包摂としてのブランド
ブランドメッセージとは、
どのような方向性を持って、世界を幸せにできるのか、多様に生きる人々を幸せにできるのか、そのためにどのような新たな価値を創造できるのか、
を示した言葉のはず
例えば、北本市の&greenと言うブランドメッセージは
&greenという方向性を持って、
北本市は、世界をどのように幸せにしようとするのか、関わる人々を幸せにしようとするのかを示す言葉であるはずだ
「北本市は、あなたが、&greenという方向性で幸せになれるまちをつくります」にとどまらない、
「北本市は、&greenという方向性で、世界を、関わるすべての人を幸せにします。あなたはそこにプラグインしませんか」という提起がないブランドでなければ、共感されない
一方で、ひとつだけの方法で「関わるすべての人を」幸せにできるはずはない。
そこで「関わるすべての人」を個々にセグメントしたうえで
ブランドが提起した(例えば&greenという)方向性に沿った(常に紐づけた)意欲向上のためのセグメントごとのメディア活用戦略、向上した意欲を&greenに向けた実際の行動につなげるセグメントごとの施策が必要になる。
そのうえで、地域を表すブランドとは
・その地域のヒト、モノ、コト、クウキ、シゴト、カワザ、カコ、ミライを踏まえた「文化」に基礎づけられていることが求められる。ここでの文化とはライフスタイルであり、生活であり、カルチャーである。しかもアグリカルチャーと言う言葉に特徴的な「耕された」ものとしての文化である
・そのブランドを表現するためには「物語」が必要になる。例えば&greenを支える物語が求められる。そこには物語を示す場が必要になる。公民館かもしれないし、美術館かもしれないし、「わくわく・ハッピー市民活動フェスタ~inきたもと~」かもしれないし、小美玉市の「みのーれ」のような存在かもしれない
・ブランドとは選別ではなく包摂である。しかし、それは方向性を持った包摂である。関わる多様な人々ごとに、彼らを幸せにする取り組みがある。しかし、その個々の取り組みは、常にブランドに、ブランドを端的に示したブランドメッセージに集束されることが必要になる。集束のない提起はブランドを散乱させ、無効化する
・ブランドとは維持ではなく革新である。世界はめまぐるしく変化する。そうしたなかで&greenの方向性をもったライフスタイル、物語を実現させるためには、維持でない、常に新たな取り組みを行っていく革新が求められる。時にはブランドの方向性さえも大胆に変化させることさえも必要になる。人はブランドのためにあるのではなく、ブランドは多様な人々が幸せになるためにあるのだから。
そんなことを映画「ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン」を見ながら思っていた。
(追記)
私もブランドは「切り捨て」だと述べてきました。
しかし、これからのブランドは「包摂」という部分を意識する必要があると思っています。
特に「地域」という視点では「誰一人取り残さない」ということに向けて努力するという視点は忘れてはならないでしょう。
「誰一人取り残さない」ための方向性が異なる、差別化される、その方向性のなかでもっとも優れたものへ革新していくということが重要なのではないかと。
地域側で「切り捨てる」のではなく、人々の側で「選択する」という意味での「差別化」なのだろうと思っています
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