信越五岳トレイルランニングレース2023~パタゴニアカップ~100mile参戦記
さすがに昨年ほど過酷な暑さにはならないよな・・・。
黒姫(101km)、いや笹ヶ峰グリーンハウス(112km)までは練習だ・・・。
スタート前はこのような事を考えていたが、実際は頭で分かっていても、自身の体とメンタル、そして天候などの運も含めて、うまくいかないのが100マイルレースなのだろう。
だが、33時間の激走の末にバックルを手に入れたので記録することにした。
prologue
地元、表丹沢から信越高原へ。
朝、普段仕事へ向かう時刻よりも大分早い時間に小田急ロマンスカーにて新宿、そして中央線に乗り換え東京駅に向かう。
久々の都会の人混みに酔うのは想定どおり。
北陸新幹線のホームで仲間と合流し、駅弁を購入する。この列で並ぶ人の多さに、これまた酔う。
ここでへこたれては100mile完走なんぞ出来ないぞ、頑張れ俺。
そんなゆるゆるな感じで、いざ、長野の飯山駅へ。
飯山駅に到着後、近くのスーパーで水や食料を買い、バスで妙高へ。
一年ぶりのレストランハイジに到着後、早速、装備品チェックを受け、レースナンバー、参加賞などを受け取り、近くのホテルに移動し、夕方まで仮眠をとった。
1 Start(斑尾高原レストランハイジ)~赤池エイド(33km)
16日午後6時30分、打ち上げ花火が上がるのと同時にスタート。セミナーに出席された方が、石川弘樹さんが「今年は花火はない」と言っていた…と聞いていたが、やっぱり花火あったねぇ・・・。とても素敵なサプライズ・・・。
とにかくスタートはイージーペースで進む。なお、ペースタイムは30hの設定とした。それ以上の好タイムは私の走力では難しいので全く想定していない。また、目標が完走であることから、いつでも下降修正できるように30hからゴール関門33hまでのペースタイムも段階的に想定できるようにした。
さて、レース序盤のエイドステーションである荒瀬原(14km)やレストランバンフ(19km)は斑尾山の麓にある。実際は、やはり暑さがあり、タイム的にも決して余裕はないが想定通りである。レストランバンフではseiko1277さんに会う。まだまだ元気そうで何よりだ。その後もいかにもThe・高原地帯というところを進み、問題なく赤池エイドまでたどり着くことが出来た。
【参考】
荒瀬原エイドin 20:55(2h25m) ※自己測定
レストランバンフエイドin 21:52 (3h22m)
赤池エイドin 0:20(5h50m) ※自己測定
2 赤池エイド~アパリゾート上越妙高エイド(52km)
赤池エイドから出ると、袴岳を登る。4~5kmかけて200メートルアップぐらいか。それほど大変ではなかったが、その後の下りが長かった・・・。いやな疲労感が出てくる。
このあたりで再度seiko1277さんに会う。その際には、ペースには気をつけるものの、やはり20~30kmぐらい進むと足がそれなりに疲れてしまうと言っていた。ものすごく同感である。
私も結構な疲労具合だ・・・。
その後、いつのまにか関川の河川敷を走っていたが、数多くのヘッデンに照らされた長い階段が見えてくる。なんだこの階段は。ここを登れというのか。なんか古くて、不気味な階段だなぁ。幽霊が出てきそう。階段のぼる前にいたスタッフさんに聞いたら、200段ぐらいあるらしい。
そして、その後もアパリゾート上越妙高エイドまで結構な下りがあり、この区間はアップダウンに苦しんだ。
【参考】
アパリゾート上越妙高エイドin 3:59(9h29m)
3 アパリゾート上越妙高エイド~国立妙高青少年自然の家エイド(69km)
エイドでokuiさんに会う。ここで30分ぐらい横になって回復とのこと。あぁ、自分も横になりたい・・・。だが、関門との差が1時間・・・。眠いところを我慢して先に進む。
ゆるやかな下りのトレイルが続いていたが、ようやく夜が明けたため、ヘッデンを取り外し、ザックにしまう。
ここから自然の家に到着するには一度関川に向かって、そこから河川敷を上っていく。ここは出来るなら走らなければいけないところ。走りと歩きを混ぜて進んでいく。ホントに眠かった。
その後、自然の家に着いたのは朝の7時前であったが、日差しがとても強く、暑い。あぁー、今年も暑いのか…と思ったりした。
【参考】
国立妙高青少年自然の家エイドin 6:42(12h12m)
4 国立妙高青少年自然の家エイド~池の平スポーツ広場エイド(88km)
国立妙高青少年自然の家エイド(69km)に午前6時42分到着。関門との差は12分ほど減った。
ここで、このレースではじめてのかぶり水をいただく。とにかく暑い。
