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プライバシー侵害と某局問題とSNSと

某放送局のニュースといい、SNSにおけるプライバシー問題といい、少し私なりに思うところがありまして、こうして出してみることにしました。

一、プライバシーとは、プライバシー侵害とは

 まず、復習みたいな感じで、それぞれに関しての定義をここで出しておこうと思います。
といっても、いずれもネット上からのものなので、正確性はちょっと分かりませんが、概ね正確であろうと思います。

プライバシーとは

〝「個人の秘密にしたい情報」や「他人の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由」〟であり、〝個人情報以外の情報〟を含む。
その情報とは
1.私生活の事実・それに相当する事実の情報
2.一般人の価値観等から考えて、守られるべき事柄とされる情報(公開された側の負担や精神的ダメージ等を考えたもの)
3.大多数の人が知らないことで、本人にとってその大多数に知られることで、精神的苦痛や不安や不快感を感じる恐れのある情報。
4.公開されたことが、真実でなくとも、真実のように扱われ、公開された人物にとって、精神的苦痛や迷惑等が出る可能性のある情報


多少言い回しを変えてますが、概ねこのようなところで、正しいと思います。
4に関しては、名誉毀損とも繋がっていると考えています。少なくとも、ここでは便宜上そのように扱わせていただきます。

プライバシー権の侵害(プライバシー侵害)とは

政治家等の公人ではなく、一般人である私人・一般人の基準からして、秘密にしておきたいであろう、公開されたら心理的負担があると思われる事柄・一度でもどんな形であれ公開されたことのない事柄
のプライバシー情報を、正当な理由なく公開・公表した場合に、侵害が侵されたと判断される
のだと考えられます。

一つ目に関しては、私人の場合であり、政治家等の公人として行動する人達の場合は、状況や内容にもよりますが、関係がない。とはいえ、公人の家族は、あくまで私人なので、そこは完全に守られるべき存在となる。
二つ目の秘密にしておきたい事柄に関しては、例えば、「実はカレーよりハヤシライスが好き」みたいな、一般人の感覚から見て、他者に公開しても精神的負担がないと思われることに関しては、あまり関係がないと考えられると思われる。
三つ目の一度でも公開されたことのない事柄に関しては、どんな形であれ一度でも公開された事柄は、侵害の対象からは外れる可能性があると思われます。もちろん、個人情報とか、本当は公開してほしくなかった情報が公開されてしまった場合には、守られるようになっていると思いますが。(ネット上の個人情報や犯罪歴等の削除要請とかあるので)。

基本的なそれぞれの意味合いはこんな感じで間違いないだろうと思います。

この後は、いくつかの、実際問題になっている事柄を元に、考えていきたいと思います。

二.守秘義務と某局の判断とプライバシー

 さて、まず一つ目は、昨今騒がれている某元タレントの女性問題に関係する、某局の話。
当事者同士は、示談が成立し、守秘義務が約束されているにも関わらず、当事者間ではない誰かが雑誌社に公開したことで発覚した事件。
それによって、某局が責め立てられることとなった(ま、某局の場合の理由は会見の方法が悪かったことが一番大きいだろうと思われますが)。
某元タレントも某局も自業自得であるため、擁護する気はないですが、某局がしきりに述べていた〝女性を守るため〟と言うのは、案外真実であるのではないかと思う。

実際、もし女性とのトラブルが起こってすぐに、某局や周囲がそれを知り、某元タレントの出演を突然軒並み辞めていっていたら、ファンだけでなく色んな人が理由を知りたがっていたでしょう
そうした場合、仮に女性のことが漏洩しないように気をつけつつある程度事情を公開したとして、おそらく遅かれ早かれ、女性の事が明るみになる事は確実ではないでしょうか
そして一番大事なのは、某元タレントや某局によって精神的にも傷ついてすぐの女性の心を、すぐにまた傷つけてしまう可能性があった
この情報世界の世の中において、完全に秘密裏にしつつというのは、非常に難しい事だと思います。
それで、某局はあの判断をしてしまい、今頃になって発覚して、結果結局トラブルが発覚することとなった。
トラブルを知った時点で、第三者なり弁護士なりに相談すべきだったと思うのだけど、なぜしなかったのか……

ま、そこに関してはここでは関係ないです。私が思ったのは、〝守秘義務の情報が、いくら効果が及ばないとはいえ、当事者以外の人が公表して良いものなのか?〟ということです。

この騒動の最初の頃、トラブルのことを雑誌社に話したのは当事者のどちらかではなく、相談を受けた知人の誰かである可能性が高いと、テレビで聞きました。
確かに、〝守秘義務〟がある以上、当事者の二人が自ら明かすとは考えにくいです。
ま、当事者本人が話したというのであれば、もう破綻してるのでここで述べることではないですが、本当に知人が雑誌社に話したというのなら、それは〝プライバシー侵害〟にあたらないのだろうか?
個人的見解ですが、プライバシー侵害にあたる要件としては、十分当てはまると思います。

