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映画:プリティ・リーグ

March 24, 2024
A League of Their Own (1992)/プリティ・リーグ

監督:ペニー・マーシャル
脚本:ババルー・マンデル、ローウェル・ガンツ
出演者 トム・ハンクス、ジーナ・デイヴィス、マドンナ

第二次世界大戦中のアメリカを背景に、全米女子プロ野球リーグの創設とそこでの選手たちの奮闘を描いた映画。主人公はドッティ・ハインソン(ジーナ・デイヴィス)と彼女の妹キット・ケラー(ロリ・ペティ)であり、彼女たちは「ロックフォード・ピーチズ」に所属する。映画は、ドッティの才能とリーダーシップ、キットの成長と姉妹間の競争を中心に展開する。
 プロ野球選手が戦争により不足していた時代、女子リーグの創設にあたる。ドッティとキットは才能を認められてリーグに入るが、姉妹の間の対立や困難な環境に直面する。物語は、チームメイトとの絆の深まり、そして女性としての自立を描きつつ、ドッティとキットの姉妹関係の変化を追う。最終的には、姉妹が自分たちの道を見つけ、リーグの成功と女性の可能性を証明するクライマックスへと至る。

子供の頃から何度かみた映画。旦那は観たことがないということで観てみた。今観ると、子供の頃には感じなかったメッセージを感じ取ったり。

第二次世界大戦中、野球選手が不足し、女子によるプロ野球リーグが創設された(ソフトボールではない)。

めちゃくちゃ才能があるのに、目立つことも、優勝することも、興味のない姉と、その陰に隠れていたせいで、とにかく目立って、地元から出ていきたい妹、の話だと昔は観ていた。しかも、妹が結構、わがまままだと。

実はトム・ハンクスが監督として、主人公として出演しているものの、実際はかなり助演。でもさすが。めちゃくちゃうまい。野球人生がだめになって、プロ野球の監督も不祥事でクビになって、女子野球の監督なんてと馬鹿にしていたのが立ち直っていくところとか(だんだん本気で、教会で祈る女子選手に文句言いつつ、自分もちょっと祈ったり)いい感じだった。

映画にはマドンナも出ている。実は、この前のコンサートもマドンナは自分の人生の振り返りにこの映画の出演を挙げていたので、懐かしのユニフォームをダンサーが着るという演出もしていた。

遊び人風で、なんでも斜に構える感じのマドンナだが、女子のプロ野球リーグでやはり人生の巻き返しというか自立を願っている。

興行不振と戦争が終わるだろうから本来のプロ野球選手が戻ってくるという理由から、女子プロ野球リーグを辞めてしまえ、という話になったとき、ついに本音がでる。

経営を任されていたアイラが「ここでプレーしている女性全員が、けがをして、指の骨を折って、それでも自立のためにプレーしている。その彼女たちに、男性選手が戻ってくるからと言って、またキッチンに戻れというのか」というが、このセリフは今思うと深い。

A League of Their Ownという題名そのものじゃないか。
これは、単なる女性プロ野球という話じゃなくて、女性が自立するために各々が人生と向き合い、困難や挫折を乗り越えていくという話。そして、それが結果的に、女性が考え、自立し、居場所を見つけるということ。

結局、人生を投げ出していた監督も、女性のひたむきなプレーや、一丸となるチームや、戦争で夫を亡くすのを目の当たりしたりして、女性軽視(とまではいかないが、女性が野球なんてできない!とか泣くな!とか)から野球選手として認めるだけでなく、自信も立ち直る。

改めて観ると、本当によく練られたストーリーだと思う。
当時、どういう位置づけだったのかわからないが(コメディなのか、女性陣が豪華ー、とか)、「プリティ・リーグ」という安直な話ではなく、野球を通じて、女性が自立していく、もしくは自立するきっかけをつくるような、そんな映画だった。

終わり


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