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パリの大晦日に街を散歩して
パリで初めての大晦日ということで、街の様子はどうなのだろうと気になっていたので、街に出ることにした。
東京の原宿で暮らしていたときは大晦日前から街の賑わいが少なくなり、いつもより静かになった街が好きだった。毎年元旦になると表参道に並ぶ屋台を覗きに行き、何個か買いこんで家で食べてビールを飲んで元旦を過ごしていた。おせちに憧れはあったものの、すぐそこに並ぶ屋台の誘惑があるので食べる機会はなかった。
お昼すぎに、しっかりと暖かく着込んで街に出かけた。好きなエリアのマレ地区を散歩だ。
着いてみるといつもより多くの人で賑わっていて、年末の休暇をパリで過ごす観光客の人がトランクを引いて歩いている。年越しパーティーのために、ケーキや食材を買い込んでいる人も多くいた。スーパーマーケットの前にはテントが建てられて、木箱にどさっと入った牡蠣が売られている。便利なことにその横で買った牡蠣を開けてくれるムッシュもいた。東京での大晦日の静けさはまったくなかった。
さっそく僕たちも元旦に食べるためのケーキを買いに好きなお店に向かった。マレ地区にはBontempsという美味しいケーキ店があるので、その近くを訪れたときはいつも覗くようにしている。あまり遅くなると完売してしまうので早めに買っておくことに。色々とあるなかでガレット・デ・ロワがおめでたい雰囲気がするのでそれを選んだ。
カフェでもしようかとお店を探して歩いたところ、店じまいを初めているお店が多くなった。16時ごろには閉まるお店も多く、早く終えてからそれぞれの年越しの準備をするのだろう。ここは東京の大晦日のお店と似たような感じだ。そんな中でもなんとか開いているお店をみつけてビールを飲むことができた。
散歩を終えて近所の花屋でヤドリギとミモザを買った。フランスでは大晦日の年越しと同時に、ヤドリギの下でビズをするという風習があるそう。帰宅して夕食をとり、年明けをまちながらワインを飲んで過ごした。
窓の外からはどこかからパーティーの音、ダンスミュージックが聞こえてきて、だんだん盛り上がってきている。時間がくるとカウントダウンの声が聞こえて、わーっと新年がやってきた。そして同時に花火の音が聞こえて、それからしばらくは鐘の音が鳴っていた。
♤年明けにシャンパンを開けるのも風習とのこと