必要がありそうです。
本体のみでより多くのHDMI出力をするには、より上位のApple Siliconチップを搭載した機種が必要となってきます。つまり値段が上がってくるため、結構ハードルが上がってしまう印象です。
使ってみた感想
今回、私の方では複数回の録画と配信で実際に使用してみました。その範囲では、非常に便利なツールであり、安定感も十分にあると感じています。
まず配信では、手軽にレイアウトの自由度が高まりました。1人ずつの映像を1台のPCから取り出すことができるので、それぞれの映像を自由な場所に配置することができます。
また、便利に感じたのはZoomでの撮影です。参加者ごとの音声を個別に録画できるため、後編集での音被りも気にする必要がありません。
Zoomの機能でも参加者ごとの音声記録はできますが、サンプルレートの関係か映像とズレが発生する使いづらいものでした。ZoomISOを使うことで、後編集もしやすい個別の音声が手に入ります。
総じて、Zoomを使った配信・撮影業務の多い方にとっては、非常に心強いツールだと思います。
後編に続く
以上、ZoomISO バージョン2の概要と使用感の紹介でした。個人的にはZoom出演の多い方なら、ぜひ一度触ってみることをオススメします。
後編では、より具体的な使い方のイメージを紹介したいと思います。また、一緒に触る会も企画しますので、告知までもう少々お待ちいただければと思います。