今更どうこういうつもりはないですが、今後は〝守秘義務が成立した場合、その事案の当事者間だけでなく、当事者からその話を聞かされた人たちにもその効果は及ぶ〟ようにした方がよく、もし正当な理由なく公開した場合には、何かしらの罰則があった方がいいのではないかと思う
でないと、せっかく〝守秘義務〟という守られるべき義務があるのに、第三者のために、守られなくなる事が多々起こるのではないかと私は思っています。
それとも、〝守秘義務〟に関しては、プライバシーとは、関係ないのだろうか?私は、それもまたプライバシーだと思うのですが。

三.SMSにおけるプライバシー

 次に、今や誰しもが目にするネット社会におけるプライバシーに関する話。
自己責任にせよ知り合いとかにバラされたにせよ、ネット上に公開されてしまったら、先に述べた〝一度でもどんな形であれ公開されたことのない事柄〟に該当しなくなり、一見すると保護の対象から外されそうではありますが、当然本人の意思でその情報を削除したりなどと公開しないようにすることもできるとでしょう
ただ、人の記憶からはなかなか消えないでしょうから、自分のミスで(個人情報をはじめ秘密にしたい事柄を)公開してしまわないように気をつけないといけない。

さて、ではブログや掲示板、こういう場で公開された話や、動画サイト等におけるコメントに関してはどうでしょうか?
もちろんそこに個人の情報は載せてなく、単純に各場所での感想や意見等がその多くを占めている。
そういったものは〝一度でも公開された事柄〟であるため、プライバシー保護とは関係なくなるでしょうか?

もちろん、サイトによっては、〝ここに記載されているコメントを無断で使用することは禁止します〟としているところもあるのかもしれない。
もしそれがあるのに無断使用した場合は、場合によっては注意を受けるべきだし、削除要請が必要になってくるだろう。

ただ、知らずに誰かのコメントとかを勝手に使った場合や、特に記載もない場所のコメントの場合は、プライバシー侵害にはならないのか?
おそらく、この場合、内容や状況によると思う。
例えば、
〝とあるサイトのとある人のコメント〟として匿名性を重視してよそで公開した場合と、
〝〇〇の〇〇という人がこんなコメントをしていた〟と、具体的に全て語った上で公開した場合では、プライバシー侵害の重さが変わるのではないかと思う


前者であれば、多くの人にどこの誰のコメントかわからないため、(当の本人が自分からバラさない限り基本的には秘密にされたままになるため(匿名性があると思われるので)、プライバシー侵害にはあたらないのではないかと思う。
後者は、当然侵害だけど。

もちろん、匿名性がある公開方法でも、公開された人によっては、悪く捉えてしまう場合もあるため、十分な注意が必要となるだろう。

私個人の考えでは、一度でもネットで流した自分の情報やコメントは、どこで好きに使われようと構わないと思っているが、そうではない人もいるだろう。

ネットにおけるプライバシー侵害は、今後も難しいものがあると思う。

四.育児動画と子供のプライバシー

 さて、動画サイトでよく見られるものの一つが、子供を扱った動画ではなかろうかと思います。
YouTubeだけでも、色んな動画があり、ペットと子供とか、兄弟たくさんの動画とか双子とか三つ子という感じの動画とか、孫と戯れる祖父母の動画とか持病のある子供の動画とか、本当に色々ある。

しかし、そういったいわゆる癒し系と呼ばれる動画の影で問題となっているであろう事が〝子供のプライバシー〟に関すること。
どんな事情であれ、親が子供のプライバシーを勝手に晒していいものなのか?
それを考える人はおそらく多少なりともいるでしょう。
民法的に親は子の権利や義務を代わりに行使できるとあったと思います
そこには、〝人権〟まではあてはまらなかった気もしますが、ある程度は保護者の意思が入る余地はあると思います
でなければ、子供の容姿や変わった癖とかを見た第三者が誹謗中傷してきた時に、名誉毀損で訴えられないことになりますから。(代理権の行使 だったかな?)

もちろん、子供が成人になり、親がしてきた事が気に入らなかったり嫌であるなら、損害賠償等の権利を行使できたと思います。ま、実際にやる可能性は、よほどな事がない限りないとは思いますけどね。よっぽど親と子の間に大きな亀裂でもあれば、話は別ですが。
なんせ、子供にとっては親が一番である可能性が高いのですから。例え(今回の話から少し脱線しますし、その重さにもよりますが)犯罪者の親であったとして、子供にとっては、その親は大事な自分の親であるように。

育児動画とその子供たちに関する事柄も、今後考えていく必要があるのかもしれませんね。

さて、育児動画そのものもそうですが、動画サイトには〝コメント欄〟というのがあり、もしかしたらその子供の(両親以外の)身内が、動画で公開されていないような、日常のワンシーンをコメントで語った場合はどうでしょう
そこにも子供のプライバシー侵害は及ぶ事があるでしょう

