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【山場】J1第20節 FC東京vs.大分トリニータ

前節は、鹿島相手にアグレッシブに闘い、1試合通じて両チームのシュート本数が4本と互いに守備が光ったそんなゲームだった。
大分からすれば、鹿島相手に勝ち点1でもとれたことは御の字だろう。降格圏に沈むチームにとっては大きな大きな勝ち点1だ。

今節こそ、勝ち点3をと東京の地へと乗り込んだものの、前半で三竿が退場しプランが狂ってしまい、10人で戦う羽目になり、正直みててやりようがなかったように思える。
そんな中でも、試合を捨てずに最後まで闘う姿勢をみせたと岩政さんには褒めていただいた。

試合結果

FC東京3ー0大分トリニータ
【得点者】

24'レアンドロ
45'ディエゴ
47'小川
【選手交代】
FC東京
70’ディエゴ→田川
70’安部→青木
78’東→三田
78’アダイウトン→永井
大分トリニータ
35’三竿🟥
45’町田→井上
61’ペレイラ→渡邊
61’小出→藤本
70’小林成→福森
70’刀根→上夷

スタメン

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スタメンは上図の通り。
FC東京は前節から7人と大幅にターンオーバー。前線には、アダイウトン、レアンドロ、ディエゴオリヴェイラのブラジル人トリオが並び、右SBには、本職左SBの小川が入り、左には19歳のバングーナガンデが入った。結果的にこの両SBが大分を苦しめる。やはり、うまいSBはずるいなと。
対する大分は、前節から、4人入れ替えた。前節、坂が負傷したことにより代わりを務めるには刀根。そして、ペレイラが待望のリーグ戦初スタメンの入った。大分は、怪我人が多いが、今いる選手でやり切るしかない。

崩れたプラン

大分は序盤からFC東京に対して、しっかりボール保持しながら、FC東京陣内に攻め込む。大分としては、カウンターに強いFC東京との対戦ということを鑑みてか、できるだけトランジションの少ないゲームにしようという意図があったように思える。
FC東京は、守備の時は4-5-1で構える形が多く、あまり前からプレスをかけていくという狙いはみえなかった。

大分は、あまり形を動かさずに基本は3バックでビルドアップをし、CB+WB+シャドー+ボランチで三角形をつくりサイドで数的優位を作りながらFC東京陣地に侵入。
リーグ戦初スタメンのペレイラは、ボールに絡みながら、リズムをつくれていて。大分のWBの選手に対してFC東京は、SBをそのままあててくるのでその背後をシャドーでつくという狙いがあったが、SBーCB間のチャンネルと言われる間のスペースには、品田と安部の両ボランチがみるような形で、序盤から割とケアできていたので、そこは狙ってくるということを分かっていたように思える。
FC東京がプレスをかけた時には、セオリー通りに背後!を狙うも、森重、渡辺の壁に阻まれ中々超えることができなかったが、セカンドボールへのリアクションは、はやくチーム全体で共有はできていた。

先述の通り、大分は序盤から主導権を握ったが、ブラジル人トリオの阿吽の呼吸でのコンビネーションを前にあっさりと先制点は奪われてしまう。
左サイドで受けたアダイウトンからのパスをライン間で受けたレアンドロがディエゴへ当てると、ディエゴがワンタッチで落とし、そのままレアンドロが右足を振り抜き、ブロックに入った小林成にあたってコースが変わりボールはゴールに吸い込まれるていき、ゴールイン。
トップ下で起用されたレアンドロが終始ファジーな位置にポジショニングし、大分としては捕まえきれなかったなと。狭いスペースでも、難なくプレーしボールを持てば、違いを生み出せるし、ディエゴ、アダイウトンとの即興でのコンビネーションはまさに理不尽。何の脈略のないところからゴールまでとってしまう。つまり、どうしようもなかったなと。

