新国立劇場で『ドン・パスクワーレ』
からくり小箱みたいな舞台セットが特徴的だった。
若者側から見れば、いわば「簒奪者の物語」だと考えられる。
物語以上に、パフォーマーとしてのオペラ歌手を強く意識する。存在としての力。
内なる声と発せられた声が同価になっている仕掛けが興味深い。
多様に、しかし露骨に仕込まれる「転倒」の物語。軽悲劇を嗤うという喜劇。高齢というハンデを裕福というスペリオリティによりカバーしていた存在の「皮を剥く」ストーリー。分厚過ぎた皮が悲劇を生むとも考えられるが、老人はどのように尊厳を維持するのかという問題にもなる。
さらに、それらを観ている存在である観客とは何か?
そして、最後には「教訓」としてまとめられてしまう、いい意味でのご都合主義によって安心して芝居を「愉しめる」
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