名古屋大学の現代文【大学入試現代文analyze⑪】2023版
前回の分析
〇マクロ分析【問題構成(の変遷)】
・大問1
東大・京大を除く旧帝大で理系(理学部と医学部)で国語が課されるのは名古屋大学だけである。(2025年入試からは医学部保健学科のみに)
そのせいかなんなのか、客観式の問題も多いのが特徴である。
〇ミクロ分析【文章/設問の分析】
<文章>
【分析】
・文章量 : 3,800字前後
→ 文章量は多くない。試験時間100分、想定解答時間45分としてもやや少なめだろう。
文章を通読する場合、6~8分位を想定したい。
・文章の傾向 : ランダム
→特定の傾向はないが、基本的に読みやすい文章が多い。文系諸君はそう感じてほしい。
<設問>
【分析】
・漢字 : 標準的。ただし…
→名古屋大学受験生にとっては周知の事実であろうが、「漢字の読みをカタカナで答える」という条件が付いている。なぜかは分からない。毎年出していたら注意力を試す、ということも難しいだろうに。
・記述
<換言問題>64%(比喩換言7%/定義語換言57%)
<理由説明>36%
→比喩換言は2021年の問6だけの出題である。ただしこれも「解像度」の一般的な語義(辞書の説明)を載せたうえで考えるので、ある種「補助輪」付である。
これは理系も解答することを念頭に置いているのだろう、本文中の定義を押さえることが出来れば、「部分点をとることは難しくない」問題である。
ただし、「本文に書いてあることをそのまままとめればよい」というタイプではなく、字数に合わせて上手く(重複を解消したり、比喩を一般化したり…)まとめなければならないので、満点を取るのは容易ではない。その意味では文系にとっても解きごたえのある問題である。
・客観問題 : 標準的
→ 難易度は決して高くないが、抜き出し問題は解答が見つからなければ「後回し」にしよう。その作業だけ忘れなければ大丈夫。
〇対策法
・想定時間配分
試験時間:100分(理学部45分)
想定時間配分
現代文(大問1)40-45分
古文漢文(大問2・3)55-60分
→大問3つで100分なので分量はやや多い。
ただ、現代文だけの理学部の試験時間が45分なので、現代文はそれぐらいかかる想定なのだろう。文系は出来れば40分で解き終えたい。
・設問分析
①定義を押さえる
→ 記述問題の半分以上が定義語換言なので、傍線部や設問の指示を踏まえて本文中の定義を押さえる作業を徹底しよう。そこを外さなければ最低限の得点は担保されるだろう。特に現代文がやや苦手な理系諸君はこれを意識されたい。
②客観問題の取りこぼしをなくす
→年度によってはやや難しいものもあるが、基本的には取りこぼしが無いようにしたい。
・タテ?ヨコ?
基本的にはタテ(過去問を古い年度まで掘り下げて実施)がおすすめ。
客観式の問題も混じる問題なので、過去問を掘り下げて解いていこう。
以上。次回は早稲田大学文化構想学部(早稲田ラスト!)の分析です。