noteで学べるシステマ講座104号「学ぶ側の承認欲求にどう向き合うか? ミカエル・リャブコ指導者向けWSより」
noteで学べるシステマ講座104号「学ぶ側の承認欲求にどう向き合うか? ミカエル・リャブコ指導者向けWSより」
先生に褒められようとする人たち
Q. クラスで指導していると、先生に褒められるような動き、気に入られそうな動きを目指してしまって、自身の観察がおろそかになってしまっている人が見受けられます。このような、先生に気に入られようとする生徒に対してインストラクターはどのように接したらいいのか、なにかアドバイスはありますか。
ミカエル:とても重要な質問ですね。誰にとっても関係ある話だと思います。そもそも「正しくやっている」と思うことそのものが正しくありません。そういったことを求める人というのは、端的に言えば十分に大人になっていないと言えます。子どもがよくお母さんに「ママ見てみて、うまくできたでしょ」と言ったりするでしょう。それに対して親が「よくできたわね。素晴らしいわね」と返します。ずっとそのように育てられた人たちは、小さな英雄のようになります。そして絶対的なひとつの正しいものがあるように感じます。そうやって世の中の全てに対して、正しいか正しくないかという価値基準で判断してしまうのです。
正しくなければ私が悪い、みんなも悪い、この世の中の全てが悪いというようになって世の中に善悪をつけ、少しでも悪ければすべて悪いのだと考えてしまいます。そうではなく「あなたも素晴らしいし、これも素晴らしいし、これにもあれにも良いところがある」という視点ができると、全てにおいてよい側面を見出すことができるようになっていきます。
大人になりきれない現代人
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