第十二話 生存
「アカン、意識が…」
断食中から吐き気に襲われており、日に日に強くなる症状に限界を迎えていた。
一体どうすれば…
私は昔から人に頼ってばかりでした。
何かあるとすぐに相談して答えをもらっていました。
悪くいえば酷く依存した状態。
そして上手くいかなければ自分が悪いのではなく、人のせいにする。
典型的なロクでもない奴でした。
しかし、ここはその頼るべき相手がいない。
どうしようか。
私は追い込まれると謎の力が出てくるタイプの人間です。
この点は自分でも良いところだと思う反面、普段から発揮出来ればとも思っています。
そこでまずはスマホで情報収集をすることにしました。
ほんとに便利な世の中になりました。
すぐに私の体調不良の原因がビタミン不足だと判明しました。
なかでもビタミンDが不足しているようで、私は早速サプリメントを買いにいきました。
以前はサプリに頼るなんてと否定的でしたが、背に腹はかえられません。
服用してからすぐに体調が良くなりました。
そこからは朝と夜にグラノーラ、お昼には1日置きにおにぎりを食べる。
そして朝一番にサプリを飲む。
とりあえずの形が決まり、以降吐き気などの体調不良に襲われることはなくなりました。
「とりあえずはこれで行く」
「あとで調整すれば良いから」
この余白を持った取り組み方のおかげで上手く続けられたんだなと、今になってしみじみ感じています。
次回「尻持(けつもち)」
〜人は失った時に本当の価値を知る〜