見出し画像

暑い日の練習の注意点

システマ吉祥寺のヨシさんが、貴重な経験談をブログに書いてくださいました。

練習中に熱中症で倒れた方がいたとのこと。幸いにして軽い症状で軽快したようなので何よりです。これから暑くなる時期に、このような注意を喚起してくださったことに感謝です。

暑い日のトレーニングで警戒するべきことは、熱中症だけではありません。むしろ屋内のトレーニングで注意したいのは、冷やしすぎです。

特に危ないのが、トレーニングで汗をかいているところに、冷房の風が直撃することです。体内に熱がこもっているのに表面が急速に冷やされることで身体の内外で温度差が生じ、ダメージとなるのです。

夏場は地下鉄や地下鉄のホームで倒れる若い女性が続出しますが、これは肩を出した服装の人にありがちです。野外で汗をかいた素肌が一気に冷えて、ダメージを受けるのです。

だからシステマ東京、というか僕のクラスでは汗をかくような時は参加者の身体を冷やさないように注意しています。特に激しい運動を思い切りやった直後に、寝転んでリラクセーションをするようなとき。汗だくの身体に冷房の直撃を食らうと、めまいを起こしたり、気を失って倒れたりしてしまいかねません。だからそういう時にはいったん温度設定をあげるか、風の方向を変えたり、冷房を切ったりして冷たい風が参加者の身体に当たらないようにします。

以前、暑がりの参加者が冷房を勝手に弄って温度を下げるのに頭に来て、暖房にしてやったことがありました(これはやりすぎw)。ただ、私はそのくらい冷やさないことに気を使っています。冷房の入っている屋内のトレーニングでは、熱中症よりもむしろ汗を冷やす害の方が、実害が大きいのです。

指導者としてこれを防ぐには、参加者にこまめに汗を拭いてもらうよう注意することと、冷たい風を汗だくの身体に当てないよう配慮することです。もし練習中に倒れてしまった人がいて、体表を触って冷たかったら、汗の冷やし過ぎを考えると良いでしょう。その場合は、体表の汗を拭い、乾いた服に着替えさせて体表を温めるようにします。

人によっては「冷房で身体を冷やさないように」と厚着をして汗をかき、その汗が冷えて倒れることもあります。もし靴下を履くと体温が上昇しやすいので、靴下を履いて練習している人がいたらその点も注意が必要です。

また、ブログではスポーツドリンクを飲んでいたとのことなので、ペットボトル症候群の可能性もあります。スポーツドリンクで水分と電解質を補給するのは良いのですが、なにせ糖分が多すぎるのです。スポーツドリンクで水分補給をし続けると、水分と電解質は汗で排出される一方で糖分だけ体内に残って濃縮され、一時的に高血糖状態になります。それで急性の糖尿病のようになって倒れてしまうのです。てかスポーツドリンクばかり飲んでたら喉乾いて口の中がベタベタしないですか? あれってどうなんでしょう。僕は好きでないです。

練習中の水分補給なら水や利尿作用のないほうじ茶なんかが良いですし、水に食塩を入れるだけでもOKです。この塩水に入れる塩は、塩味を感じない程度が目安です。しょっぱかったら入れすぎです。

あ、ビールとコーヒーは水分補給に入りませんからね。利尿効果が高すぎて、むしろ水分を排出してしまうのです。ビールとコーヒーの飲み過ぎで脱水、なんてことも起こりますのでご注意ください。

そんなこんなですが、参考になれば幸いです。


いいなと思ったら応援しよう!

北川貴英 Taka, Systema Tokyo
お読み頂きありがとうございます。投げ銭のかたはこちらからどうぞ!