Zoom Docsを是非使ってみてほしい件
昨年10月のZoomtopiaにて、新しいコラボレーションツールとしてZoom Docsが発表されました。それから約8ヶ月ほど経ったこの8月、Zoom Docsが正式にリリースされ、利用できるようになりました。
「なんでZoomがドキュメント?」というのが当時の正直なファーストインプレッションだったのですが、昨今の"Zoom Workplace"というリブランディングや、AI Companionのリリースと合わせて、Zoom Docsを実際に触ってみて、「ああ、こういうことだったのか」と感じています。
Zoom Docsでできることは非常に多岐にわたるのですが、自分が印象に残っている特徴を中心に紹介します。是非ご活用ください!
(各スクリーンショットはバージョン6.16)
ここがすごいよZoom Docs
一人での情報整理、ミーティングでのリアルタイム共同編集、非同期での共同編集、ナレッジ整理、データテーブル等、モダンなドキュメント、コラボレーションツールとして必要な要素は既に揃っています。そのあたりは後述するとして、特筆すべきものとして下記に3点+地味な便利ポイントをまずは紹介します。
1.ミーティングの情報を様々なフォーマットで出力、取り出しができる
AI Companionでのミーティング要約が有効になっていると、ミーティング終了後にメールやチャット、管理ポータルから要約を確認できます。これだけでも非常に強力な機能ですが、ミーティングの性質によっては「もっとこういうフォーマットで出してほしいのに」と感じる事もあります。
Zoom Docsを使えば、そのミーティングの性質に合わせて、適切なフォーマットで新しいドキュメントに出力したり、既存のドキュメントに特定のミーティングからの情報を差し込むことができます。
ここから実際に、1) 過去のミーティングから新規ドキュメントを作成するパターンと、2)既存のドキュメントに過去のミーティングからの情報を差し込むパターン、の2通りでドキュメント編集をやってみます。
過去のミーティングから新規ドキュメントを作成する
ドキュメントのタブの「My Meetings」から該当ミーティングの[Create doc from the meeting]を選択
標準のテンプレートに加え、スタンドアップミーティングや、顧客へのインタビュー等、複数のパターンでの出力プレビューが確認できます。
テンプレートを選択、「次へ」をクリックし、該当ミーティング参加者の誰にどういう権限で共有するかを選択します。
2.既存のドキュメントに過去のミーティングからの情報を差し込む
「そういえば前回のMTGでこんなこと言ってたっけな?」という内容を差し込みたいような場合もあるかと思います。そんな時は、Docs編集画面から AI Companion を呼び出しましょう。
AI Companionは "/コマンド"から、もしくはショートカットを有効にするとSpaceキーから簡単に呼び出せます。
AI Companionを呼び出すと、プロンプト入力をサポートするための補助として、様々な用途を想定したオプションが表示されます。が、残念ながら本記事作成時点ではクリックしても英語でプロンプト入力がされる状態なので、「こういう用途もあるんだな」ぐらいに捉えてください。
今回は、自分がホストした約50分の社内ミーティングから、「結局どういう見積もりを出すことになったんだっけ?」という情報を取り出してみます。
50分の会話から下記の情報を抜き出してきました。箇条書きをもう少し見やすくしたいので、試しに表に整形するよう、下記プロンプトを追加してみると…
ちゃんと表にしてくれました。
このような形で、(AI Companionによる要約が有効になっていた)過去のミーティングでの情報を、Docsによる非同期のコラボレーションにつなげる事ができます。
例えば「xxプロジェクトの今後のスケジュールを挿入して」だったり「xx社が挙げていた懸念点を洗い出して」といった情報から、次の打ち手を考えたり、オーナーのアサインしたり、関係者への共有、次回チェックポイントの合意等、関係者間での連携した動きをサポートしてくれそうです。
※このAI Companionによる、ミーティングコンテンツを活用したコンテンツの生成にはアカウント管理者による設定が必要です。
2.Zoomプラットフォームの各サービスとの連携
Zoom Workplaceの各サービスとの連携もスムーズです。
例えばあるプロジェクトにおける情報の流れとして、
1) 個人やチームでの情報整理
→ 2) ミーティングのスケジュール
→ 3)ミーティング中の共有/共同編集
→ 4) ミーティング後のフォロー
→ 5) 共有 →1)に戻る
