「英語上達完全マップ」を今やるとした場合の教材選択(2024年ver.)
自己紹介
大阪大学理学部物理学科卒業、大阪大学理学研究科 博士前期・後期課程修了(博士: 理学)。英語の資格は英検一級、TOEIC LR: 950/S: 160/W: 200、TOEFL100。
はじめに
英語上達完全マップをご存じでしょうか?
いまから約20年前に出版された本で、当時は必ず本屋にあった英語上達勉強法を紹介した本です。この本は、独学で「読む」「聞く」「話す」「書く」の英語四技能をバランスよく伸ばす方法を紹介しています。著者は森沢洋介さんで、瞬間英作文トレーニングを書いた方でもあります。そちらの本のほうが、みなさんは見たり使ったりしたことがあるかもしれません。
過去の記事で、私が大学院生の時に「英語上達完全マップ」を使用したあとに、対策なしでTOEIC835点、その後対策をして950点を取得したことを紹介しました。また、その後の勉強で(英語上達完全マップには書いてない方法ですが)英検一級とTOEFL100点を取りました。
私以外にも、この本に従って勉強して、英語力を伸ばした方はいらっしゃいます。そのため、この本を読むだけでなく、他の方の体験談を読むことで、ある程度納得を持って、英語の勉強に取り組むことができます。
しかしながら、約20年前の本ということもあり、この本で紹介されている教材の中には、現在では入手が難しいものもあります。そこで今回は、英語上達完全マップに則した形で、現在入手可能かつ筆者が使用したことのある教材を紹介したいと思います。なお、勉強法の詳細に関しては英語上達完全マップを参照してください。ただ教材によっては、勉強法の説明を追加しています。
対象読者
英語上達完全マップに興味のある方
大学受験で高校で習う英文法と英文解釈は一通り勉強したことのある方
注意
<一点目>
今回紹介する教材選択は、私にとって最良のものです。そのため、これまでの勉強量や性格が異なる赤の他人にとって、いいとは限りません。他の方の体験談も参考に教材を取捨選択して、勉強してください。
<二点目>
英語上達完全マップに従うことが、英語力向上の唯一解ではありません。ただ、これだと思ったら、周りの助言を気にせず、愚直に取り組んでください。実際、私を含めて他の体験談では、一年以上、英語上達完全マップに従って勉強しています。
<三点目>
リンクの全ては広告(アフィリエイト)です。正規品であることは確認しております。
0. 発音
発音に関する勉強に関して、英語上達完全マップに記載がありません。しかし、音読パッケージや瞬間英作文の勉強に入る前に、発音記号や発音については学ぶほうが良いです。なぜなら、今後、音読やリピーティングで、発生することが多く、間違った発音で音読すると変な癖がついてしまう可能性があるからです。
基本的な発音記号に関しては、YouTubeや本で、一週間程度で勉強しましょう。身に着けようとすると、時間がかかるので、簡単な勉強で構いません。
その後、英語のハノン初級編に取り組みます。
0.2 英音法のセクションは必ず読んで、練習をしてください。この練習のときには、自身の発音を完璧にしなくていいです(そもそもできない)が、こういうものがあることは覚えておきましょう。スピーキングだけではなくて、リスニングにも必ず役立ちます。
このセクションが終わったら、勉強した発音や英音法を意識して著者の指示に従う形で、ドリルを進めてください。また、英語のハノンはできれば毎日1ドリル10分から15分行います。ほかの文法や英文解釈教材に取り組む前に、並行して取り組んでください。気分がすぐれない日は1文だけでも取り組んで、残りは次の日に取り組むといった形でも大丈夫です。完璧は目指さず、一年かかってもよいので、英語のハノンを一周しましょう。そこそこ発音は良くなると思います。そしてスピーキングやリスニングにもいい影響が出ます。
ちなみに、私の発音ですが、客観的に発音を評価するテスト(EPT発音テスト)では81点です。このテストでは、71点から85点がハイレベルとされます。HPにいけば80点台の発音を聞くことができます。自慢できる点数では全くないですが、この程度くらいにはなる可能性があると思っていいです。
初級編が終わったら、二周目に入ってもいいですし、フレーズ編や中級・上級編に移っても大丈夫です。自分の興味のあるものを選びましょう。私は、初級編を二周した後に、中級編を二周、その後、上級編とフレーズ編を並行して取り組みました。
1. 音読パッケージ
森沢洋介の本を使いましょう。使い方は、英語上達完全マップや音読パッケージに書かれています。瞬間英作文のほうが有名ですが、この音読パッケージをやりきればリスニングがかなり向上します。リスニングに自信があるからと言って、中級から始めると挫折しかねませんので、謙虚に初級からやってください。また、中級は難しいですが、挫折しないように頑張りましょう!
