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配信で人気のミキサー「Zoom L-8」、四極ミニプラグで手軽にハイブリッド配信をしよう

今回のテーマは配信でもよく見かけるミキサー「Zoom L-8」について。

先日の配信でも活躍した4極プラグの活用をご紹介します。これを使えば、手軽にハイブリット配信の音声構成が可能です。

今回は基本的な情報から、注意すべき点までをまとめたいと思います。

Zoom L-8とは

今回紹介するのは、音声ミキサーの「Zoom L-8」です。

web会議のZoom社と混同しそうですが、実は日本の音響メーカー「株式会社ズーム」が販売しています。

ボタンの役割をソフトウェア的に切り替えられる「デジタルミキサー」というカテゴリーの製品で、それによるコンパクトな筐体と安価な価格が人気のミキサーです。

さすがに大規模な現場では見かけないと思いますが、初心者から中級者まで愛好者は多い印象があります。

引用:zoomcorp.com

4極ミニプラグとは?

そんなZoom L-8ですが、四極ミニプラグという入出力端子を搭載しています。

一般的によく見慣れているのは「三極」のミニプラグだと思います。比較してみると、四極の方は線が一本増えているのが分かりますね。

これにより、もう一種類別の情報を送ることが可能です。

←三極  四極→

この機能を使い、Zoom L-8では「返し音声」を相手側に送っています。

三極のプラグは一方向に音声を送るだけですが、四極プラグを使うと双方向に音声をやり取りすることが可能なんですね。(※双方向ではない使い方もあります)

返し音声とは?

ここで言う返し音声とは何でしょうか。それは、Zoom L-8の中に流れている四極ミニプラグ以外の音声です。

具体的なイメージとして、製品HPでは電話ゲストの出演が紹介されています。スマートフォンと四極ケーブルで接続すると、これだけで相手に音声を返すこともできているのです。

引用:zoomcorp.com

もちろん、電話ゲストに本人の音声は返っていません。電話音声が取り除かれた音声だけをZoom L-8が返してくれているのです。

この取り除くことを「マイナスワン」と言います。なんだか難しそうな言葉ですが、Zoom L-8はそれを自動的にやってくれているんですね。

ハイブリット配信で活躍!

この「マイナスワン」と言う言葉、ハイブリット形式のライブ配信で必要になってくる考え方です。

web会議から参加してもらうハイブリット形式では、先ほどの電話と同じように返し音声が必要になります。故に、マイナスワンの出力に対応したミキサーが必要となってきます。

この当たりの考え方は、以前に記事をまとめたことがあるのでご参照ください。

まさにハイブリット配信ではZoom L-8の四極プラグが活躍します。パソコンが四極に対応した端子なら、プラグを挿すだけで音声を返すことができるのです。

中には↓のようなイヤホンとマイク端子が分かれているPCもあると思います。その時は変換端子を挟めば大丈夫です。

実際の使用例

この四極プラグを実際に使ったのが、先日開催した「第3回みんなで配信する会」でした。

このオフ会では3種類の配信形式を試しましたが、その中の「ハイブリットパート」では、まさにこの四極ケーブルを活用していたのでした。

3種類の配信にトライするLive(ゲーム/プレゼン/ハイブリット)

この時はコミュニティメンバーのあけさんにweb会議で出演いただきましたが、とてもクリアな音声で会話ができていたと思います。

Zoom L-8からは四極ケーブルが出ており、web会議のパソコンと繋がっていたのでした。

お手軽な構成だけど便利!

一つ忘れてはいけない点として、Zoom L-8はマルチトラック録音を目的とした側面が強いミキサーです。そのため、より幅広い配信用途で使おうとすると、物足りない部分が出てきます。

代表的なのは、複数の音声系統を作るのが「プリフェーダー」な点です。メインのレベル調整と連動した「ポストフェーダー」ではないため、系統ごとにレベル調整が必要となります。

プリ・ポストの説明は以前の記事に任せますが、今回の4極プラグで足りないシーンでは、操作が煩雑になる可能性があります。

また、4極ケーブルも言わば「お手軽構成」です。イベント規模が大きくなってくると対応できないケースも出てくるはずです。

というのも接続が「アンバランス」です。これはノイズが混入しやすい方法で、より業務用途の趣が強い現場では「バランス接続」という方法が好まれます。こちらだとノイズが混入しにくい構造になっています。

真横で繋げるならリスクは低いですが、長距離で接続をするとノイズが入りやすくなります。また、電源ケーブルと並走するのも怖いですね。

そのため比較すると、操作が煩雑になる可能性、ノイズが入るリスクのある構成とも言えます。

とは言え、これらが気にならない小規模な現場も多いはず。むしろそれを補って余る「お手軽さ」がZoom L-8の魅力だと言えます。

正しく恐れて、便利に使うのが大事ですね。

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