という一連のサイクルをカバーします。
その他ミーティング外でもURLで共有したり、下記のような共有方法で、必要な情報の流通をサポートします。
3.埋め込みが便利
旧来型のドキュメントツールと違って「紙を再現すること」にさほど重きを置いていないので、様々なコンテンツを埋め込む事ができます
なかでもホワイトボードはグラフィカルに何かを伝える際に非常に便利です。
即時翻訳が地味に便利
「即時翻訳」をオンにしておくと、シフトキーを押しながらマウスオーバーした段落を、即翻訳してくれます。
Zoom Docsのタブを初めて開くと"Hello from Zoom Docs”という英語ドキュメントがあるので、これで早速試してみてください。
基本的な編集、作成機能
"/ コマンド"から呼び出せる内容
おおよそモダンなコラボレーションツールとして必要なコンポーネントは揃っています。
テーブルの作成、基本的な数式も使える
一つのデータテーブルに対して複数のビューを定義できるので、例えば"Statusが[未完了]のものを期日が近いものからソートしたビュー"を作っておくなど、活用の幅も広いです。
ブロックはアウトラインからでもドラッグで入れ替えられる
これも地味に便利で、「まずは書いてみて、後で構成を変える」というように、直感的な操作ができるところが気に入っています。
AI Companionに色々頼める
例えば本noteの骨子はAI Companionで作成した下記ドラフトをベースにしています。
Zoomアプリ(PC/モバイル/WebApp)、ブラウザから利用可能
本日時点での最新バージョン(6.1.6)以降で利用可能です。ブラウザからアクセスする場合は、管理ポータルの「ドキュメント」もしくは、https://docs.zoom.us/ または、https://app.zoom.us/wc/docsからアクセスしてください。
ライセンスによる違い
有償ライセンスユーザか、無償ユーザかによってAI Companion利用可否や、作成可能なドキュメント数が異なります。
管理者設定
アカウント設定のZoom Docsタブから、Zoom Docsに関する各種トグルをオンにしてください。
また、AI Companionを有効に活用するためにも、AI Companionのミーティング要約をユーザに許可してください。
加えて、これは管理者設定ではありませんが、過去のミーティング情報を上手に活用する為には、ミーティングの内容が正確に文字起こし、要約できていることが重要なので、以前紹介した声紋登録によるノイズキャンセリングも、是非組織内の各ユーザは設定しておいてください。
まとめ
気がついたら過去イチで長いnoteになってしまいましたが、これで冒頭の「なぜZoomがドキュメント?」という疑問が「ああ、そういうことなのか」に繋がっていれば幸いです。公私含めて様々なユースケースがあり得ると思いますので、是非触ってみて、活用例を発信してください。また、Zoom DocsもZoomの他のサービス同様に、これからもAI Companionとともにどんどん進化していくサービスだと思いますので是非色々とフィードバックくださいませ。
Zoom内では"Delivering Happiness"をキーワードが良く使われており、以前から"Meet Happy"というキャッチコピーもありましたが、最近はこれが"Work Happy"に置き換わりつつあります。
引き続き、会う、会話する、というところを基軸に置きつつも、Zoom Docsを含めたプラットフォーム全体で、皆様の"Work Happy"をサポートできるよう、取り組んでまいります。
下記は、弊社Chief Product OfficerのSmitaのインタビューから、一部引用です。
公式リソース
Zoom Docs日本語トップページ
Zoom Docs 入門ガイド
サポート記事(ブラウザの翻訳機能を活用ください)
Getting started with Zoom Docs
Using Zoom Docs keyboard shortcuts
Enabling or disabling Zoom Docs
Release notes for Zoom Docs
How Zoom AI Companion features handle your data
(Zoomはユーザのオーディオ、ビデオ、チャット、共有画面、添付ファイル、その他投票結果やホワイトボード、リアクションといったお客様のコミュニケーションに関わるコンテンツを、ZoomおよびサードパーティのAIモデル学習に使用することはありません)
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