【プレビュー】『勝点獲得のペースを上げるために』~第8節藤枝MYFCvsファジアーノ岡山~
マッチプレビュー
勝点獲得のペースを上げるために必要な決め切る力
岡山にとって、3試合勝利から遠ざかっている現状は満足いくものではない。今季はJ2優勝とJ1昇格を目標に掲げて始動しているため、このままではペースでは昨年の悔しさを悲願達成の喜びで塗り替えることは難しい。3位に終わった昨年の勝点72は、前半戦に29、後半戦に43を積み重ねたものだった。前半戦にもう少し勝点を獲得できていれば違った結果が待っていたかもしれないため、勝点獲得のペースを上げていきたいところだ。
しかし、ポジティブな要素もある。7試合を終えて1度しか負けておらず、直近2試合は先制を許しながらも追いつくことができた。苦しい状況の中でも粘り強さを発揮しながら勝点を積み重ねている。
チームとしての狙いをうまく出せない中でも、セットプレーや個の力でチャンスを作ることはできているため、しっかりと決定機を仕留めて勝利を手にしたい。その中で、カギを握るのは前線の櫻川だ。背番号18には両サイドから鋭いクロスが供給されており、あとは決めるだけという段階まで来ている。190cmの高さは岡山の武器であり、対戦相手の脅威であることも間違いない。今節に対戦する藤枝は高さに不安を抱えており、クロスから4失点を喫している。彼が今季初のヘディングシュートを決めることができれば、4試合ぶりの勝利が近づくはずだ。15得点を目指す21歳のFWに期待が集まる。
また、今週の練習では“仮想”藤枝を相手にプレスを訓練する場面も見られた。自らのアクションで相手にペースを握らせず、前半から勢いを出していけるかも焦点になる。前線に入る櫻川はプレスのスイッチを入れる役割も担うため、攻守において背番号18のプレーに注目したい。
コラム
故郷のピッチに立つとき、河井陽介は何を思うか
今節は河井陽介が故郷のピッチに立つ。
藤枝は“サッカーのまち”として知られている。元日本代表の中山雅史(現沼津監督)、名波浩(現日本代表コーチ)、長谷部誠(現フランクフルト)をはじめ名だたるプロサッカー選手を輩出しており、蹴球都市と題したPR活動も活発に行われている。
河井も“サッカーのまち”で力を蓄えてきた。小学1年生から高校卒業までを藤枝市で過ごし、高校は静岡の名門・藤枝東高校に入学。高校3年時には背番号10を背負って全国サッカー選手権大会に出場し、準優勝に貢献した。
今節が行われる藤枝総合運動公園サッカー場は、河井が藤枝東高校の一員として公式戦を戦っていたグラウンドだ。高校卒業から15年の時を経て、プロサッカー選手として思い出が詰まった場所に初めて乗り込む。スタジアム入りしたとき、ロッカールームで準備をするとき、ピッチに足を踏み入れた時、背番号27は何を思うか。当時を思い出しながらも、きっと身を引き締めるだろう。生まれ故郷に、育ったスタジアムに成熟した姿を見せる。練習中にいつも笑顔でボールを蹴る河井は、慣れ親しんだピッチでサッカーを思う存分に楽しむ。