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俺のCD棚 第22回
今回は、Oscar Peterson Trio 【We Get Requests】
Oscar Pertersonは、カナダ出身のジャズピアニスト。スイング期の流れを汲む奏法を得意とし、その躍動感みなぎるプレイスタイルから「鍵盤の帝王」の異名をとる、ジャズ界きっての技巧派として知られている。
このCDは、1964年に録音され、当時のファンの要望に応えて選曲されたと言われているアルバム。前回のBill Evans 【Waltz for Debby】同様、時代を超えて愛される、ピアノジャズにおける名盤中の名盤である。
このCDとの出会いは約6年前(2014年頃)、漫画「Blue Giant」を読み始めた時期に自分の中でジャズ熱が再燃。やはりピアノジャズが好きなので、その中で探していたところ、偶然にもジャズピアニストの上原ひろみがこのアルバムを紹介する動画を目にして、試しに購入したのである。 (Oscar本人と会って話したというエピソードには驚いた)
楽曲は、スタンダードジャズとして初心者にもわかりやすいアルバムという世間の評判通り、軽快かつ美しいジャズの定番曲を中心に収録されている。ジャズだからと言って構える必要は全くなく、気軽に聴けるアルバムであるが、時折披露されるソロパートでは、鍵盤をフルに使い切るダイナミックな「帝王」の片鱗が垣間見えて、不思議と飽きさせない。 ※是非、コーヒーをお供にゆったりと。
一曲挙げるなら、2曲目「酒とバラの日々」。ピアノの比較的自由なプレイにしっかりとベース・ドラムが寄り添う感じは耳障りがとても良く、これがスウィンギーな快演というやつか、と思わず唸ってしまう。
ジャケットは、観客を前に笑顔で応える3人の表情が印象的で、ジャズの暖かみを感じることのできるグッド・デザイン。いつ見ても、いつ聴いても、変わらず「良い」と思えるのは名盤たる所以か。
以上、第22回でした。次回は、現代におけるジャズの歌姫といえばこの人、ノラ・ジョーンズのアルバムを紹介します。
それでは、また。
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