【NY×鳥】森でフクロウと出会う。世界観が変わる。
バードウォッチングを始めてから、よく思うことがあります。
野生の鳥や動物との出会いは、多分に運。
訪れる日や時間帯、選んだ道、歩くスピードが少しでも違えば出会えなかったかもしれない、全く予想もしなかった鳥が、突然目の前に姿を現すこともあります。
英語でセレンディピティ(Serendipity)と表現される、素敵な偶然。
そんな野生動物との偶然の出会いの中でも、
時が止まるような、強烈な出会いというのがあります。
そして、そんな強烈な出会いには、人の世界観を無意識下で変えてしまう力があるように思います。
先週末、よく訪れる湿地保護区(Marshland Conservancy)の森で出会ったBarred Owl(アメリカフクロウ)。
その日は、初めて夫もMarshlandに同行。
ビジターセンター外のピクニックテーブルでお昼を食べ、いつもと違う森のルートで、海沿いまで行くことにしました。
Marshlandはいつも閑散としていて、すれ違う人もまばら。
その日、昼下がりの森には、私たち家族以外誰もいませんでした。
成熟した森(Mature Forest)では、ブナやオーク、カエデ、ユリノキなどの立派な高木が天蓋(キャノピー)を作っていて、地面近くに藪や茂みがほとんどありません。
このため、森の中はすごく広々として、ところどころ太陽の光が差し込み明るい。
トレイルには舗装がなく、どこまでも自由に歩けてしまうので、8歳の息子は完全に探検モードです。
夫と手をつないで、元気に歌いながら歩く5歳の娘。
「これじゃ、鳥は出てこないな(笑)」
私も早々にバードウォッチングを諦め、先頭を歩いて空間を楽しんでいました。
すると突然、2メートルほど先の地面から、薄茶色い大きな鳥がフワッと飛び立ち、十数メートル奥の木の枝に音もなく止まりました。
飛び立った瞬間は、ワシかな?と思ったけれど、すぐに違うと直感。
フクロウ!!
その瞬間、森の空気が変わったように感じました。
ひとり息をのみ、後方を振り返ると、夫と子どもたちは別の方向を向いています。
「フクロウ、いるよ!!」と小声で叫び、呼び寄せました。
飛んで行ってしまわないかとドキドキしながら、双眼鏡を渡し、居場所をなんとか説明すると、
「ほんとだ!」と驚く夫と8歳の息子。
しかし、5歳の娘は「フクロウどこ?」と、最後まで見つけられません。
まだ、双眼鏡を満足に使えない娘。この距離と擬態では仕方ないか…。
ダメ元で、娘の目線までしゃがみ、双眼鏡のピントをフクロウに合わせ(どうか動かないで!と願いながら)、娘を同じ場所に立たせて、覗かせてみました。
すると、、、
「フクロウ見えた!」と小さく嬉しそうな声。
(よかった!!🦉)
数秒後、フクロウは音も立てずに数回羽ばたいて、別の高い木の上方に飛び、見えなくなってしまいました。
私たち家族の前に姿を見せてくれたのは、わずか2、3分でした。
しかし、その間の異世界のよう感じられた森の光景と、言葉にできない胸騒ぎは、何日たってもクリアに蘇ります。
「忘れられない思い出」と言ってしまえばそれまでなのですが、
どうしても、一過性ではないインパクトがあったように思えます。
上手く言葉にできないけれど、
偶然出会ったフクロウを通じて、
その瞬間、自然とつながり、
その感覚が無意識の中に消えずに残っている
そんなイメージです。
私はもともと生き物好きですが、もし、そうでない人が似たような経験をしたとしても、程度こそあれ、無意識にインパクトを受けるのではないだろうか、という気がします。
ありのままの自然や生き物への「親しみ」、「敬意」のようなものが、身体知として無意識にインストールされるのかもしれません。
環境教育や、動物園・水族館もいいけれど、
「野生動物と偶然出会う」というセレンディピティには、自然の中で進化した人間の本能に届く、別種のインパクトがあるように思うのです。
と、ちょっと抽象的になってしまいました。
最後に、野生のフクロウは本当に、本当に、魅力的な動物です!夫と子どもも、特別な出会いに感動していました!
子ども達は、その日の夜、図鑑を見ながら、初めて見たフクロウ、Barred Owl(アメリカフクロウ)の絵を書いていました🦉🦉
またフクロウを探しに行きたいです。
長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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