本物のヒーロー
2024.11.8&11.9 北文化小劇場にて行われた
『team TRASH本公演 10th Anniversary performance TRASH BOX』
参加いたしました。
長谷川聖さん、神田丈志さんのお2人によるアクションユニット「team TRASH」結成約10周年の記念公演でした。お2人は現在、カブキカフェ ナゴヤ座にて名古屋虎三郎さん、名古屋虎之助さんとしてもご活躍されています。
私がお2人に出会ったのはナゴヤ座だったので、TRASHとしてのお姿を本格的に見れたのは本公演が初めてだったかもしれません。2022年の元旦に金虎酒造さんのイベントでTRASHのスタイルに近いパフォーマンスをされたとき(虎舞というパフォーマンス名でした)は現地で拝見しましたが、そのときはTRASH名義ではなかったんですよね。でもお2人の原点は路上ということなので、金虎酒造さんの敷地内で1月の寒風吹き荒ぶ中行われたパフォーマンスはある意味原点回帰だったのかもしれないですね……!
本公演は配信もないし映像化もされないということだったので、いつも以上に記憶に刻んで目に焼き付けなければ!とレポ書く意気込みだったのですが……お2人の人生の一部を見せていただいたTRASH BOXは、受け取ったものが大きすぎてとてもじゃないけどレポは書けないなと割り切りました。なので、受け取った想いや感じたことなどを書き連ねたいと思います。
まず嬉しかったのは本編の舞台に2人だけだったこと。そして、結成当時からずっと応援されている方やこの数年で出会った方、初めてお2人を見るという方もいたかもしれない。そういうあらゆるタイミングでお2人に出会った人達が同じ場に集って同じ時間を共有できることも、とても嬉しかったんです。
長谷川さんはこの公演にメッセージ性は何もないと言っていたけど、私は発信されたものは受け手のものになるという感覚なんです。これは音楽でも舞台でも同じ。一人一人の捉え方や受け取り方でそれぞれのストーリーがあるから、あとは受け手に委ねてください!お任せください!という気持ち。(もちろんご本人の意図しない捉え方をして暴走しないように気を付けているつもりです)
TRASH BOXの情報が解禁されたときに書かれていた「見たいであろうもの、やりたい事を詰め込んだトラッシュボックス」という言葉が、お2人らしいなぁって思ったんです。見せてもらったパフォーマンスの数々はまさにその通りでした。1人ずつそれぞれの魅せ場があり、個性が合わさって2人だからこその相乗効果もあり、こちらのニーズにも応えてくれて、ホスピタリティのカタマリ。
客席に語りかけるような、独り言のような、誰かの心にストンと届くような、空気に紛れて消えてしまうような。長谷川さんの拍手の雨のお話(長谷川さんのインスタ参照)を聞いているときに、幼少期大好きだったヒーローショーを思い返していました。悪者が出てきてキャーキャー騒いで、でも「たすけてー!!」って呼んだら必ず助けにきてくれるヒーロー。何度も見てるから、どこから登場するかも解ってるしこのあとの展開も解ってるのに、それでも見るたびに大興奮。顔を真っ赤にして全力でヒーローに拍手を送っていました。
あれ、これって大人になった今も同じだな……?って気付いたんですよね。エンタメを浴びてキラキラしたものをいっぱい受け取って感性を育ててもらう。来れて良かった、また来たいと思わせてくれるステージがある。
数々のパフォーマンスの中でも特に印象に残ったのがお2人の日舞でした。その前のくだりでは、また一緒に何かやろうと長谷川さんに何度も呼びかける神田さん。長谷川さんがこの業界から離れていた時期に、神田さんはずっと声をかけ続けていたと聞きました。きっと今回の舞台で見たあのやり取りは、当時もこうやって長谷川さんに声をかけていたんだろうなぁって垣間見える場面でした。
という流れから、長谷川さんと一緒に日舞をやりたかった、それが今日叶うんですねとニコニコの神田さんが本当に嬉しそうだったんです。お2人で日舞を踊りながらその間も神田さんが喜びを抑えきれないような表情で微笑んでいて、それがずっと残っています。
このとき使われていた楽曲が頭から離れなくて、歌詞を見たら2人の今までとこれからにリンクする気がして、余計に沁みちゃいました。差し伸べる手があり、まだ諦めたくない、そして手を取り、預ける背中がある。これからも共に。意味はないと言われたけど頭の中で意味を持たせてしまうのです。
長谷川さんが今の環境や仲間、一つ一つの舞台を大切にしてたくさん発信してくれる理由、その裏付けとなるような想いを受け取った舞台でした。超過密スケジュールも、カラダは心配だけどその行動のスタンスが更に伝わったから、見届けたいと思いました。
神田さんは、長谷川さんになりたいとか追い越したいという想いではなく、もちろん尊敬や憧れというものが根っこにある上で、長谷川さんが舞台にいることを誰よりも願い、想い続けてくれる人だと思っています。長谷川さんの隣にいてくれるのが神田さんで良かった。感謝でいっぱい。
何もかもが嫌になって消えたくなってしまうこともあるじゃないですか。そのときに差し伸べてくれる手があり、預ける背中があったら、生きていけると思うんです。お2人が今まで決断したこと、選択した道、すべてに感謝を送りたい。何か一つでも違ったら、こうやって同じ時間を共有できなかったかもしれないから。
こういうアニバーサリー公演は当時を懐かしんで終わってしまうこともありますが、お2人には今がある。それが強みだと思います。今が一番であってほしいし、今が幸せであってほしい。
次は20年後、結成30周年公演ですーって発表(?)がありましたが、今までだったら「それまで生きていられるかな……」って思っちゃったかも。でも今は「それまで頑張って生きよう」と思えています。
One man’s trash is another man’s treasure.
誰かにとってはゴミでも、誰かにとっては宝物。物だったり、言葉だったり、想いだったり。それはその人だけのもので、誰も邪魔しちゃいけないんです。きっとそういう一つ一つの宝物を一つ一つ大切にしてくれる2人だから、周りにはたくさんの仲間がいる。それは今まで紡いできたご縁の証なので、どうか胸を張って自信に繋げてほしいです。この人のために何かしたい、この人と一緒にやりたい、そう思わせてくれる魅力が長谷川さんと神田さんにはたくさんあります。
TRASH BOXはTREASURE BOX
たくさんの彩りとキラキラを届けてくれてありがとうございました。これからもお2人に傘のいらない拍手の雨が降り注ぎますように。
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