大分は、持ち直し積極的に攻める姿勢をみせたがその矢先、10分後に三竿が退場するという予期せぬアクシンデントにより全てが狂ったなと。
ペレイラからの浮き球のパスをコントロールミスしたボールを東が反応すると、三竿はミスを取り返そうと足裏で処理をし、それが危険行為と判断され1発レッド。最終ラインの選手に、浮き球でパスをしたペレイラも不用意なミスであった。
大分は、約60分を10人で戦わなければならなくなり、それも、大分の戦術の要である三竿を失ない、さらに1点ビハインドという状況で一気に劣勢となってしまった。

この劣勢な状況下をひっくり返すには、まずはこれ以上失点しないことは絶対であり、大分は三竿退場後の布陣を4ー4ー1へと変更し、引いてカウンターの一発逆転を狙ったが、この布陣にしたことにより、前半終了間際にFC東京にあっさりと追加点を奪われてしまった。守備の陣形を5バックから4バックに変えたことにより、大外のエリアをみることができずに、東にフリーでピンポイントクロスを上げられてしまい、ディエゴに合わせられる形で失点。
大分としては、10人になったことで当然プランが崩れ、修正できるハーフタイムに入るまでに追加点を奪われたのはいたかったなと。耐えていればまだ1点差なので、メンタル的には全然違った展開になっていたはず。

大分は、後半開始から4バックから3バックへとシステムを変更したが、前半の勢いそのままFC東京がまたもあっさり追加点を奪う。
ルーズボールを拾ったFC東京が押し込む形から、左サイドからバングーナに折り返され、ポープが弾いたボールを小川に押し込まれる形で失点。
まさに、SBからSBという両SBが攻撃的にチャレンジした結果が生んだゴールで、小川はなんでそこにいるの?っていう。笑

小川に関しては、本職は左SBだが右SBで起用された今節は、逆足SBの利点をいかしながら、中に絡んでゲームメイクしていて、非常に厄介で。やはり、SBがあれだけ上手いとプレスの基準点を狂わせられるし、チームとしてはゲームメイクできるSBがいるとビルドアップが楽になるので。

また、左SBで先発した19歳のバングーナも素晴らしい選手だなと。単純にアスリート能力が高く、クロスも多彩で何よりオーバーラップのタイミングが抜群。あのタイミングで上がられたら、そりゃついていけないなと。笑
大分は、この両SBが高い位置をとるFC東京についていけずに、何度もサイドを突破されてしまっていて。1人少ない状況だったので、仕方がないかもしれないが、FC東京は、全体的にバランスが取れていて。ボランチの品田と安倍の相性も良く、品田がバランスをとることで安倍が自由に動けていて、手の届かない痒いところに顔を出す非常に厄介な存在だった。

ただ、大分は1人少ない状況下で、60分も戦ってむしろ3失点で抑えることができたことはポジティブに捉えてもいいのではと思う。主力の選手を怪我で欠く中、選手交代をしながらシステムを変えていき、結果1点も取ることができずに終わったが、岩政さんが仰ったように最後まで捨てない姿勢は評価されるべきだなと。
ただ、これも岩政さんが仰ったことで、「ボールを保持の先の絵が揃わないシーンが多い」まさにその通りで個々の判断で動いていて、当然全然噛み合わずに、何の意図もなくただボールを回して結果相手にとられるというシーンが後半いくつもみられていて、ゴールを奪う気配が一ミリもしないという状況になっていて、まだまだ積み上げていかないといけない部分が浮き彫りになったそんな試合だったが、坂、三竿、下田、小林裕、野村の主力組が全員復帰すれば、ある程度は形にはなると個人的には思っていて。
ただ、全員が復帰するまでJリーグが中断することは当然ないので、今現状いる選手の中で、できることをやっていくしかない。

次節は、清水エスパルス。次節こそ、今シーズン最大の山場だろう。怪我人続出の中、片野坂監督は何をみせてくれるのだろうか。

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