HyperDeck Shuttle HDファーストインプレッション 後編
今回は、新しく発売された機材「HyperDeck Shuttle HD」のファーストインプレッション後編です。
後編では「テレプロンプター機能」や、使って感じたネガティブな部分、最後に所感をご紹介します。
テレプロンプター機能とは
HyperDeck Shuttle HDの目を引く特徴として、「テレプロンプター」機能の搭載があります。
テレプロンプターとは出演者のセリフを表示する、いわゆるカンペのツールです。カメラの前に鏡面を利用して映すことで、出演者がカメラ目線でセリフを読むことができます。
HyperDeck Shuttle HDは、本体からプロンプターの画面を映像出力することができます。その映像をプロンプターの画面に映しつつ、手元のダイヤルで操作する想定のようです。
テキストはSDカードに保存したRTFファイルを読み込むことができます。また、設定からフォント・行間隔・余白などの設定が可能です。
テレプロンプターには不具合あり
そんなプロンプター機能ですが、現時点では不具合があり微妙な印象を抱きました。
と言うのも、「JOG」ダイヤルでの手動スクロールが途中で止まってしまいます。話者のペースに合わせて手動でスクロールしたかったのが、それができないのです。
ただ、これはサポートに確認して不具合であることを確認しました。これが解決すれば、長尺のセリフを話すシーンでは便利な印象です。
とは言え、以前使ったiPadアプリも便利した。規模な配信ならこちらで事足りることも多いと思います。アプリなら修正の度にSDカードを抜き刺す必要もなく、機動性が高いですよね。
そのため、ある程度の規模や尺のある撮影・配信では活きる機能なように思いました。小規模なものなら、わざわざ使わなくても良いかなという印象です。
モニターがないことは不便
その他にも使っていて微妙に感じた点を紹介します。
まず一番気になったのは本体にモニターがないことです。モニターがないため、メニューはHDMIの出力先に表示されます。
やはりモニターやスイッチャーに接続しないと、設定を確認できないのは不便さがあります。
また、配信では本番映像にメニューが映ってしまうので、基本的には再生中にはメニューを開けません。長い動画だと不便になることがあるかもなと思いました。
ただ、これはHyperDeck Studioシリーズを使っていたから、比較してそう感じてしまうのかもしれません。運用で回避もできますし、大きな問題ではありません。
ファイルの取り扱いに注意
HyperDeck Shutle HDですが、実はすんなりと動画が再生できない場合があります。
これは過去にHyperDeck Studio miniで遭遇した仕様で、ざっくり言えば一般的な動画は再エンコードが必要な可能性が高いです。
細かい話をすると、h.264の動画ファイルは本体で録画したものは大丈夫ですが、それ以外のファイルは再生ができない可能性が高いです。私の場合はApple ProResに変換することで再生ができました。
詳細は以前にnoteを公開しているので、気になる方はご覧いただければと思います。
所感
以上、HyperDeck Shuttle HDのファーストインプレッションでした。
後編は微妙な点が中心でしたが、総じて良い機材だという印象を持ちました。特に安定して動画再生できる信頼性と、それでいてコンパクトな筐体が良いと思います。
個人的にはモニターがついたHyperDeck Studio HD miniと、どちらがオススメか悩みどころです…!
どちらも価格は同じなので、ラフに使えるShuttle HDか、より便利で本格的に使えるStudio HD miniか、という印象です。初心者の方なら、Shuttle HDの方がシンプル・コンパクトで使いやすいのかなと思いました。