藤川さき個展「まな板から腹の底まで」
継続的にコレクションしている藤川さきの個展が原宿のJPSギャラリーであったので、レセプションに出かけた
藤川さんもレセプションなので当然在廊しており、さまざまに意見交換できたのはよかった
今回のモチーフ作品であるという雪だるまの油画などを素材に、人と人、人と周りの関係というものの変化と持続ということを意識させられた
また、今回購入した作品にも特徴的だと考えるが、吸うことと吐くこと、取り込むことと排出することという二重性が、藤川の作品には常にあるような気がする
生きるためには取り込むことが必要だが、そうであれば常に排出もしなければならない
そのときには、実は持続的な痛みがあるはずだという発想も提示できるのではない
それは生命として生きるだけではなく、生活として生きることも同様である
この持続を物語として把握することで、人は生きることに意味を見いだせるのかもしれない。物語という意味では、もう一つの購入作品である陶が、アクシデントで割れ、それを翌日になって、さらに意図的に割って、金継ぎしたものだ。
この作品は、結果という以上に、その物語を購入したという印象がある
また、購入作品である油画も、白いエクトプラズムのようなものが、さきに描かれていただろう画面の上に塗られ、その画面が下に存在しているという油画らしい物語があることにも惹かれている