お笑い好き魂を呼び覚ます
今回はちょっと異色の作品のレビューを。
南海キャンディーズの山ちゃんの著書『天才はあきらめた』
山ちゃんのお笑い人生の始まりである高校時代から昨年の初の単独ライブを行ったところまでの葛藤が描かれています。
しくじり先生、南海キャンディーズ
これを手に取るきっかけが、先週の『しくじり先生』(この番組大好きなんですよ…)
南海キャンディーズが揃って登場した番組では、山ちゃんが嫉妬にかられてシズちゃんに意地悪しまくったり、それが原因でまさかの相方からの共演NGを喰らうなど衝撃のエピソードの数々。
そして、山ちゃんが“芸能人“になってしまったと思い込んでいたシズちゃんは誰よりもお笑いを愛し、山ちゃんに恩を抱いていたという事実が分かる結末。そして、そこから再度M1を目指すが、敗退。
ここ、本当にドラマチックで泣ける。
お笑いコンビでいいなと思うのが、ホントに仲がいいと絶妙なアドリブの応酬になって、そのやり取りを演者が楽しそうにすればするほどみてる側も楽しくて笑ってしまう、この感じ。
そんなやりとりが微笑ましくて、ついついムダにYouTubeで漁ってしまう感じ。
最近話題のキングコングも、西野さんのどんな活動より、2人で話している動画を見ているのが楽しいw
そんな、『天才たち』の漫才を共通の目標としてシズちゃんと思い描け、それができた喜び。
なんだかほっこりしてしまう話でした。
でまあ、そんないきさつをテレビで見ていたので、たまたま近所の本屋で見かけたこの本を手に取ってみたのですが、感想は
ほんと屈折してるw
売れている人たちを呪い、相方には自分の理想を押し付け、心身共に壊してしまうサイコパス。
それに気づいていながらもやめられない葛藤。
そして、南海キャンディーズとしてM1で結果を残し、世に出たにもかかわらず、お笑いをやめようと思うまで追い詰められた日々。
ちょっとだけわかる。
うまくいってるのに自信がない、足りない自分ばかりが目につく、これって心から楽しんでいない時の状態なんだよね。
それでも、必死にノートを書いて不安を取り除こうとする、天才的な努力家。
そして、単独ライブを満足して成功させた結末は、努力は裏切らないなと思わせてくれるステキな結末で読後感がすごくいい作品でした。
解説もすごい!
そして、この作品の解説を書くのが、盟友オードリー若林。
若様にとって、どうしても追いつけない天才山ちゃん。この構図もおもしろい。
そして、辛辣なコメントが、書いてあるのにどこか愛があって、仲の良さをうかがわせる文章の数々。これも必見。
難しいこと考えずに、一つのエンターテイメントとして、ただただ感じて欲しい一冊でした。
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