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意識を本気で変えていかなければ、日本は手遅れになる

この日曜日、石川県の参院補欠選挙が行われました。
とても残念なことに、その選挙の投票率は29.93%と、
参院選史上最低だったそうです。

選挙の投票率は、大人が真剣に未来や次世代のことを考えているか、
というバロメーターですから、
残念ながら、石川県の多くの方々は無責任な人々だ、
ということがわかった、ということです。

選挙も、政治も、すべては有権者の鏡です。
愚かな民衆には、愚かな政治が行われ、
戦争でも貧困でもいいのですが、それらの愚策の犠牲になるのは、
やはり愚かな有権者なんですね。

仕方のないことです。

しかしとても切ないのは、この無責任は有権者自身だけでなく、
今はまだ選挙権を持たない子どもたちの命と未来を
取り返しのつかないほど深く傷つけるということなんですね。

金沢は素敵ないい街ですが、それが霞むほどに落胆します。
結局、街の様子などは外見なのであって、
本当に大切なのはそこに暮らす人々のハートだからです。

本当のやさしさや思いやりを持った人が、
選挙に行かないわけがないのです。
どんなに外見上、やさしそうな人でも、
選挙に行かないということは、
うわべだけだ、と言って差し支えないのだと思います。

辛辣でしょうか。でも事実です。

私は国粋論者ではないし、皇国という明治期に作られた国体には
正直賛同しかねるのですが、敢えて言わせていただきたいのです。

戦前の日本というのは天皇主権でした。
天皇陛下が、ただひとりの「主権者」だったんですね。
主権者とは、この国がどんな国なのかを決める人ということです。

大日本帝国において、国民は天皇の子という意味の「臣民」と呼ばれ、
人権はほぼ存在していませんでした。
女性に関してはまったくです。人権、ゼロです。

そういう国が世界大戦で世界中を相手に最後まで戦い、
その戦争に負けて、民主化がなされました。
そのときになって初めて、日本人には人権が認められたのです。

日本国憲法は平和主義をうたい、主権者が天皇から国民に変わりました。
「国民主権」というやつですね。
この意味を、多くの人が軽んじていると思います。
大日本帝国憲法から、日本国憲法への変化、
天皇主権から、国民主権への変化は、
トランプゲーム大貧民(もしくは大富豪)でいうところの
「革命」にちかいことだと思います。

手持ちのカードの価値が逆転する、アレですね。
上下の関係性が入れ替わることです。

これはオーバーに言っているのではなく、現実です。
天皇は主権者ではなく、象徴となり、国のあり方について
一切、意見できない存在になりました。
その代わりに、その役割を受けたのが、私たち国民なのです。
これは、それまで天皇が一人でやっていた仕事を、
国民が全員でやる、ということです。

イデオロギーやヒエラルキーの問題ではなく、例え話ですが、
主権において、
私たちは一億二千万分の一の天皇になったのと同じなのです。
そう考えたら、与えられた主権者としての役割を全うしないということは、
国にとって非常にマイナスなことだと理解できないでしょうか?

客観的に見て、日本はここ30年の間に、猛烈に衰退しました。
それは政治の責任であり、その政治を容認してきた
私たち国民の責任に他なりません。

この状況を本気でなんとかするには、
私たち国民が今までとはちがう判断をし、選択をし、行動するしかない。
その勇気がないか、関心がないことが、
この国の低投票率につながっています。

しかし、このことは必ず日本という国の壊滅的な事態に直結します。
今のように国が不安定になり、自信も失い、
かつ、外国の戦争などという緊張感が高まると、
人は必ずより無思考になり、マッチョな言説に頼るようになり、
全体主義的な方向へと流れていくのです。

そう歴史が証明しているし、
最近の核武装や核シェアリングの議論、防衛費の議論、
敵基地攻撃能力の議論などを見ると、
本当に「人間の弱さ」を予定どおりに見ているようで情けなくなります。

いったい80年前の日本人の反省はどこへ行ったのか。

そしてまた、このような流れがどこへ行き着くのか、ということもまた、
歴史が証明しています。
今の自民党が作り出す流れは、持続可能性がないと断言できます。
必ず日本を壊滅させます。しかもボロボロにしてしまうでしょう。

