スベルのお祭り、「スベルフェス」開催!!
10/5(土)-6(日)、常滑焼祭りに合わせて、地元ではじめてスベルとして活動をします。スベルのお祭り、「スベルフェス」です。普段、土に関わる仕事をしているメンバーが、それぞれの現場を開放してどなたでも参加可能な独自の体験プログラムを7つつくりました。
プログラム1 さつまいもを掘ろう
やきもののまちで土に触れるというと、ろくろを回したりの陶芸体験を思い浮かべる人も多いと思いますが、スベルメンバーは色んな土仕事をしています。「風と土」では、さつまいも畑で収穫体験。ふかふかの土から、収穫期を迎えたさつまいもを掘り出すなんとも爽快なプログラム。お土産には掘ったさつまいもに加えて、風と土のさつまいものお菓子をプレゼント。
プログラム2 原土に触れてみよう (申し込み不要)
スベルの陶芸体験は一味違います。陶芸家・鯉江明さんは自身の工房で掘った常滑の原土の山をやきもの散歩道にあるPa°-Pa°-(高橋孝治デザイン事務所向かいの小屋)に築き、その土を粘土に仕立てて造形を楽しむ体験をつくります。お祭り価格で、お茶碗一つ分程度の土500gであればワンコインの500円。今春に行われたスベルも参加した東京ミッドタウンデザインハブでの展示でも同様に600kgの原土の山を築き、その土を使ったワークショップをしました。今回はその内容をベースに、造形したものをそのまま持って帰るか、明さんが野焼きをして土器質になったものを後日届けるか選べる特別な体験。(野焼き代は別途費用がかかります。)
同会場では、東京での展示の再現、スベルメンバーのつくるものを販売したりとスベルフェスの総合案内所になります。
プログラム3 土で染めてみよう(申し込み不要)
また、やきものの土で染める「CLAY DYEING」の体験プログラムも行います。普段はゴツゴツの原土を砕いてふるって、水を加えて滑らかな泥をつくる工程を含めて2時間程度みっちりやりますが、予約不要で気軽にできるように泥を準備してお待ちしています。
プログラム4 やきものの砥石で包丁を砥いでみよう
常滑の砥石メーカー、キング砥石は今夏に「10Good(トーグッド)」という家庭用包丁に特化した砥石のプロジェクトを立ち上げました。昔は生活の中にあった「砥ぐ」技術をあらためて伝えていきたいと、スベルメンバーでキング砥石5代目の渡辺敏郎君は国内外に10Goodの砥石を持って動き回っています。スベルフェスでは、砥石製造現場で工場見学とセットで砥ぎ会を行います。切れ味が悪くなったMY包丁を持参してもらい、10Goodの砥ぎ場と呼ばれる砥ぎキットを使って丁寧に包丁砥ぎを指導します。砥石ってやきものなの?とか、普段使ってるけどやり方が正しいかどうか自信がなくて。など砥石にまつわる色んな質問、お悩みに応えます。包丁砥ぎが気になっている人はぜひこの機会にご参加ください。
プログラム5 オリジナルの色土を自分で作り石膏型に流してみよう
TOKONAME STOREを運営する常滑焼窯元・山源陶苑では、創業以来つくり続けている甕(かめ)をつくる体験を行います。泥漿(でいしょう)と呼ばれる泥を石膏でできた型に流してつくるのですが、今回は山源陶苑がストックしている泥の中から選べます。オーソドックスな赤土やパステルカラーの土も。混ぜてみて、仕上がりは焼いてからのお楽しみ。なんていうのもアリです。土同士が混ざりきれていないと、マーブル状に模様が出ることも。キング砥石同様、工場は可動していませんが、泥を型に流して乾燥を持っている間に工場見学も楽しめます。普段使っているやきものの、作り方や現場の雰囲気が知れると、より身近な親しみのあるものになると思います。
プログラム6 水野製陶園ラボ (coming soon)
次いで、水野製陶園ラボのプログラム。建築士で窯業家の水野太史君が建築陶器メーカー水野製陶園の資源を生かして進めているプロジェクトとして内容を検討中です。国内外のアーティストや建築家からのコラボレーションや特注タイルのオファーが絶えず、タイルという建材の可能性が見直されている状況を生み出した立役者の一人。焼く前のタイルに手を加えて水野製陶園ラボのクオリティでレリーフや器を自由につくったりする体験ができたらそれは特別なものになると思います。プログラムの詳細は続報をお待ちください。
プログラム7 窯ねこ 福笑いプレートをつくろう!
体験の最後の紹介。水野太史君が設計したカフェ「ちかつの窯」では、「福笑いプレート」と呼ばれるねこの顔のかたちをしたオリジナルプレートをつくるプログラムを行います。
「ちかつの窯」は常滑の福祉施設の園庭に「福祉を開く」をテーマに先月(2024.8)オープンしたばかりの新名所。名物の焼きドーナツ目当てに人が集まり、福祉と地域、人と人が自然に交流する場としや隣接する福祉施設「ワークセンターかじま」の利用者とスタッフが作ったものを売る場として生まれました。
オリジナルプレートは福笑いのように、ねこの顔のパーツを下絵転写という技術で自由にレイアウトして装飾することができます。これはロゴマークなどを手がけてくれた常滑の陶芸家・増田光さんのデザイン・アイデアで利用者さんの作業の中に創作性があるものになりました。利用者さんが楽しみながら真剣に制作する様子を見て、ぜひカフェを訪れる人にも自分好みの「窯ねこ」をつくって欲しいと思い、体験プログラムをご用意しました。30分程度の体験なので、焼ドーナツ食べたりコーヒー飲んだり休憩がてらお立ち寄りください。
二日間のイベントのフィナーレには、イタリアのローマ在住で批評家・アーティストの多木陽介さんをゲストにお招きして、スベルメンバーとのトークイベントを「ちかつの窯」で行います。多木さんは先に紹介した「PROGETTAZIONE (プロジェッタツィオーネ) イタリアから日本へ 明日を耕す控えめな創造力」のディレクターも務めました。それの部分的ではありますが、巡回展の趣もあるスベルフェスを振り返りつつ「手で素材に触れること」の大切さや、これからのくらしやものづくりの道標となる「控えめな創造力」について。また、デザインやものづくりのことだけでなく、福祉や教育についても話を展開していく予定です。
どれも体験して欲しくて、ついつい紹介が長くなりましたが、土に触れる盛りだくさんの二日間です。どなたでも気楽に楽しめるプログラムばかりですので、ぜひ常滑にスベルフェスにお越しください。やきもののまちってこんなところなんだ、やきものってこうやってつくるんだ。と知っていただけたらうれしいです。皆さんのご参加をお待ちしております。
※申し込みは、スベルフェスのwebページより各プログラムのチケット購入ページへ。