ただ、内容にもよると思うのです。
例えば、テストの結果を見た両親も含めた身内が、その成績が芳しくなかったとやんわりと抽象的な言い方をするのと、具体的な点数を公開するのとでは、侵害の重さが変わるのではないかと思います。
〝成績が芳しくなかった〟だけだと、70点でも成績が悪いと思う教育優先の人もいるだろうし、一般的に考えて一桁代と考える人がいるでしょう。
本当に一桁代だったら、もっとやんわりとした言い方をした方がいいかもしれないですが、基本的には広く考えられる可能性があり、秘密にしやすいでしょう。何より具体的ではない。
ところが、〝〇〇点〟だったと具体的な数値を述べてしまうと、そこで固定されてしまうため、よほど成績が良くないと、子供にとってはマイナスな事実であり、心理的ダメージがあり、プライバシー侵害になる可能性は高いでしょうね。

もう一つ、例えばの話、動画の子供の親戚が視聴者さんたちに対するサービスも兼ねて、コメントで「実は公開されていない事で、以前こんな事があった」と、動画では公開されていない、リアルな真実の日常を明かしたとしましょう。
この場合も、その内容によるのではないかと思います
ま、第一前提として、その子供の両親の(未公開日常シーンの公開に関する)了承があることをふまえての話ですが。
ちなみに、動画内でのことではなく、動画サイト外での例えばインスタとかで身内が公開した場合も含みます

この場合もまた、先に述べたように、内容や場合によると思います。
とはいえ、小学校以降の話ならともかく、まだ小学校に行く前の幼児期や赤子の頃に関しては、その多くが誰しもが通る道なので、両親の了承があるのなら、身内が非公開内容をある程度は話してもいいのではないかと思います
プライバシーがあるなしではなく、「こんな感じの成長もある」とか「たまたま動画に残せなかった話」なんかは、公開してもいいのではないかと思う
それって、結局昭和の頃にはよくあった、ママ友同士の井戸端会議と変わらない事柄だと思うし。
ま、時代が時代なんで、それすらダメなのかもしれないですが。

動画配信にせよ、コメントやインスタでの発言にせよ、よほどのことがない限り、あまり(主に小学校以前の乳幼児等の)子供のプライバシーを気にしすぎることはないのではないかと思う
そりゃ、ねしょんべんしたとか、クラスで大恥かいた話を具体的に話すとか、あまりにもなのはダメだけど、子供の成長の一端である真実の日常における些細なことまで、プライバシーを気にしてがんじがらめになっていたら、何もできなくなると思う。それだったら、動画投稿自体やめた方がいいとさえ思う。

例えば、子供の好き嫌いの話とか、好きなものの話とか、怒られそうになって誤魔化した話とか、将来の夢とかなんかは、別段成人した子供が嫌がる可能性は高くないだろう

そして、一番よくないのは、そんな両親からの承諾があって明かしてくれた非公開の話をした身内に対して、身内でもない第三者が子供のプライバシーを盾にして責め立て、誹謗中傷みたいなことを言い出すこと
子供のプライバシーを心配するのは勝手だし、別に悪くはないが、両親が何も言ってないのに、それを盾にして責め立てていい道理はない
プライバシー問題は、そこだけの問題ではなく、そこから派生して誹謗中傷や批判等の別の問題も絡んでくる可能性もあるっていう話

さて、話が脱線しかかったところで、他の事例を。
YouTubeで何年か前に、視聴者の誹謗中傷が酷すぎて、動画チャンネルを閉鎖したという事案があった。
子供のプライバシーを気にしつつも育児動画を投稿する場合には、こういったトラブルにあう可能性もあり、もしも住んでる場所とか名前とかがバレてしまった場合、非常に危険な状況となる。
結構育児動画って、プライバシーや個人情報を誰よりも気をつけないといけない、非常に大変なものなのだと思う

五.プライバシー問題との良き付き合い方

 そもそも、なぜプライバシー侵害を冒してまで、人は他者のプライバシーを暴いたり語ったりするのでしょう?
そこには、人が人に対しての興味があるからなのだと思います。もしかしたら、寂しさを埋めているのかもしれないですね
例えば、芸能人のファンの人が、その推しの芸能人のことを色々知りたくなるのと同じように、人は人に対して、興味が尽きないのでしょうね。ま、わざわざ私が述べる必要もなく、誰しもがわかってることかもしれませんが。

そして、その興味を満たしてあげようとするサービス精神が旺盛な人(四ででいうところの、非公開を公開した身内)もいて、そう言った人たちがコミュニティの一環で語ろうとしてるだけなのかもしれません
よほどのことがない限り、そこには〝悪意〟はありません。
それを見た人によって〝悪意〟となるか〝善意〟となるか変わります。
先に述べた身内の明かした話にしたって、人によっては見え方が違います。

プライバシーは確かに大事ですが、最初の某局といい、あまりにもプライバシーを意識しすぎて、おかしな感じになってるように思います
プライバシーに関して、誰かを責め立てたり否定することは誰にでもできます、でも、大きな目で見て穏やかに平和に見守ることも、時には大事なのではないかと、最近ふと思いました
ちょっとプライバシー侵害に関して、極端に考えすぎてる人がいるのではないかと思いました。ま、一部だけでしょうけど。


初の試みで、多分文章力が壊滅的ですが、どうでしたでしょうか?
今回のプライバシーに関する話は、とりあえず以上で終わります。
(個人情報とは別にして取り上げました)

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