こんにちは。
5週目。割とバタバタしている中でアップできてて嬉しい限りである。
前回の分析はこちら。
今回は神戸大学の分析を始めていく。
◇神戸大学の国語について
現代文+古文+漢文の構成。問題構成は昔から本格的な国語、と言える。そして、聞きたいところが明確であり、国語の問題のレベルとしては旧帝大に匹敵する(というか上回ることもある)ものであるともいえる。
ここ最近は難易度がかなりマイルドになっていたのだが、今年はやや難しいものになっていると言える。
◇出典分析
◇解説
〇論理展開
本文の形式段落は㉖段落だが、論のまとまりにわけると4つになる。
〇問1 言い換え問題
<解答根拠>
傍線部の換言なので「ことばを作ることの困難」という内容を書いていくことを意識する。
ここを捉えられるか、という意味では「見つけられるか」の問題である。ただ、ある程度読解力が無いと難しいだろう。
〇問2 理由説明問題
<解答根拠>
理由説明問題。なぜ「こうした文を生み出した人」が「その意味を理解できない」理由を答える。
ここで、まず確認すべきなのは「こうした」<指示語>の内容である。
A 指示語内容の確認
→ この内容は⑪段落の「例示」に相当する。指示語が例示であった場合に取るべき方策は二つある。一つは「対応する論」の確認であり、もう一つは「論の抽象化」である。
今回は、後者が求められる。その意味ではやや難しいか。
カントなどの西洋哲学の文章を訳すことで理解したと思っているが、実際にはその意味理解が曖昧な文が作られることが多いのだ。
だから、意味理解が出来ない。ではそれはなぜなのか。
B 根源的な理由
→Aのような文を作り出す根源的な理由はなにか。それが、問1でも確認した「性急な西洋哲学の言葉作り」に由来するのだ。
これは⑩段落に書かれているが、性急に作ったが故に「理解の錯覚」が生じているのだ。
これらをまとめる。
〇問3 言い換え問題
<解答根拠>
論のまとまり⑶の前半(⑫から⑯段落)を踏まえて考える。
正直、この論のまとまりの設定だけちゃんと出来れば答えはかなり出しやすい。やはり、読む力が大事なのだ。
変化の前後を考える。
これらをまとめる。何度も言うが、論のまとまりさえ見失わなければもっとも平易な問題だ。
〇問4 言い換え問題
<解答根拠>
神戸大学恒例、文章の全体を踏まえた160字記述の問題。
この問題はまず記述全体の文章構造を構想するところから始めたい。
傍線部には「またしても」とあるので、何と類比されているのかを考えると、直前に「文学一般」がきている。つまり、文学と哲学が同じ運命であることを書けば良いのである。ここから、構文を考えると以下の通りとなる。
A 日本語文学の運命
→これは論のまとまり⑴の内容である。
つまり、日本語文学は成熟したものの、現在ではグローバル化が進行し、その意義については将来的な危機を抱えていると言えるのだ。
B 日本語哲学の運命
→Aの内容との共通点を考えよう。(ここが最重要)ここは論のまとまり⑷から考える。
つまり、日本語哲学は秘教的なものから一般化し、「成熟」したのだが、同時に「グローバル化が進行」し、「日本語で哲学する意味が問われている」のだ。
C 共通点
→AとBの内容の対応を意識する。ただ羅列するだけではダメなのだ。
〇問5 漢字
◇全体的な感想
例年に比べて、「論のまとまり」を極めて細かく設定しないと解きづらいのかもしれない。そもそも「読む」ことが出来ないと問題を「解く」ことが厳しい大学なのだ。
それではまた。