昔は上級編もありましたが、現在は正規の販売はありません。しかし上級編は、0. 発音教材で説明した英語のハノンが代わりとなりますので安心してください。もし不安な人は中古で上級編を購入しても大丈夫です。
2. 瞬間英作文
森沢洋介の本を使いましょう。使い方は、英語上達完全マップや瞬間英作文の本に書かれています。順番はリンク順に従えばよいと思います。それぞれの本の説明はペレ出版のホームページを参照してください。
3. 文法
私の場合、中学英語は復習する必要がなかったので、ここでは大学受験のための文法に関する教材を紹介します。
総合英語Evergreenを通読した後、山口先生の英文法講義の実況中継の通読をお勧めします。その後、Evergreeの文法問題集と英頻に取り組めば、基礎は固まります。そして、この後紹介する精読用教材に問題なく取り組むことができます。
4. 精読
英文読解の透視図と英文解釈教室をやります。英文解釈教室に対しては「難しすぎる」「英文が古い」「日本語訳がおかしい」といった批判が多いですが、私はこの本をを強くお勧めします。英文解釈教室を通して、英文を前から読む癖が身に付きます。少なくとも、SVOといった印を文章に書くことなく、頭の中で処理する力が付きます。
2つの教材どちらも難易度が高いと思うので、3か月で読もうと思わず、一年かけてゆっくりじっくり読みましょう。もし挫折しかけたら、難易度の低い英文解釈の参考書に取り組んでから、再度チャレンジしてみてください。
5. 多読(速読)
ペンギンリーダーズとオックスフォードブックワームズといったレベル別の語数制限本から取り組むといいと思います。(アフィリエイト的にamazonで買ってほしいですが)、本屋などで手に取って、自分のレベルに合った本を選びましょう。
また、語彙強化が終わったら、児童向けの本(例:Holes、Wonder)や大人向けの本を読んでみましょう。大人向けの本は自分の好みの小説や自伝などを選べばいいと思います。私は、川上未映子さんの洋書版小説が好きです。
6. 語彙増強
将来的にTOEIC受験をすることを考えて金のフレーズを最初の一冊目に取り組みましょう。単語の勉強方法については、TOEIC(R) L&R TEST ロジカル勉強地図を参考にしてください。
次の一冊はDUOです。人気の本なので、調べればたくさん勉強方法がネットで見つかります。モチベーションが上がる方法でよいですが、必ず音源は活用して、全ての例文が暗唱できるようにしましょう。
これが終わった、究極の英単語を使って12000語単語を覚えます。究極の英単語のシリーズは4つ(一つ当たり3000語)ありますが、DUOをやっていれば、シリーズ2から始めていいと思います(つまり合計8000語)。この暗記が終われば、洋書の多読がかなりスムーズにいきます。
究極の英単語の暗記にはスマホ版Ankiアプリと辞書アプリを利用します。PC版ANKIでももちろん大丈夫ですが、私は現在はスマホ版しか使っていません。Ankiの準備の仕方は以下のノートを参考にしてください。
デッキ(名前の例:究極の英単語中級)を作成
1日20個以上、追加ページに情報を追加する。英単語 → 表面、辞書アプリで単語の発音記号を調べる → 発音、究極の英単語に書かれている意味と例文 → 裏面に追加する(例:alter → 表面、ɔ́ːltər → 発音、他動詞:~を改める、~を変える/自動詞:変わる、改める/例文:The company may have to alter their policy on agricultural imports.)
一日の復習枚数の上限50枚、一日の新規カード導入枚数の上限5枚、など自分の好みに合わせた設定で暗記をする。1年から2年かけて、丁寧に暗記をしましょう。
という手順で暗記します。辞書アプリは、私は iOS アプリ「辞書 by 物書堂」にてアプリ内課金で購入できる「ジーニアス英和・和英辞典(第6版/第3版)」を使っています。
ちなみに、ANKIのページにあるSVLデータをそのまま利用するという方法がありますが、裏面の私はお勧めしません。面倒かもしれませんが、2年くらいかけて、ANKIアプリにポチポチデータを入れてデッキを作りましょう。丁寧に英単語の意味や例文を調べて追加するという作業が、後々の記憶定着に効いてくると思います。
まとめ
以上で、発音、音読パッケージ、瞬間英作文、文法、精読、多読、語彙増強、それぞれでお勧めする教材紹介を終わりとします。参考にしていて抱ければ幸いです。