【建築】構造設計は食いっぱぐれないのか?
先日、会社にインターンの子が来ました。
なぜ構造?と尋ねると、建築士のお父様にこう言われたそうな。
親に言われて…?構造興味あるとかではなくて…?
とか疑問は心にたくさん浮かんだけれど、それは置いておいて。
はて…
構造屋は本当に食いっぱぐれないのか?
これについて、ちょっと考察してみたいと思います。
構造設計者って、どのくらいいるの?
昨年のデータになりますが、現在建築士の登録状況はこのような感じだそうです。
割合的には、一級建築士のうち、構造一級を所持しているのは2~3%いうことになります。
ただし、すでにリタイアされている方や、免許は取らず設計している方も多いので、この数値はあくまでも目安です。
数字的に見ると、希少価値は高そうな…
地方の構造設計者の状況
さて、私は地方の組織設計事務所で構造設計をしていますが、構造設計者はやはり人材不足感は否めないです。
講習会に行くと、大体同じメンバーで、みんな顔見知りな感じです。
ちなみに、女性なんてほぼいない…!
「女で構造、なんと奇特な…」と、他事務所の方によく驚かれます。
(ちなみに「奇特」は、優れているの意味ではなく、珍しく、不思議なさまという意味の方だと思われます笑)
構造設計、本当におすすめ?
割合や周囲を見ていると、確かに人手不足で職を失うことはないかもしれません。
ただ、構造設計者は、それなりの「覚悟」が必要だと思うんです。
構造設計のしんどさ
これに尽きると思います。
普段の仕事では、意匠設計者に「柱小さくならん?」とチクチク言われながらも、経験と勘を総動員して、必死に数値をいじって、あーでもこーでもない…と言いながら、「これでおさまった!!」というところで設計をまとめていきます。
もちろん全ての物件で、数値的にもOK、感覚的にもOKというところまで、自信を持って設計しています。
ですが…
地震が起こるたびに、
「自分の設計した建物の下で、
人が亡くなったらどうしよう」
と不安になるのです。
数値はあくまで過去の地震に基づいた仮定値であり、どれだけ安全率を見込んでも、設計の想定内に納まる保証はありません。
耐震工学はこれまでも
「想定外の地震が発生」→「基準の改正」
を繰り返しながら発展してきたという歴史があります。
今回の地震が「想定外の地震」だったら…
自分の設計のせいで、人の命が失われたら…
そう思うと、本当にしんどい仕事だなぁと思います。
おまけ
地方の構造設計者の転職が、困難極まりない…という件について。
世間が狭すぎる!!知り合い多すぎる!!
今のところを辞めて他に就職しようものなら、今の事務所の人と必ず顔を合わせることになるので、めっちゃ気まずい。
独立するとなると、本当に円満にやらないと、県内の仕事を取るのは本当に難しいんじゃないかと想像します。
うーん、どうなんだろう…
独立した場合、地方の仕事に縛られず、全国からお仕事なんて可能なのかしら…
それこそ、食いっぱぐれてしまうのでは?(´;ω;`)
という不安で、現状に縛られている状態でございます。