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1+1=5

1+1=5である。

そう言われたら、あなたはどう反応するでしょうか?
ちょっと考えて見てください。

「え? それはとんち?」
「なぜ? どんな方法があるの?」
「知りたい!知りたい! 教えて!教えて!」

そんなふうに考える人がたくさんいると思うんですね。
では、答えを言いましょう。

「そうなる方法を考えてください」

なーんだ、せっかく面白そう!と思ったのに。
問いに問いで答えられるのって、つまらない。

そんなふうに感じますか?
それとも「無理に決まってる」と思うでしょうか?

私は、ワクワクしますね。
だって予め正解がないのです。
自分が考えた回答に「それはちがうだろ~」と言える根拠もないのです。

「1+1を5にするアイデアを考える」

どうですか?
楽しく見えてきませんか?

私たちは、1+1=2なのである、と決められてきました。
でも、実際には、そんなことはないのです。

そうとは限らないのです。
必ずしも1+1=2ではない。
5にすることもできるのかも知れない。

もちろん、今までの考え方では、どうしたって5にはならない。
では、どうすればいいのか、考える。
それが、今という時代が、我々に要請していることなんですね。

足りない「3」をどう生み出すのか。
どう創り出すのか。

それを可能にするのは、「発想」なんですね。
最近、教育の現場でも、ビジネスの現場でも、
やたらと「クリエイティブたれ」と言われます。

それは、誰もが図画工作が得意になれ、とか、みんな絵を描け、
楽器を演奏しろ、ということではありませんよ。

そんなアップルコンピュータが、
デジタル機器を売りつける商売のために言っているようなことじゃない。

今まで常識だと思って、
疑いもしなかった「当たり前」を変えていく必要が出てきたのです。
だから、「当たり前は、実は当たり前じゃない」ということに気づくこと。
そのために必要なのは「発想の転換である」ということ。

それを「クリエイティブ」と呼んでいるだけです。

1+1=5で言えば、例えばこんなことです。

これは算数に見えるけど、実は算数ではない、と考えてみる。
これは哲学だと考えてみる。
これは文学だと考えてみる。
いや、これは絵だと考えてみる。

そんなふうに、今までの前提を破壊することで、
今までとはちがう発想のエンジンを回すのです。
脳を最大限にフル回転させて、新しい解釈を生み出す。

それがクリエイティブなんですね。

今もイギリスのグラスゴーでCOP26が開催されています。
人類は今、できるだけ早く二酸化炭素を出さない
新しい仕組みの世の中に変わらなければ、と宿題を出されています。

そんな方法は、ここ400年、誰も考えたことがなかったのです。
だから、オトナたちは四苦八苦しています。
その証拠に、CO2は年に400億トンも排出されていて、今も増えている。
発想の転換がなかなかできないからです。

でもやらなきゃならない。
そんなの無理だ、と匙を投げるか?

いやいや、諦めないぞ!と取り組むか。

科学者たちはクリエイティブです。
子供のころからクリエイティブな人種です。
だから、彼らは提言している。

「1+1=5にするなんて、楽しいじゃないか!」と。

私は科学者じゃないけれど、同じ気持ちです。
いま、多くの世代が体験できなかった
「大転換の時代」に私たちは立ち会っているのです。

世の中の在りかたそのものに意見なんて求められなかった。
だから、ただ欲を追求して、商売したり、戦争したりしてきた。
そんな時代ではなくて、もっと本質的な意義を問われているんです。

楽しいじゃないですか!
テンション上がりませんか?

ちょっと悲観的な表現をしますが、
私は楽しんでいるのでお許しください。

我々全員を乗せた「地球」という船は、いま、沈んでいこうとしています。
船体に穴が空いたからです。

その穴は始めは小さかったのですが、
みんなが見て見ぬ振りをして、舞踏会を楽しんだり、
景色を楽しんでいる間に、手がつけられないほど大きくなってしまった。

我々は、この船の上でしか生きていけません。
そんなときに、他の人より少しでも上の場所に行こうとしても意味がない。

船底にいようが、マストの最上部にいようが、
「そのとき」が来るのに多少の差があるだけで、同じことです。

我々人間は、いや、この地球上に生きるすべての命は、
運命共同体なのです。

今、必要なことは、客室にいた全員が、
自分にできることをすぐに始めることです。

バケツを、持って水を掻き出すもの。
水にもぐって穴を塞ぐ作業をするもの。
誰もが自分のやり方で、全力で船を守る必要がある。

どんなやり方も決して無駄ではありません。
とにかく大切なことは、
自分は、この星の乗組員であること、
いや、自分はこの星自身なのであることに気づいて、動き始めること。

それが、1+1を5にするために、
今はまだ存在しない「足りない3」になることなのだと思っています。

今日、11月11日は、私の誕生日です。
50歳になりました。

10年後の今日、まだ生きていたら、
この記事をもういちど見てみたいと思います。
そのとき、世の中はどうなっているのか。
社会はどうなっているのか。地球は?気候変動は?

1+1は相変わらず2のままでしょうか?

それとも5に、あるいは10になっているでしょうか?

これから先の未来に人類が何を成し遂げるのか、
今から、とても楽しみにしています。

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