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輸入柑橘類に使われる防カビ剤には相当な用心が必要です

輸入レモン、オレンジ、グレープフルーツに使われる危険な添加物(防カビ剤)に関する話です。

どのような種類があって、どのような有害性が疑われていて、どうして使用が認められているのか、そして対策について解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

輸入柑橘類は遥か遠い国から

先日、近くのスーパーで国産レモンを見つけました。

が、実際に店頭に並ぶ柑橘類は、ほとんどが輸入品です。

輸入柑橘類は、アメリカやイスラエル、オーストラリア、チリ、南アフリカなど、遥か遠い国から数週間かけて船で運ばれます。

そのため、日本に到着した時に、カビが生えたり腐ったりしないように、農産物には防カビ剤が使われます。

代表的な防カビ剤

おもな防カビ剤は、

OPP(オルトフェニルフェノール)
ナトリウムをくっつけたOPP-Na
TBZ(チアベンダゾール)
イマザリル


この4つです。

実際の表示を確認してみましょう。

拡大してみると・・・

字が小さいですが
「防ばい剤としてOPP、TBZ、イマザリル(ピリメタニル)を使用しています」と表記されています。
防ばい剤は防カビ剤と同じものです。

こちらには、全部でナント6種類もの防カビ剤が使われていて、その中にはイマザリル、TBZが入っています。

今度、スーパーの売場で確認してみてください。

安全ではないのに認可?

これらの防カビ剤について、国(厚生労働省)は安全だとは一度も言っていません。
けれども、使用することは認めています。
だから大問題なんです。

これらの防カビ剤は、そもそも農薬です。
昆虫や細菌を殺したり、雑草を枯らすなど毒性の強い化学物質です。

そのため、OPPとTBZについては、農薬としては認めていましたが、収穫後の作物に使う添加物としては、イマザリルを含めて全て、国は認めていませんでした。

東京都立衛生研究所(現・東京都健康安全研究センター)という公的機関が過去に行った動物実験の結果は、次の通りです。

ラットにOPPを含むエサを1年9か月与え続けた所、83%の割合で膀胱ガンが発生しました。

次はTBZです。
マウスにTBZを毎日経口投与(期間は分からず)した所、催奇形性(外表奇形と骨格異常)が認められました。

イマザリルも同様です。
マウスにイマザリルを投与した実験では、神経行動毒性と繁殖および行動発達の抑制が見られました。
つまり、神経や脳に影響するということです。

この結果から、国もかつては、添加物としての防カビ剤使用を認めていませんでした。
それが、「ある時」に手の平を返してしまいます。

安全かどうかは二の次

1995年4月のことです。
アメリカから運ばれて日本に到着した柑橘類の検査を、当時の農林省が行った所、グレープフルーツからOPPが検出されました。

当時は認可されてなく、つまり食品衛生法に違反していたために、陸揚げすることができず、それらは海に廃棄されました。

これに対してアメリカが猛反発、怒りの声が湧き上がります。
アメリカ政府は、当時の大統領や農務長官を含めて、OPPの使用を認めるように、日本政府に圧力をかけてきました。

背景として、当時、日米貿易摩擦という問題がありました。
アメリカは是が非でも、グレープフルーツやオレンジを日本に輸出したかったのです。

最終的にこの問題は高度な政治判断、政治決着に委ねられました。
消費者はたまらないですね。

自分の健康は自分で守る

結局、1997年4月にOPPの使用が認められ、その際にOPPにNaを結合させたOPP-Naも認可されました。
しかし、安全性が確認されての認可ではないことを改めて伝えておきます。

その翌年、1987年、ほぼ同じような経緯でTBZも防カビ剤として認められました。
OPPだけではダメなのか、という疑問もあると思いますが、OPPとTBZを併用すると、防カビ効果が一段と高まるからです。

残るイマザリルは1992年に認可されました。
いずれの件も、日本の消費者よりも、アメリカ政府や業者の利益を優先させていることは明白です。 

自分の健康は自分で勉強して自分で守るしかない世の中に、もう30年以上前からなっているということです。

果肉にも届いているのか

気になるのは、有害な防カビ剤が果皮を通過して果肉まで届いているのか、ということです。

グラフをご覧ください。

東京都衛生研究所のデータです。

TBZとイマザリル、その他2つの防カビ剤の果肉、皮、全体の残留値を表したものです。

グレープフルーツの果肉の残留値は皮の約20分の1、オレンジの果肉は皮の約10分の1程度です。

これを、わずかなので大丈夫だと考えるか、わずかだけどダメだと考えるか、これは皆さんの判断にお任せします。

念のために、妊婦さんは食べない方がいいと思います。
また、体重がまだ少ない幼児、小学生低学年くらいまでは食べさせない方がいいでしょう。

皮を食べる人はほぼいないと思いますが、マーマレードにしたり、オレンジピールとか、ハチミツ漬けにするのは、要注意です。

防カビ剤対策

①食べない、買わない
 シンプルisベストです。

②国産商品を購入する
 国産の柑橘類にはOPP、TBZ、イマザリルなどの防カビ剤は使われていません。
使う必要がないからです。

デメリットは、価格がやや高いことと、数と時期が限られることです。

国産レモン(広島、愛媛)の旬は10〜3月、
オレンジ(和歌山)は1〜3月、
グレープフルーツ(和歌山)は4〜5月が旬です。

レモンは旬の時期はスーパーでも見かけますが、オレンジとグレープフルーツは一部のスーパーを除き、通販がメインかもしれません。

③塩もみ、または茹でる
次のようなデータがあります。

塩もみ、または茹でた場合のTBZ、イマザリルの除去率です。
この方法を使うのも一つの選択肢です。

まとめ

輸入柑橘類は遠い国から数週間かけて運ばれるため、カビが生えたり腐ったりしないように、防カビ剤が使われます。

おもな防カビ剤は、
OPP(オルトフェニルフェノール)
OPP-Na
TBZ(チアベンダゾール)
イマザリル

これらの防カビ剤はそもそも農薬で、毒性の強い物質のため、添加物として国は認めていませんでした。

ところが、アメリカ政府からの圧力により、日本は政治判断でいずれの防カビ剤も認可してしまいました。

気になる果肉の残留値は、皮の約20分の1から10分の1程度と見てよさそうです。

これを大丈夫だと考えるか、ダメだと考えるか、これはそれぞれの判断です。

皮を利用するのは、あまり薦められません。

対策は
①食べない。買わない。
②国産商品を購入する。
③塩もみ、または茹でる。

以上の3つが挙げられます。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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