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体を破壊する危ない油3選【完全解説】

タンパク質と並んで体の重要な材料が油、脂質です。
日頃から良質な油を摂っていれば健康な体が形成され、逆に悪い油を摂り続けているとジワリジワリと体は蝕まれていきます。

この記事では、できるかぎり摂取量を抑えたい油を3つとその危険性、3つの油が含まれる食品を解説します。
(記事の文末に動画を貼付しています)

脂質は体(細胞膜)の材料

体の材料になる栄養素と聞くと、タンパク質と答える人が多いと思います。
が、タンパク質以外にもう一つあります。

左側、成人の体は水分を除くと、タンパク質が18%、そして脂肪、脂質が16%です。
脂質も、タンパク質に匹敵する比率で体の材料です。

その脂質はどこにあるのかと言うと、一つ一つの細胞を包む細胞膜です。
私たちの体すべての細胞に脂質が存在します。

臓器レベルで言えば、脳は水分を除く60%が脂質です。

副腎という重要な内分泌器の外側部分である副腎皮質はほとんどが脂質です。

よい油と悪い油を選別する

タンパク質と脂質とでは、私たちが取るべきアプローチが全く違います。

タンパク質に関しては、よいタンパク質とか悪いタンパク質とかは基本的にはありません。
大事なのは毎日必要量を摂取すること、口から入れたタンパク質をしっかり分解消化させることです。

脂質は、足りないという人は現代では滅多に見かけません。
重要なのは量ではなく質です。

油は、よい油と悪い油がハッキリ分かれます。
ここをしっかり選別して、よい油を中心に食生活を実践することがポイントです。

脂質を材料とする細胞膜は、単に細胞を包んでいることに留まらず、さまざまな機能を有しています。
この細胞膜が悪い油で構成されてしまうと、諸々の病気の引き金になります。

また、脳が悪い油で構成されると、認知症などのリスクが高くなります。
副腎皮質が悪い油だと、ホルモンバランスに異常をきたします。

したがって、是が非でも悪い油を極力排除することが重要です。

体を破壊する食用油 ①トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、植物性油に水素を添加して固形の油に変化する時に、副産物として生まれる自然界に存在しない人工的な脂質です。

トランス脂肪酸は心臓に蓄積しやすく、
狭心症、心筋梗塞など心臓疾患のリスクが上がります。

それ以外にも、
2型糖尿病、アレルギー、うつ、認知症、
骨粗鬆症、歯周病、不妊症、ガン

などとの関連性が指摘されています。

長らくトランス脂肪酸の代名詞だったのがマーガリンです。
植物油に水素を添加して固形になり、動物油を使わずにバターのように使えることもあり、トランス脂肪酸=マーガリンというイメージができました。

ただ、近年マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は減少傾向にあります。
「トランス脂肪酸○○%低減」といった表示を見かけた人も多いのではないでしょうか。

むしろ注意すべきはショートニングです。
ショートニングは、通常はキッチンで使いませんので、多くの人には馴染みがありません。

けれども、ショートニングはあらゆる食品に紛れ込んでいます。

菓子パンや食パン、クッキーやパイ
ポテトチップ、ポップコーン
チョコレートなどの菓子類
ドーナツやケーキ、アイスクリーム
フライドポテトやフライドチキン
ピザ、ハンバーガー、カップラーメン
カレールー、マヨネーズ、
冷凍のパスタやチャーハン etc.

加工食品を購入する際は、ショートニングが含まれていないかどうか、成分表をチェックしてください。

加工食品以外にも、ショートニングを多く使うのがファストフードなど飲食店です。

私が最初に勤めたマクドナルドでは、ショートニングを使ってポテトやチキンを揚げていました。
近年はファストフードでも健康志向を反映して、トランス脂肪酸の低減に取り組んでいます。

