大阪公立大学の現代文【大学入試現代文analyze⑦】2023版
前回の分析
〇マクロ分析【問題構成(の変遷)】
・大問1【評論・随筆】
○記述問題5題
→大阪公立大学の問題は基本的に統合前の大阪市立大学の入試問題を踏襲している。(そもそも大阪府立大学には国語の入試問題がなかった)
なお、記述の字数指定はない。解答欄は2~3行。
・大問2【評論】
○漢字(3題)+空欄補充など(2題ぐらい)+記述(4題ぐらい)
→こちらも大阪市立大学時代の形式を踏襲している。
〇ミクロ分析【文章/設問の分析】
・大問1【評論】
<文章>
【分析】
・文章量 : やや少なめ
→ 2022年は外れ値か。全体的には少な目。文章を通読する場合、5~8分位かな。
・文章の傾向 : 人文学系統の文章
→ 全体的に文芸、文化人類学などの文章が頻出。その中のジャンルはバラバラだが、方向性に一貫性は感じられる。
<設問>
【分析】
・記述
<換言問題> 80%(比喩換言20%/定義語換言60%)
<理由説明> 20%
→換言問題が多い。指示語換言問題はないのだが、指示語の処理も絡む問題もある。そして何より設問条件が多い。ここがポイントになる(後述)。
・大問2【評論】
<文章>
【分析】
・文章量 : 標準的
→通読だけなら8分程度。
なお、大問1を加えた総字数は8,000字程度となることが多いが、2022年は9,000字オーバー。しかし、2023年はまた8,000字程度に。やはり開学初年度(2022年)は気合が入ったのかな?
・文章の傾向 : 政治・法学系
→こちらも傾向は決まっていると言える。倫理政経・公共の授業をしっかりと聞こう。背景知識があった方が読みやすいよ。
<設問>
【分析】
・記述
<漢字問題> 14% : 標準的
<客観問題> 21% : 奇をてらったものはない。
<換言問題> 43%(指示語換言4%/比喩換言10%/定義語換言25%/その他換言4%)
→その他換言は「文章内容を踏まえて例を考えて書く問題」。以前から大阪市大では出題されていた。最近は出ていない(それっぽい問題はあれど基本的に本文内容をまとめる程度)。
<理由説明> 21%
〇対策法
・想定時間配分
試験時間:90~120分(文学部のみ)
想定時間配分
現代文(大問1~2)90分
古文(大問3)30分
→文学部以外は現代文2題で90分なので90分想定でいいだろう。
一見余裕があるように思えるが、かなりの文字数を書かなくてはならないので時間はかなり苦しいと言える。
・設問分析
①定義語換言は本文中の根拠を上手く拾う
→定義語問題の問題が多い。そして本文中の定義を上手く拾ってまとめればある程度得点できそうな問題も多い。そして比喩換言はやや難しい。上記の問題量を踏まえると、定義語換言と理由説明を優先的に解いていくという戦略をとっていいだろう。
②他の設問と根拠がやや重なる
→大学公表の「解答の意図」に「前の問題を踏まえて問題を解く」という内容が書かれているが、実際には「解答根拠がやや重なる」ことが多いという印象だ。前の問題と解答根拠が重なろうとも気にせず解いていこう。
③設問条件をしっかり押さえる
→最後に、とにかく設問条件が多い。長い。そしてそこからズレると得点にならない。よって、「何を答えるのか」を明確にしよう。
・タテ?ヨコ?
基本的にはタテ(過去問を古い年度まで掘り下げて実施)がおすすめ。
大阪市立大学の過去問をさかぼって解いていこう。文章の傾向も一定のものがあるので、ヨコに広げず、タテに掘っていこう。
以上。次回は早稲田大学文学部の分析です。