私たち自身があくまでも冷静になり、自分の人格をしっかり持ち、
その場の勢いや感情に煽られ、流されないようにしなくてはいけません。

そしてそのような態度は、
今の日本社会ではなかなか醸成されにくいのです。

日本の低投票率の原因は、現実から目を背ける日本人の性質と、
ことなかれ主義という姿勢と、
真っ当な主権者教育が欠如していることが原因です。

そしてそれを解消するのに最も重要なのは、
家庭の中での会話だと私は思っています。

家の中で、親がどんなことに関心をもち、どんな意見を持ち、
それを言葉にして語り合っているのか。
ヨーロッパや北欧など、意識の高い国では
必ずそのような文化が形成されています。

日本人は家の中で政治の話をしなければいけないし、
気候変動についての話をしなければいけないのです。
しかし、凝り固まった思考を持つ大人には、なかなか難しいでしょう。

せめて私が思うのは、これから子をもうけようという
若いお父さん、お母さんには、本気で次世代の子どもたちが
生きていく世の中のことを考えて欲しいのです。
そして、未来を担う子どもたちが普通に政治の話をし、
気候危機の話をし、投票にいき、正しいリーダーを選び、
この国を、社会を、世界を持続可能なものに変えていく人材に
しっかり育て上げて欲しいのです。

そうするしか、彼らが安全に生き延びる世界を作れないからです。

そのためにしていただきたいのは、会話です。
お父さん、お母さんの会話です。対話です。

人間はやはり、親の影響を強く受けて
それぞれの常識というものをつくりあげます。
当たり前ですよね。親はいちばん身近にいる人間のオトナなのですから。

それが見本だと思って当然なのです。

そして、赤ちゃんたちは、教えてもいないのに、
言語を話すことができるようになります。
言語は、思考の原石です。もっとも中心にあるエッセンスです。
言葉なしに、人間は思考することができません。

ですから、言語を覚えていく過程で
人間のどのような会話に触れているのかが、
その子の判断の基準や、思考のプロセス、
ひいては人格形成に大きく影響するはずです。

そのことを意識し、人類の未来のために、
これからお子さんが生まれるというお父さん、お母さんには、
会話して欲しいのです。対話して欲しいのです。

気候危機の話を。政治の話を。

そういう思いを込めて、本を書きました。
「出産予定日の2ヶ月前に、2人で読む本」というタイトルです。
本日より出版されます。

まずは若いお父さん、お母さんに読んでいただきたいですし、
婦人科や産婦人科の病院の待合室などにも
是非、一冊おいていただきたいのです。

身近にお子さんが生まれそうなご夫婦がいたり、
婦人科、産婦人科の方がいらっしゃったら、
お勧めいただけないでしょうか。
Amazonでの注文か、お近くの書店で注文いただければ
購入することができます。書店の書棚に置かれることはありません。

私に印税は入りません。商業目的ではないのです。
日本を、世界を、地球を持続可能に変えていくために
残された時間はそれほど多くありません。

一人でも多くの方に一緒に考えていただきたいのです。
そして声に出して会話していただきたいのです。

すべては次の世代の、子どもたちのために、です。

想いが伝わることを、心から祈ります。

「出産予定日の2ヶ月前に、2人で読む本
 ~パパとママの会話が地球の未来を救う~」(デザインエッグ社)

目次
はじめに

第1章 子どもたちが生きていく、これからの時代
 1-1 これまでとはまったくちがう世界。
 1-2 西暦二一〇〇年、我が子はまだ生きている。
 1-3 温暖化した地球を押し付ける意味。

第2章 未来を生き抜く力を子どもたちに
 2-1 教育の本当の意味とは何か。
 2-2 常識は世代交代で変わっていく。
 2-3 正解のない問いに答える力を身につける。

第3章 パパとママの会話が未来人材をつくる
 3-1 子どもの脳はまっさらな超高性能HD
 3-2 子どもたちの常識は親の会話がつくる。
 3-3 当たり前のように投票に行く人にする。

第4章 未来のために二人でいっぱい語り合おう
 4-1 たくさん知ること、話し合うこと。
 4-2 親になることをきっかけに学ぼう。
 4-3 政治も経済も、夫婦のふつうの会話に。

おわりに 子どもたちのために、何を話しますか?

出産予定日の2ヶ月前に2人で読む本: パパとママの会話が地球の未来を救う (MyISBN - デザインエッグ社) https://www.amazon.co.jp/dp/4815032580/ref=cm_sw_r_cp_api_i_FBCBJ901P5HWQ5S04MAA

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