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パリ親子二人旅〜9日目

息子と二人のパリ滞在も、いよいよ最終盤へ。
この日は終盤戦の最大イベント、ランチでフランス産赤身肉のエイジングビーフを堪能することに。

予約して訪れたのは、14区にある肉に特化したレストラン、Le Severo。
ここは15年前に妻と二人出来て、赤身肉の美味しさに舌を巻いたレストラン。

その後このパリの本店に次いで2号店を何故か西麻布に出し、帰国後も何度か通わせてもらった。
日本の和牛と対極にある、とにかく赤身肉をシンプルに味わうことに特化した肉好きにはたまらないお店だ。

前菜は絶対これを頼もうと数日前から決めていた、Boudin noir de Ch Parra, salade verte。

ブーダンノワールは店によっては臭みが強いので他ではあまり進んで頼むことはないのだが、ここのは絶品。臭みは皆無で、外側のカリカリ感と、中の豚のうまみが凝縮されたトロトロのコンビネーションは、とにかくパンが止まらない旨さ。

メインで僕が頼んだのは、Filet de boeuf Blonde d'Aquitaine, frites。
とにかく柔らかい赤身肉のステーキに、ペッパーソースがかかっている。

息子が頼んだのは、Faux Filet, frites。
僕のよりももう少し脂身のあるサーロインステーキなのだが、両方とも赤身肉を更にドライエイジングさせているため、ほとんど脂を感じない。
ここまでくると、例えとしては適切でないとは思いつつ言わせてもらうと、ほぼマグロの赤身に近い。でもマグロの赤身はこの量は食べられないが、牛の赤身は意外といける。

肉は言うまでもなく、付け合わせのポテトがこれまた絶品で、外側はカリッと揚げられているのに、中はねっとりと熟成したジャガイモで、上品だけどもかなりの甘みを感じる。

二人とも大満足でお店を出た後は、腹ごなしを兼ねて雨の降るパリの街をLe Bon Marchéを目指して歩く。

しばらく歩いて、サッパリとした赤身とはいえ(だからこそ?)、肉をひたすら食べたことで胃に血液が回ったのか、息子共々食べ応えから来る疲れを感じ、メトロで行くことに。雨もそこそこ降ってたし。

メトロの駅からは、雨霧の中たたずむモンパルナスタワーが目の前に見える。
ビル自体はそんなに悪くないとは思うのだが、いかんせんパリの街に高層ビルというコンセプト自体がフランス人から総スカンを食らい、確か世界で最も見にくいビルの2番目に選ばれたかわいそうなビルでもある。

上層階にはパリ市内を一望できるレストランもあるが、昔行った記憶では味はかなりいまいちだった。これはマレーシアのKL Towerにある回転式レストランも同じ。ロケーションに甘えて味の探求をしていないのかも知れないが、ロケーションもよくて味もよければまごうこと無きトップレストランになれるのに、もったいない。

Le Bon Marchéに到着した後は、少しデパートを散策した後、定番コースのLa Grande Epicerieへ。

この中で見た肉屋の巨大なドライエイジングビーフには、上の方にはびっしりとカビが生えている。日本の鰹節や納豆の文化もユニークだが、フランスもチーズに肉に、カビを生やしてうまみを増やすという点では共通する文化があるのだろう。ワインと日本酒もお互い醸造酒の頂点といえる完成度だし。

一通り館内を見て、息子はお土産を買い、僕は夜の食材を購入。
食後に楽しもうと、イチゴ、フランボワーズ、ブラックベリーを買って帰ったが、好物のブラックベリーは歯ごたえがあるくらいの鮮度で、フランボワーズも甘酸っぱさが素晴らしかった。
でも、如何にボンマルシェといえども、フランスのイチゴは風味は抜群でも味は三流というのは変わらなかった。加糖してジャムとかにするのにはいいんだろうけど。

昼は大量の赤身肉で満足しまくってその結果結構疲れたので、夜は家でバゲットとチーズと生ハムのフレンチスタンダードな夕食にすることに。

その前に近場のWine Caveに行って、Bourgogneのおすすめを聞いて購入したワインがこちら、Domaine ChevrotのSantenay Vieilles Vignes 2022。
ラベルが変わっていたので家に帰るまで気付かなかったが、このDomaine Chevrot、15年前にパリに住んでいた頃に家族で予約して訪問したDomaineだった。

当時はもう少し若い味わいがしたが、落ち着いて角のない味のSantenayになっていて、とても美味しかった。確か当主の奥さんは日本人だったが、いまでも元気にされているのだろうか。

明日は週末天気で快晴となっていたので、パリの中で最も好きな場所の一つである、モンマルトルへ。

10日目に続く。

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