プロ野球を魅力あるコンテンツにする
神宮球場にて東京ヤクルトスワローズ戦を9月29日に観戦。ゲーム内容はヤクルトが既にセントラルリーグ優勝を決めている巨人にサヨナラ勝ちを果たしたわけだが、ここではゲームではない話をしたい
プロ野球とは何を売るのかという問題だ。プロ野球において最も重要なコンテンツはゲームであり、ゲームそのものという以上に勝ち負けとして捉えられているのではないか
しかし、近年はエスコンフィールド北海道にも見られるように、ゲームの勝敗をコンテンツの一部として考えているような動きが見えている
気持ちのいい観戦空間、そこには勝敗という以上に、一つ一つのプレイの積み重ねとしてのゲームというものを観賞する場所としてふさわしいかどうかという発想が必要だろう。
好プレーについて、多様な踏み込みや解説が、ボールパークにあるデータベース、それもできる限り即時のデータやストーリーが語られる装置があってもいいのではないか
もちろん、3時間近い、他のプロスポーツとは異なる拘束時間をどのように活用するかという発想もあっていいだろう。食事(「しながら」を含む)やアミューズメント、グッズなど、最近の球場は、こうしたところに力を入れていると考える
さらに、これもエスコンフィールド北海道からの洞察になるが、「歴史」や「環境」をもっともっと強調した空間が、プロ野球が「何を」売るのかに関わってくる
その意味では神宮球場はきわめて拙劣だと考える。その存在自体が持つ歴史には敬意を表するが、では、それをどのように意図的に「見せようとしている」かは明らかではない
もちろん、現状の観戦空間づくりのつたなさは明らかだろう。現在、検討されている改築にあたって、これらがどのように変化するのか、私がそれを経験できる時間的余裕があるか否かは不明ながら、とても興味深いものがある