フロム渋谷ミルキーウェイ ペル×yutori
2024.8.13~8.14
初めて、ライブハウスに行くために東京へ飛んだ。飛んだと言っても新幹線だろ、というツッコミはさておき。
6月に、鉄風東京・ペルシカリア・Blue Mashの2002年生まれバンドスリーマンが開催されることが発表された。
そしてその前日に、ペルシカリアとyutoriのツーマンが開催されることが発表された。
ペルシカリアもBlue Mashもyutoriも本当に大好きなバンド。この2日間の為に1人で東京に行くことに一切の躊躇いはなかった。
その時の自分を褒め讃えたい。そんな最高な2日間だった。
渋谷 MilkyWay
新幹線で1人品川に着くと山手線で渋谷へ。少し早く着いたためタワーレコードへ脚を運んだ。あの時あのタイミングでタワレコに向かってなかったらこの2日間はかなり違うものになっただろうなと思う。タワレコでたまたま出会った𝕏のフォロワーとすぐに意気投合し共に渋谷MilkyWayへ向かう。
yutori
yutoriのライブを観るのは10ヶ月ぶり2回目。2年前くらいから好きなのにあまりライブは観れていないが、1度観ただけでライブクオリティの高さは認識していた、つもりだった。
この日観たyutoriは、明らかにパワーアップしていた。それまでの自己評価が明らかに過小評価だったことを思い知らされるアンサンブルに心を打たれた。
昔からよく聴いていた「君と癖」、ずっと聴きたかった「ヒメイドディストーション」、最新アルバムの「巡ル」
ボーカルの表現力、技巧的なギター、カッコイイベース、痺れるドラム。どれもが絶妙なバランスを取りながら主役だった。
ペルシカリアとyutori、この2組には切っても切れない縁がある。
yutoriのボーカル、佐藤古都子がペルシカリアのボーカル矢口結生への思いを語る。
そう、この2つのバンドは、「ショートカット」という曲で繋がっている。
と軽口も交えつつ、矢口の影響でもっとバンドを続けたいと思うようになったことを打ち明ける。
そんな彼への気持ちを載せて歌うショートカットは、熱狂の渦を引き起こした。普段のyutoriにはないモッシュダイブが発生するほど、このショートカットは格別だった。
転換のリハを挟んでペルシカリアがステージに現れる。
ペルシカリア
1曲目は「情けない」
yutoriのフロアの熱量を継承したまま完全にパンクバンドと化したフロアを作り上げる。
東京のライブハウスに初めて来た。関東を根拠地にするペルシカリアはやはり関東で1層輝くことを知らされた。
「この曲がなかったらyutoriもペルシカリアも生まれていない!」と叫んで始まった曲は「さよならロングヘアー」
「ショートカット」はこの曲のアンサーソングだ。つまりyutoriの生みの親の親。おじいちゃんだ。(おばあちゃんかもしれないが)
そこから「恋心納品日」「ビビって」「離愁」と続けざまに曲が披露された。隣で観ていた友達はライブハウス前方へきえていった。
ここから、ペルシカリアは化け始める。
今回の企画、「New music FINAL」は渋谷Milkywayのスタッフ主催によるイベント。主催者はミルキーウェイを離れて活動する道を選んだため、今回がこのイベントの最終回なのだ。矢口結生のバイト先であるミルキーウェイ、お世話になった先輩の最後の企画。因縁のyutoriとのツーマン。矢口は人生1.2の勝負の日だと語っていた。
フロアの熱量含めて、舞台は完全に整っていた。
主催者への物申しから始まったのはペルシカリアの反骨心をありのまま表現する新曲「ハウオールドアーユー」
ライブで初めて聴いたがダークな雰囲気を纏いつつ矢口結生の「反骨心」を詰め込んだ楽曲だな、と感じた。反骨心はすなわちパンクだ。
続いて、対バン相手yutoriへの悔しさを露わにする。
ショートカットという曲への激情、そしてペルシカリアというバンドへの矜恃を吐き出して奏でられる曲は「ショートカット」
今まで観たどのショートカットとも違う、言葉に出来ないほどの熱量を纏ったショートカットだった。後ろで観ていたが、思わず身体は前に走る。普段のショートカットとは比べ物にならないダイバーの数。自分の身体も宙を舞っていた。
そこから更に「優しい人」「歓声の先」「風道」「風道」「死ぬほどどうでもいい」と激しい曲が続けられる。自分も、バンドも、客も、大汗を垂らしながら熱狂していた。
ペルシカリアは、知名度ではたしかにyutoriに劣るかもしれない。でも、実力は負けていない。先輩として、yutoriの生みの親として、矢口にも負けられないものはある。
「yutoriに見せたい景色はこんなもんじゃねぇ!」と煽る矢口。これほどまでの熱狂を作り出せるバンドは数少ない。再び身体は客の上を転がっていた。
全員の体力が限界を迎えていたがペルシカリアは止まらない。「黎明」「タイムオーバー」と続けられる。普段ならこの後は「愛情完済日」なのだが、この日は違った。
東京で聴く、「東京」は別格だった。埼玉出身の彼らにとって、ホームのライブハウスは既に廃業。矢口結生は埼玉を飛び出して東京で暮らしている。そんな彼らに居場所を提供したのがこの日のハコ、「渋谷ミルキーウェイ」なのだ。
驚異的な熱量のまま本編は終了し、アンコールが始まる。ステージに立つのは息も絶え絶えのメンバー。「熱すぎてステージから湯気が出ている」と矢口は語る。
明らかに持ち時間を超過しているが、時間を気にせずアンコールさせて貰えることに改めて矢口は感謝を口にする。そして主催者及びミルキーウェイへの思いを口にする。
そして始まった曲はまさかの「HOME」
主にワンマンライブでしか披露されてこなかったバラードをこのイベントで、このハコで奏でることの意味は、誰しもが理解していただろう。彼らにとって「渋谷ミルキーウェイ」がすっかりホームになったのだということを。
そう告げて始まったのは、自殺未遂を行った過去を持つ矢口にしか書けない曲、「最初の晩餐」
そして最後は「愛情完済日」
主催者、ハコへの彼らなりの愛情表現なのだろう。75分間の熱狂はこうして終わりを告げた。
最後に矢口結生はこう叫んだ。
フロム渋谷ミルキーウェイ、ペルシカリアでした
この日のペルシカリアは、いつもより何倍も大きく見えた。その感覚は翌日のライブを観て確信へと変わった。
ライブ終わりに外に出ると沢山の友達がいた。1人で来たライブハウスで、全くもって独りじゃない状況に嬉しくなる。終わったあとに皆で食べたラーメンは美味しかった。
また明日ね〜と告げて帰路についた。