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本当にあった、怖い話。【今日のトゥデイ|031】

つい先日のことなんですけどね。怖いなあ〜、怖いなあ〜、って思った出来事があったんです。

私、とあるビルの1階、水辺に置いてあるベンチで本を読んでいたんです。すると、1人の男がやってきて、隣のベンチに座りました。ただ隣のベンチに座っただけなんですけどね、なんとなく嫌だなあ〜、嫌だなあ〜、って感じたんですよ。

何故かって、水辺にはけっこうな数のベンチが用意されていて、そのとき、ほとんどのベンチが空いていたんです。そしてその男は、大人が3人くらい座れるベンチの1番右端に座ったんです。私は右隣のベンチの1番左端に座っているので、変に近くて妙な距離感なわけです。ガラガラの電車内で、あえて女性の隣に座るキモい男の話は、よく聞きますけどね。

なんか変だなあ〜、変だなあ〜、と思いながら、少し様子をみてみようと思い、本を読み進めました。だけれど、意識の多くがあちらに向いていて、なかなか集中できません。100%の読書を諦めた私は、隣のベンチに50%、読書に50%くらいの意識に切り替えました。それはそれで、面白いんです。(現にこうやって、エッセイになっている)

普通に本を読んでいる体勢のまま、ほんの少し目線をあちらに配る。左目の左端で、男の姿をぼんやりとらえる。(離れ気味の目が役立つときが来た)

なんか、モゾモゾしてないか?挙動不審。

おかしいなあ〜、おかしいなあ〜、と思いながら、私は決心します。いざ、ガッツリ見てやろうと。2秒、2秒くらいならいいでしょ。

せーの、1、2。

・全身ほぼ黒ずくめ
・フードを深く被ってて顔がよく見えない
・ベンチに座る態度が悪い

おいおい、絵に描いたような怪しい奴やんか……


そうこうしていると、その男がスッと立ち上がったんです。そして、少し歩き始めたところ、すかさずビルのおじいちゃん警備員がどこからともなくやってきて、男に声をかけています。

どんなやり取りがあったのか、ほとんど聞き取れなかったのですが、警備員が何かを伺って、それに対して男が「違う」と言う。そして、「そうですか、すいません」と警備員。たぶん、こんな流れです。

男はスタスタと出口に向かい、そのまま外に出て行きました。おじいちゃん警備員は、なにやら神妙な顔つきで、誰かとトランシーバーで話しています。


私とおじいちゃん警備員の見解は、きっと一致しているはず。

あいつ、絶対怪しい!」


今日も、おはようございます。
怖い話ということで、とりあえず稲川淳二構文(「〜なあ」を2回繰り返す)でお届けしました。



【今日の一枚】

梅ヶ瀬渓谷の岩肌

【前回の『今日のトゥデイ』】

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