2024年10月2日歯医者と文学講座!
もう既にこんばんは。
今日は朝一番で、歯医者に通院し、受診後は郡山郵便局に3000円引き出せず、そのまま文学講座の会場へ。
昼飯もろくに食わずお茶や水を飲みのみ文学講座を受講した。
今回は、宮沢賢治の童話 セロ弾きのゴーシュ についてのレクチャーだった。実は高野保夫先生は12年前にも セロ弾きのゴーシュを取り上げてレクチャーをされていたようだが、政治へのもどかしさなんかもチョロリと語りながら宮沢賢治が羅須地人協会に託した農業と芸術をリンクさせて、農民コミュニティを豊かなものにしようとしていたことにまで言及し農民芸術概論綱要にまとめ上げた、農業に働きがいを持たせさらに、余暇に芸術や創作に勤しもうと農業青年に働きかけたマニフェストまでもが紹介され、賢治が創作の中で岩手県をユートピアとしてのイーハトーヴあるいはイーハトーヴォを実際の農民との交流の中で果たそうと努めていたのが、治安維持法違反に晒され警察の目の敵にされてしまい、農民芸術コミュニティとしての羅須地人協会は解散せざるを得なくなるなど、宮沢賢治は、振り返れば報われない詩人だったなあとしみじみしてしまうのであった。
セロ弾きのゴーシュは、ヴァリアントが五つほど存在し、晩年期に創作された童話だということだ。また、宮沢賢治は、NHK交響楽団の前身の組織に所属するチェリストに3日間でチェロの基本のきを学びたいと無茶な懇願をして、3日間早朝の2時間ずつをチェロの基本について指導を受けていたなんてエピソードも披露された。チェロの稽古のあとはエスペラント語の勉強や国会図書館での調べものさらに詩や童話の創作をひっしにしていたのだとか。
高野保夫先生に言わせればセロ弾きのゴーシュは、自らの過去の悔いや、父親政二郎との齟齬、さらにそれを気にかけていた母親との関係を、毎夜入れ替わりに訪ねてくる動物たちに見立てをしながら、10日余りでどうにか拍手喝采を浴びるほどにゴーシュのチェロの腕前が上達する物語となっているのだが、演奏会から帰宅したゴーシュがボソッとカッコウへの謝罪を呟くあたりが泣けてくる。
カッコウは自らに音程を教えてくれとゴーシュに頼んで来るのだが、そのおかげでか、ゴーシュは上手くドレミファを弾きこなせるようになるのだった。まだ、動物にはつっけんどんで、カッコウを追い払うのだが、カッコウがガラス窓に何度もぶつかり気絶などするのだが、ゴーシュが窓ガラスを蹴り壊した隙間からカッコウは飛び去ることが叶うのであった。カッコウは死んでしまったのだろうか?そのへんの気がかりから結末のゴーシュのカッコウへの謝罪めいたつぶやきが、現れてくるのだろうと思う。
さだまさしサンの歌にもセロ弾きのゴーシュはあるがあれは換骨奪胎も甚だしい楽曲で、賢治童話にない、セロ弾きの恋人だか奥様が、死んだセロ弾きのためにお酒を買いに行こうかなとか言っているような歌であった。あなたの遺した大事なセロを一人で守るとか歌い締める形で、サン=サーンスの白鳥のリフが引用されて終わる歌だ。なんとも切ない歌ではあるが、歌としては悪くない出来だとは思うのだ。
得てしてさだまさしは過去のクラシック音楽等々のメロディーを引用して名曲をよくものされるので元ネタのクラシックの曲もたまには聴きたくもなってくる。
さて、宮沢賢治のセロ弾きのゴーシュだが、何が哀しいか、最初、交響曲の練習でゴーシュだけが楽団長からかなり厳しく咎められるのである。音程が取れてないだの、弦が酷いだの。ゴーシュはベソをかきながら、交響曲の自らのパートを必死で練習する。みすぼらしい水車屋で、三毛猫やカッコウ、子狸や母子の野ネズミと交流しながら、どうにかチェロの上達の糸口が見えて、さらに6日間徹夜に近い猛練習あって、公会堂での楽団の本番、交響曲の演奏は拍手喝采を浴び、楽団長はゴーシュに何かアンコールの一曲を!との要請に応えて印度の虎狩りを奏でるのであった。これまた拍手喝采!楽団長はゴーシュの頑張りを評価、他の楽団員にも褒められた。
やがて水車屋に帰宅したゴーシュは一人傷ついて飛び立って行ったカッコウにオレは別に怒ってなかったんだよ、済まなかったとボソリと謝罪めいたつぶやきをするので物語は締めくくられるのだ。
とにかくセロ弾きのゴーシュひとつ取ってみても、宮沢賢治の童話は、様々な切り口で読み解きが可能な程に不思議で面白い作家であることに驚嘆の想いを強くしたのであった。
なお、今回の文学講座には、KFB福島放送のカメラマンと記者が、郡山市週間トピックスという郡山市企画の市政広報番組の取材に来ていて、インタビューまで受けてしまうことに!ああ、恥ずかしや恥ずかしや!!
今度の日曜日夕方相葉マナブの放送前に今回の文学講座の取材がオンエアとのことだ。恥ずかしいなあ。
次回の文学講座は、芥川龍之介の掌編舞踏会についての講座だということだ。講師は横浜市立大学の庄司達也先生が担当である。
帰り道に図書館に寄り毬矢まりえ森山恵姉妹らせん訳源氏物語最終巻を借り出しついでに福田和也先生の岸信介に関する本を借りてきた。岸信介は、如何に悪党かを見極めたいとやはり食指が動いた。安倍晋三も巨悪ならば、やはり外祖父の岸信介も負けじ劣らじの巨悪なんだろう。面構えからして、如何にも悪どい。正力松太郎もかなりの悪党だが、ともかく、正力松太郎にしろ岸信介にしろ、時代の巨悪にして寄生虫の如き火事場泥棒とでも非難すべき悪党なんだろう。イヤなもの嫌いなものから人は何かを学べるとは誰が言った言葉だろう?とにかく明日は岸信介に関する本を読もうと思う。
疲れた。もう休もう。
おやすみなさい。