ただし、トランス脂肪酸が減った代わりに増えたのが・・・

体を破壊する食用油 ②パーム油

パーム油は、熱帯地域で栽培されるアブラヤシを絞った油で、植物油なのに常温でも固体であるという特徴を持っています。

じつはパーム油は、菜種油に次いで日本人が2番目に多く消費している植物油です。

しかし、パーム油という商品は店頭では見かけません。
加工食品の原材料表示を見ても「パーム油」は見当たりません。

パーム油はどこに隠れているのでしょうか。

加工食品の原材料表示を見ると、
「植物油」「植物油脂」「加工油脂」
の表記を至る所で発見できます。
これら
「植物油」「植物油脂」「加工油脂」
の中にかなり高い確率でパーム油が含まれています。

日本では複数の植物油を混合して使用した場合、その一つ一つを表示する義務はなく、「植物油」「植物油脂」等の一括表示が認められています。

含まれている油の内容は全く分かりません。
言ってみればブラックボックスです。

実際に、パーム油が使用されている食品を挙げると、
カップ麺、レトルト食品、パン
ドーナツ、クッキー、ケーキ
チョコレート、ポテトチップ
ポテトフライ、アイスクリーム

など、あらゆる商品に及びます。

もう一つ、パーム油の摂取元は外食とテイクアウトです。
外食とテイクアウトは、原材料表示の義務そのものがないので、確認ができません。

そして、トランス脂肪酸の代替油として、近年パーム油の使用が増えている傾向があります。

しかしパーム油も、近年さまざまな面から健康被害が相次いでいる「危ない油」との指摘が目立っています。

・パーム油には、血糖値を下げるインスリンの働きを妨げる作用があり、糖尿病のリスクを上げる。
・大量摂取すると、動脈硬化や心疾患の罹患率が高くなる。
・パーム油を使ったラットの実験では大腸ガンが多発した。
さらに、
・熱帯地域からの長距離輸送で使用する酸化防止剤BHAは、ラットの実験で胃ガンを発症させたという事実もあります。

このことから、トランス脂肪酸を天然の植物油であるパーム油に代えれば安全だとは、とても言えなくなりました。 

農林水産省のHP [トランス脂肪酸の低減]には、
「米国農務省は、食品事業者にとってパーム油は、トランス脂肪酸の健康的な代替油脂にはならない、とする研究報告を公表しています」
と、かつては書かれていました。
(その後、何らかの大人の事情で削除されたが、安全性が確認されたわけではありません)

体を破壊する食用油 ③リノール酸

リノール酸はサラダ油、菜種油、大豆油、ひまわり油等に多く含まれている脂質です。

リノール酸は、体にとって適度は必要な脂質です。
ただ、リノール酸を摂り過ぎると数々の病気を引き起こします。

日本人の95%以上がリノール酸の摂り過ぎと言われます。
意識して減らさない限りは、「リノール酸が体を破壊する」ことになります。

リノール酸の過剰摂取は、
アレルギーや炎症の促進
血栓の生成を促進、血管を収縮させる
免疫力低下、ガンの促進、生理が不調
うつ症状の促進

など、マイナス効果のオンパレードです。

対策としては、極力入れないことです。

家庭での調理油は、サラダ油や菜種油ではなくオリーブオイルを使っている、という人は多いと思います。
けど、それだけでは不十分です。

リノール酸の油を大量摂取する大きな要因は、加工食品や外食、テイクアウトです。
これらの食べ物(とくに揚げ物)にはリノール酸が「これでもか」というくらい使用されています。

リノール酸を全く摂取しないのは、現代の食生活ではほとんど不可能です。
それでも加工食品、外食、テイクアウトを減らすことで、適量摂取に近づけることは可能です。

結局、「油の見直しは食事の見直し」そのものと言えるかもしれません。

まとめ

体を破壊する食用油、1つ目はトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸を含む食品としては、マーガリンよりもむしろショートニングに要注意です。

体を破壊する食用油、2つ目はパーム油です。
「植物油」「植物油脂」「加工油脂」の表記がある加工食品、および外食やテイクアウト食品に多く含まれます。

体を破壊する食用油、3つ目はリノール酸(の摂り過ぎ)です。
リノール酸の大量摂取の原因も、外食やテイクアウト食品、中でも揚げ物には警戒が必要です。 

一つ補足として、
「植物油脂」「加工油脂」の表記がある場合、その中にパーム油だけではなくトランス脂肪酸も含まれている可能性があるので、この2つは極力避けるべきと私は考えます。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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