契約社員に試用期間を設けることはできる?
先日、お客様から
「新たに採用した契約社員に
試用期間を設けてもいいですか?」
という質問がありました。
正社員の採用では、
試用期間を設けることが多いと思いますが、
契約社員の場合も同様に
試用期間を設定できるのでしょうか?
今回は、
「契約社員の試用期間」について
考えてみたいと思います。
試用期間とは?
試用期間とは、
採用後に従業員の適性や能力を
見極めるための期間です。
この期間中に会社が
従業員として適切でないと判断した場合、
解雇や契約解除は通常の解雇よりも、
広い範囲で解雇の事由が認められています。
ただし、解雇や契約解除には
法律で定められた厳格な条件があり、
正当な理由が必要です。
契約社員とは?
契約社員とは、
雇用期間に定めのある従業員のことです。
期間の満了によって、
労働契約は自動的に終了することになります。
1回あたりの契約期間の上限は原則3年です。
契約社員に試用期間を設けることはできる?
結論から言うと、
契約社員に試用期間を設けること自体は
可能です(就業規則や雇用契約書等に
明記する必要あり)。
ただし、いくつかの注意点があります。
1.有期労働契約は、
やむを得ない事由がある場合でなければ、
その契約期間が満了するまでの間において、
労働者を解雇することができないことに
なっています(労働契約法第17条第1項)。
もし、
契約社員に試用期間を設けた場合でも、
その試用期間中に本採用拒否をすることは
契約期間中の解雇にあたります。
契約社員の場合、
契約期間中の解雇は
特に慎重に判断されます。
たとえ試用期間中であっても、
不当解雇とされると損害賠償請求を
受けるリスクがあるため注意が必要です。
2.契約社員の場合、
契約期間が短いことが一般的です。
そのため、
例えば6か月の契約に対して、
3か月の試用期間を設定するのは、
不合理とみなされる可能性があります。
試用期間が契約期間の大半を占める場合、
試用期間の設定そのものが
無効とされるリスクがあります。
まとめ
契約社員については、
契約を更新(継続)するのが
適当でない人物だと会社が認めたときは、
雇用期間満了をもって
雇用契約を終了する(更新しない)
という対応をとることができます。
そのため、
あえて試用期間を設ける必要はないのでは?
と思います。
仮に、
契約社員に試用期間を設けていた場合、
試用期間満了後も引き続き雇用するのは
適当ではないと認めたとしても、
雇用期間の途中で解雇することは、
やむを得ない事由がある場合でなければ、
法的に許されないことになっています。
(労働契約法第17条第1項)
そう考えると、
契約社員に試用期間を設けることは
あまり意味がないような気もします・・・
【注意】
本記事は、
一般的な情報提供を目的として
投稿日現在の情報をもとに作成しています。
個別のケースに
当てはまるものではありませんので、
あらかじめご了承ください。
また、法律や制度は頻繁に改正されるため、
必ず最新の情報をご確認ください。