【好きなモノの話】レオン
今回は好きな『映画』について書いていきます。「レオン」です。
1994年公開の殺し屋映画の金字塔ですね。
一流の殺し屋レオンは孤独に粛々と生きていました。そんなある日、彼の隣に住む家族が惨殺される事件が発生します。唯一の生き残りである少女マチルダがレオンに助けを求め、レオンは彼女を匿います。
そして、レオンはマチルダと過ごすうちに、過去に封印した愛情を取り戻していくのです。
この映画はとても洗練されていて、無駄が無いんですよね。特に台詞がスマートだなと思ってます。マチルダは無口なレオンと違い、よく喋る方ですが簡潔に言葉を選ぶんですよね。
すると、自然と言葉の質が上がると思うんです。一番心に残っているのは、マチルダ「もう大人よ。あとは歳を取るだけ」レオン「俺は逆だ。歳は取ったが、大人になる時間が必要だ」ですね。この映画のテーマを象徴している台詞だと思います。愛を求め未来を望む・愛を拒み過去に囚われていた、正反対の二人が、✕の様にクロスするエスカレーターで交錯するイメージが勝手にわきました。
映画ならではの表現も印象に残ってますね。具体的には、マチルダが家族が惨殺されている部屋を横切るシーンと、レオンの最期です。
前者は、家族が殺されている場面を発見し、自分が家族の一員である事がバレないようにポーカーフェイスを保ちながら部屋を横切り、レオンの部屋のインターホンを押します。その時、幼い少女は押さえられない感情が出てしまうんですよ。この一連がノーカットなんです。少しスローになって、BGMも控えめになって。ナタリー・ポートマンの演技力も然ることながら、思わず魅せられましたね。
後者は、希望と絶望の急降下ですが、安易な演出では無いんですよね。あと少しで逃げられる、建物の出口から希望の光が差し込み、彼を包みます。負傷した身体でも確かに微かな光を感じます。しかし、彼の後ろでマチルダの仇敵スタンの銃がレオンを狙っていました。目の前の光へ歩みを進めるレオンでしたが、届かず地面へと倒れこむ事となりました。この時、銃声がしないんですよね。そこがシブい! 観ている僕達からしたら絶望に変わるシーンですが、レオンにとっては違う。彼にとっては、マチルダの願いを叶えられる瞬間だったんです。自分の生き様を無駄にしなかった。最期は愛する者のための行動となった。彼はスタンと心中します。
奇しくも、レオンの殺し屋としての生き様は愛する者のための殺しで始まり終わったという事です。
キャストが良いですよね。勿論、ナタリー・ポートマンもゲイリー・オールドマンも素晴らしい演技ですが、ジャン・レノの厳つさと可愛らしさのハイブリッドがレオンに合い過ぎていると思います。ハマり役という言葉がピッタリです。
おそらく僕が話をつくる時に最も影響を受けた作品は何かと聞かれたら「レオン」と答えると思います。
そんな名作映画の話でした。
Fin
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