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40代から激変する3つの価値観

巷では「40代になると体のあちこちに不調が出る。新しい内容が頭に入らなくなる」といった20代と違う点が取り上げられ、よく話題に上がっている。

しかし、過去記事で繰り返し主張してきた通り、それは単に20年間、ほとんど勉強をせず、運動をしなかった「鈍り」に過ぎず、頭も体もずっと使い続けていれば40代くらいなら若い頃とほとんど変わらない水準を維持できる。

そんなものより大きく変わる、いや変わらざるを得ないものがある。それは価値観である。

主役の座を譲る

人生の主役は生まれた時から亡くなるまでずっと自分だが、社会や周囲の主役の座を譲り渡す時がやってくる。40代とはそういう年代だ。

会社経営をする立場になると、起業当初は自分がすべての舵取りをして会社を経営する「会社の主人公」という感覚だ。実際それは正しく、起業直後の中小企業の伸びしろは経営者の器で決まる。

だが、ある程度売上も安定して年月も経過すると現場は社員に任せるようになる。筆者の会社でも現場のリーダーに任せて経営層は新規の売上を作ったり、リーダーの相談役をやったりしている。

これはサラリーマンでも同じで、現場のメインプレーヤーやプロジェクトをリードするのは20代、30代の若い世代であり、40代以降は後世世代の育成やマネジメントが中心になる事が多い(最近はどの企業も社員の高齢化で年代が上になってきたが)。

流行を作るのも、新しいビジネスを作るのも常に10代、20代の若者だ。40代はもう社会の主役、という役割ではなくなるのである。

コスパ・タイパから「ヘルパ」へ

今はコスパ、タイパ重視という考え方が広がっている。だが、40代となるとそれ以上にヘルパ、ヘルスパフォーマンス重視になる。

ヘルスパフォーマンスを簡単にいえば、栄養効率の良い食事を戦略的に考えることである。コスパ、タイパを考えると自炊より外食に軍配が上がることもあるが、ヘルパで考えると真逆の発想になる。

健康や栄養を考えると自炊一択なのだ。自炊は技術であり、うまくやれば外食よりコスパ、タイパも良くなる上に味もおいしい。何より、自炊の方が添加物もなく、味付けも薄く野菜たっぷりで健康な食事を楽しめるのでメリットしかない。

若い頃は1秒のムダも惜しんでファストフード片手に仕事に励むことがあっても、40代以降にそれを続けると体調が悪くなり、逆にパフォーマンスが落ちてしまう。

また、注意するべきは食事だけではない。睡眠や運動もそうだ。4時間睡眠で浮かせた時間による低いパフォーマンスより、7時間睡眠で1日中パフォーマンスが高い方が効率が良い。

さらに「運動なんてする時間がない。もったいない」と考えて何もしなければ、毎年筋肉が1%ずつ減少し、体力も低下、体の節々が痛くなり病気にかかって大きく時間を失う。運動は感情的な「好き・嫌い」でするものではなく、「投資」という位置づけで、あらかじめ時間を確保して取り組むべきなのだ。

自己利益より「他者貢献」へ

若い頃は自分の得になることが快楽であり、「とにかく今、自分だけが楽しめれば他人のことなどどうでもいい」という考えになりがちだ。この発想自体、否定しない。自分自身が人並み以上にそのような利己的な価値観だった。

しかし、人生経験を重ねるほど「飽き」との戦いが深刻化する。どれだけ好きな趣味でも、エンタメでも「既視感」が続き、映画や漫画で自分より遥かに年下が主役を張る作品へ感情移入することが難しくなる。気がつけば、主役の親の方に気持ちが移っていることに気づいたりする。

一度飽きてしまったものを、再び情熱的に取り組むことは極めて難しい。「趣味があるからずっと一人で楽しめる」といっていた人も、多くは30代後半くらいからその感覚に変化の兆しを感じるようである。

だが受け身の娯楽に飽きると同時に、新たな楽しみが生まれる。それは他者貢献だ。仕事ならいかに楽して時短をして稼ぐか?といったコスパ重視の考えから、いかに喜んでもらえるか?社会の役に立つ実感を得るか?という感覚へ移行する。筆者が勉強をするのは、新しい技術や知識を学び、それを他者へ伝えて喜ばれるのが楽しいからだ。

また子供がいる人は、自分の幸福より子供の笑顔を見ることや、子供を強者にするプロセスに熱心になっていく事が多い。

結局、人間はどこまでいっても社会的な動物であり、自分の幸福を高める活動には飽きてしまっても、他者や社会を良くする活動にはいつまでも飽きない。それどこか、ますます楽しくなってしまうのだ。


もちろん、自分の人生は好きに生きればいい。だが人生は年代ごとのステージがあり、それぞれの年代でしかできないことも少なくない。40代になると本稿で紹介したような大きく価値観の変化が訪れると考えている。


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