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FrembassyがGGMに至るまでのHARD THINGS(その4)

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2019年の年末頃まだコロナが裏でこっそり中国で流行を見せ始めた頃、会社が年を越せないかもしれないピンチに陥ってました。

そんな中我々は最後の望みとなるエンジェル候補と、ある企業と交渉しておりました。そのエンジェル候補はプラントベース市場に非常に詳しく、聞けば代替肉で世界を席巻しつつあるインポッシブルミートや総合栄養食のパスタやブレッドで有名なBASEにも投資しているという人でした。9月頃から我々に声をかけてくれて、継続していろんな話を進めておりました。また、交渉している企業は東京を中心に展開しているWIRED CAFEで有名なCAFE COMPANYです。こちらもウェルビーイングという幸福の追求という概念をモットーにプラントベース(植物性製品)への進出をしている会社です。それぞれに資金を出していただき、三度復活しました。

この資金でECの機能の拡充を行い、2020年はリアルイベントでユーザコミィにティを活性化しようと動き始めたところ、中国武漢からの新型コロナウィルスが世界で猛威をふるうようになったのです。

完全に出鼻をくじかれましたが、ステイホームで家から人が出られない状況を追い風に世の中のEC事業とともに我々の売上も拡大していきました。2020年の1月から6月で売上が4倍にもなるというミラクルです。4月から始めた定期便という毎月いろんな商品をバランス良く組み合わせたプラントベースのアソートセットがヒットしたのも大きかったです。

そしてなんといっても大きかったのがこの流れを見てくれていたVCからついに投資について声をかけてもらえるようになったということです。Klabベンチャーズ(現ANOBAKA)から資金需要はございますか?と声をかけてもらったことでついにフレンバシー史上初のVC投資に至りました。そろそろVCから入れてもらえるようにならないとこの先無理だなと思っていたので、絶妙なタイミングでした。実はまた資金ショートしてはまずいと思っていたので、日中は他の会社で業務を行い、そのお金を会社に入れたりしてました。

VCが入ったことで信用力は上がりました。AWSのスタートアップ割引が劇的に適用されたりとか公庫からお金借りられたりとか、同じVCから投資されている会社同士で横の繋がりできたりとか、コロナのワクチン接種も投資されている企業で合同で受けられたりとか、VCの担当者が手弁当で我社の仕事手伝ってくれたりとか、資金面以外でもお世話になりました。

当時やっていたVegewel Marchéについてプラントベース食品というマーケットだけじゃなくてソーシャルグッド製品に広げるきっかけをもらったのもVCが入ったおかげと言えます。サービスの見直しについて提案をいただき、検討した結果思い切って転換してみようということになったのです。

当社のエンジェルには博報堂のCMプランナーの方もいまして、その方から著名なコピーライターさんを紹介してもらってコンセプトとサービス名称を考案するところから始めました。こやま淳子さんというワコールや出前館や花王など見たことあるようなコピーを手掛けている方です。毎週のようにあらゆるネーミングのパターンを出してもらってはメンバー全員で100本ノックをしてコンセプトを決めました。

同時期にクリエイターの紹介サービス経由で弊社の新サービスのアートディレクションに携わってくれるという巣内さんという方がジョインしました。メンバー全員のヒアリングをしてもらって、コンセプトからデザインを作ってもらい、最終的なイメージをまとめてもらいました。そんな風にしてつくられた最終形がこちらです。

GoodGoodMartのキービジュアル


BrandStatement

ECエンジンの部分も入れ替えました。先日大型調達をしたSUPER STUDIOのEC FORCEという製品です。単品商材とか定期商材とかLPに強いSaaSです。ShopifyやEC Cubeなども候補だったのですが、コスト面と機能性や導入スピードを勘案して最終的に決定しました。

またサービスのリブランディングという立ち位置でもあったので、仕切り直しの意味合いも込めて目玉商品を作ることにしました。レトルト商品を2種作ったのです。カレーとパスタソースです。これも播が製造全般を監修しています。駒場東大のアーペというオーガニックレストランのシェフ島田氏にレシピを開発してもらい、奈良県の障がいのある方の就労支援施設「デリカテッセンイーハトーヴ」に製造を委託するという形を取ったのですが、納得できる味になるまで時間がかかりました。ちなみにここからさらに数ヶ月遅れてリリースした3種類のレトルト商品と合わせて5種類の商品を販売することにしました。

GoodGoodシリーズ

臨時採用したエンジニア、UIデザイナーやプロジェクトマネージャーを入れて2ヶ月ほどでローンチすることができました。かなり無理矢理だったけど首尾よく運べたと思います。急遽立ち上げたチームだったけどお互いに協力しあってなんとかやりきってもらいました。

こうして2021年の1月にGoodGoodMartは立ち上がりました。開店祝いで多くの利用者が訪問して、商品購入してくれました。滑り出しは上々でした。

しかしいくつかの不安材料もありました。

Vegewel Marchéで定期便を購入していただいたお客様にGoodGoodMartへの移行をお願いして回っていたのですが、なかなか進まなかったというのがあります。全く別のシステムなので決済のやり直しになります。お客様にはご迷惑をかけることになってしまいジレンマでした。

新商品のGood Goodシリーズも売れてはいるけどカップ麺のときのような勢いが感じられないというのもありました。

最後はコロナからの回復基調に向かったことによって巣ごもり需要に一区切りついたことでしょうか。

売上が伸び悩み、その状態のママ次の資金調達に動きました。この間もいろいろな施策(レトルトの第2段とか)を打ったりはしてますが売上は少しは上がるものの、VCの次のラウンドに進むことはできず、ついに2度目のメンバー活動停止に至ります。リアルにHARD THINGSでした。

それでも運営の最小限のメンバーに絞ってからも我々は諦めてはいませんでした。高見沢も不慣れな法人営業やったりとか出来ることは全てやったと思います。

その中で資金調達に関してはVCの次のラウンド(シリーズA)は断念してM&Aで買収してくれる企業を探す方針に切り替えました。一昔前はなかなかM&Aのための接点づくりが難しかったのですが、ここ1,2年はMAクラウドなど案件を専門に扱う会社も増えてグッと探しやすくなりました。

何社か候補があった中、最終的にユーグレナに関心を持ってもらえたのがラッキーでした。ユーグレナといえばミドリムシの会社のイメージが強いですが、そこから飲料や食品、ついにはクリーンエネルギーまで開発しています。ミドリムシからサステナビリティの会社になったのです。こんなにわかりやすく社会貢献でお金が稼げている企業はないでしょう。播のソーシャルグッドやサステナビリティに対する想いが通じたようです。2021年の年末にほぼ話はまとまり、明けて2022年の1月に役員会で承認してもらって2月にリリースとなりました。

心配をかけた株主、仲間、家族にきちんと報告できるようになり本当に安堵しました。

そこから現在はフレンバシーの第2(3?4?)創業期に入り、再スタートのための準備を進めています。もう新しい施策は徐々に始まっています。全員じゃないけど活動停止していた仲間にも戻ってきてもらっています。これからはこのフレンバシーを新しいステージに引き上げる仲間探しも始まります。

ここに書ききれないほどのエピソードはあるけど、こうして文章に残してまた頑張ろうと思えるのは幸せだなと感じます。気づけばものすごい長文になってしまったけどここまでお読みいただきありがとうございました!

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