俺のCD棚 第34回
今回は、50CENT 「Get Rich Or Die Tryin'」
50CENTは、2000年代に主に活躍したアメリカのラッパーで、楽曲どうこうよりもその素行が注目されてきた、良くも悪くもギャングスタ全開の佇まいが人気だった。
その中でも2007年の9月11日、「1週目のセールスでカニエに負けたらもう自己のアルバムを出さない」なんて発言で物議を醸したエピソードは、なんともプロレス染みていて面白い。
※引退発言してもすぐに復帰するラッパーが大勢いたためで、むしろそんな発言すらもイベントのように感じてた節があった。
このCDはそんな彼の1stアルバムに当たり、EminemとDr.Dreがゴリ押しするラッパーという売り出し方は、当時としてはかなりインパクトがあったように思う。
俺もそんなヘッズの熱狂に漏れず、日本盤のリリースを待てずに衝動買いしてしまったクチである。
楽曲について
とにかく、全体的にダークな雰囲気が付き纏う、THE ギャングスタラップといった感じの楽曲が揃っていて、好きな人にはめちゃめちゃ刺さるだろう。
また、彼のラップについて言及するならば、Eminemのように言葉を詰め込み、聴衆に畳み掛けるような切実さは感じられないが、曲のテンポよりも言葉数を少な目に抑えられているからか、上から目線で窘めているような余裕が感じられる。
まだ、全くのルーキーであるにも関わらず、である。
他にも、その当時のマッチョイズム(強気な精神性)が随所に感じられて、改めて聴いてみると、昔を思い出してニヤニヤしてしまう。
因みに、俺は家よりは車でこのCDをかける事が多いかもしれない。
疑似的にギャングスタ気分が味わえるから…なんて安直なww
一曲挙げるなら
14曲目「21 Questions」が間違いないだろう。
何といっても、初っ端から繰り返されるギターフレーズが耳に残る、こちらはNATE DOGG節が全開な、このアルバムでは唯一落ち着いたムードの楽曲である。
勿論、歌詞の内容が分かればより一層楽しめるのは言うまでもないが、耳で聴き流すだけでも十分に楽しめる、俗に言うお洒落なヤツ。
※これまでに書いてきた記事を読んでいただいた方ならもうお分かりかもしれないが、俺は「意外性」というものが大好きなのである。
ジャケットについて
彼自身の有名なエピソードである、「9発被弾しても死なない男」のイメージを刷り込ませるような、彼自身のポートレイトに銃弾が撃ち込まれた、力強いデザイン。
とにかく、顔が怖いのよ、顔が。
正に、不純物無しのギャングスタ・ラッパー 50CENTといった風情。
今となっては希少種となってしまったマッチョイズムを思い出させてくれる、自分の中では若気の至りな一枚である。
以上、第34回でした。
次回は、更に時間をさかのぼり、JAY-Zのアルバムを紹介します。
それでは、また。