【欧州サッカーの勝因】『トッテナムがソン・フンミンの大活躍で勝利』~第35節トッテナムVSレスター~
スタメン
この試合を選んだ理由
トッテナムが3年ぶりのチャンピオンズリーグ出場権獲得に近づいていたんですけど、前節ブレントフォードに引き分けたことで、CL圏外の5位に後退してしまいました。トッテナムにとって今節はCL出場圏内確保のために負けは許されない一戦であり、次節・リヴァプール戦に弾みをつけるために勝ちたい試合でもあります。貪欲に勝利を目指すトッテナムはどんなサッカーをするのか、気になったので選びました。また、個人的にリヴァプールを応援しているので、次節の相手を偵察する意味合いがあったのも本音です。
[勝因]2ゴール1アシストのソン・フンミンが大爆発
同じアジア人として誇らしい。世界最高峰のプレミアリーグで勝負を決定づける活躍をしたFWソン・フンミンのパフォーマンスは圧巻の一言でした。
前半はアウェイのレスターが攻め入りました。14分、右サイドからMFスマレが抜け出してクロスを上げると、FWダカが合わせる。ジャストミートしたシュートは右ポストに当たりました。16分には、MFオルブライトンが敵陣右サイドで相手からボールを奪い、ゴール前に流し込む。またしてもゴール前でFWダカが待っていましたが、間一髪のところでDFロメロがクロスをカットしました。
トッテナムは守備の時間が続いたんです。レスターにボールを保持され、縦パスを入れてもFWが孤立しているのですぐに奪われてしまう。[5-4-1]のブロックを形成していたことから、ある程度守備の時間が長くなることは想定済みだったとは思いますけど、全く決定機を作ることができません。トッテナムってこんなに守備から入るチームなんだなって自分が抱いていたイメージとのギャップに驚きました。
防戦一方でしたけど、先制してしまうのがトッテナムの強さなのかもしれません。22分にセットプレーで試合を動かします。右からのCKをFWソン・フンミンが蹴ると、FWケインが相手を振り切ってニアサイドで合わせました。ソン・フンミンのボールの質が非常に素晴らしい。アウトスイングのボールはとても鋭くて、ストーンが飛んでも触れない絶妙な高さで飛んでいき、FWケインの頭にピンポイントでした。
トッテナムは後半もレスターにボールを握られる時間を過ごしますが、スライドを徹底して1対1でも粘り強く対応していきます。レスターにシュートを許さないと、追加点を奪います。
60分、DFロメロが激しいスライディングでルーズボールを制すと、ボールは途中出場のMFクルゼフスキに渡る。MFクルゼフスキは右サイドから中央に切り込みPA内に進入すると、パスを送ります。すると、左から入ってきたFWソン・フンミンは反転して左足を振り抜きます。FWソン・フンミンはゴール前の狭いスペースでも冷静でした。FWケインがニアに走り込んで、空いたスペースを見逃さずに進入しています。そしてコントロールのポイントをズラして反転し、シュートを逆サイドネットに流し込む。個人の能力が頭1つ抜けています。対応してきたDFの2人を手玉に取る素晴らしいゴールでした。
FWソン・フンミンは止まりません。79分に2つ目のゴールを決めてしまいます。PA左角でパスを受けると、左足一閃。シュートはきれいな弧を描き、ゴールマウスの外から巻いてネットを揺らしました。強烈な一撃は衝撃的でした。難易度の高いシュートを、いとも簡単に決めてしまう。チームメイトが頭を抱えてしまうくらいのスーパーゴールで今季19ゴール目をマークしました。
FWソン・フンミンは82分に観客から大きな拍手で称えられながらピッチを去りました。
90+1分にFWイヘアナチョのミドルシュートで1点を返されますが、トッテナムはFWソン・フンミンが2ゴール1アシストの大車輪の活躍でレスターに勝利。5万9千人以上が駆け付けたトッテナム・ホットスパー・スタジアムは歓喜に包まれました。
試合終了後FWソン・フンミンはチームメイトと喜び合いながらも、表情が全く緩みません。2ゴール1アシストの活躍でチームを勝利に導いても、全く満足していないと感じるほどでした。すでに次戦を見据えているのでしょう。
今節の勝利で4位アーセナルとの勝ち点差は2になりました。次戦はリヴァプールと対戦します。FWソン・フンミンとDFファン・ダイクのマッチアップが楽しみで仕方ありません。