なお、kasumiさん、いわざきさん、そしてONO会長とお会い出来た。ありがたいことに冷えたコーヒーをいただく。そして、自信がなかったが、少しの睡眠を決意。5分後に起こしてもらえるようお願いした。今思えば、皆さんは次のエイドのサポートにすぐに向かいたかったのでは・・・と申し訳なく思ってしまったが、これが想像以上に功を奏す。睡眠を我慢して進むより、短時間でも寝ることは効果的なんだなと思った。
ちなみに短時間睡眠をしたのは今回のレースが初めて。今までは1時間以上寝てしまっていた。ちなみに2022年のウルトラトレイル・マウントフジでは途中の富士急ハイランドで私は2時間寝ている。さすがに寝過ぎだろう…。
次は妙高高原のゲレンデ地獄が長く続く。スキーやスノボの経験が一度も無い私は、ゲレンデは自分の足で上り下りするものになってしまっている。
ゲレンデ急登の間にある下りのロードでokuiさんの後ろで相当粘って走っていると、サポートの皆さんの車と行き違った。気づいて声をかけてくれた。これは大変嬉しかった。
続く80km付近のゲレンデ激登りまでが大変地獄でまさに苦行であり、脚が攣りそう。こんな急登で脚攣ったら、もがくにもがけないよね・・・。そんななか、やっとの思いで急登も終わって、妙高山の湧き水である赤倉清水を飲む。とても冷たくて生き返る。そしてソフトフラスクにも入れて、今後は激下りだ。ただ、ここでとうとうokuiさんのペースについて行けなくなる。ここからは自分のペースで刻んでいくしかない。
だが、ここで今回のレースの最大の危機がやってくる。酷暑のダメージが体に出てきてしまったのだ。そのダメージを感じてからものの数分でDNFどころでは済まされない脱水に追い込まれていった。
午前10時ごろなのだが、とにかく暑すぎる。そして日を遮るものがないゲレンデ・・・。82km時点にてとうとう体が痙攣しはじめ、体が締め付けられる感覚になってきた。フラスクに入れた湧き水がどんどん減っていく。塩サプリなど一緒に口に入れるが、全く効果が感じられない。これは本当にヤバイやつだ。とうとう全身痙攣してきたぞ。これは緊急搬送ものだ。とりあえず、横にならないと。
目の焦点が定まらないながらも、ゲレンデの端っこを通るのがルートであるため、そのことが幸いにして、樹木の日陰を見つけた。そしてそこに倒れ込んで、とにかく自身の体を安静にして落ち着かせることにした。
数分後、何とか、落ち着いてきた。痙攣は止まっているようだ。時間の確認はしなかったが、恐らく5~10分程度だったと思う。だが、暑すぎる・・・。
次のエイドである池の平スポーツ広場までは残り6㎞ほど。地味に長い・・・。フラスクの中に残った水を口に流し込む。これで水は残っていない。エイドまで体が持ってくれればいいが、一か八か。
ゲレンデの下りが終わったら、一度ロードに出るか否やすぐにトレイルに入る。とてもしんどい。ただ、幸いペース配分はまさかの計画どおり。ただ、また痙攣でも起こしたらそれこそ終わり・・・。と思っていたら、トレイルの中に川が流れているのを発見した。これはもう飲むしかない!迷わずフラスクに水を入れ込んでそれを飲み干す。体には決して良くないのだろうが、500mlのフラスク3杯分を一度に飲み干してしまった。
しみじみ、私はレース中、よく川の水を飲むやつだな・・・と思った。前回は4月のハセツネ30kだったか。無補給レースであるハセツネ30kで、開始10㎞で水を飲み干し、こりゃもう駄目だと思っていたところ、第1関門で川が流れており、その水を汲んで最後まで乗り切ったものである。
なんとか、危ない状況を脱し、そのまま池の平スポーツ広場エイド(88km)に到着した。
【参考】
池の平スポーツ広場エイドin 10:48(16h18m)
5 池の平スポーツ広場エイド~黒姫エイド(101km)
ここで、seiko1277さんに会う。残念だがDNFとのこと。しかし、体調不調などはひどくなさそうで良かった。このグループの繋がりはこのお方のおかげであってこそ。この信越五岳や伊豆トレイルジャーニーなどはここ数年、ご一緒させてもらったが、この繋がりは大変ありがたく、とても励みになる。
さて、このエイドでは、かんずりラーメンがエイド食としてあることが分かっていた。これをがっつり食べて栄養をつけようと思っていた。かんずりとは唐辛子を寒中仕込みにして、その後何年も発酵させた調味料のことらしい。よく見るとカニだしの味噌ラーメンではないか。とても豪華だ。とても美味しい。食欲は十分にあって、体も問題なく受け付けてくれる。内臓も元気だ。良かった、まだ、走れるぞ。今度はレースではなく、旅行などでゆっくりじっくり食べてみたい・・・。
続いて向かうは黒姫エイドであるが、その前に93km付近だろうか、関川の河川敷にたどり着く。そこで110kmのランナーと合流するようになっている。そこからゴールまでは同じ道のりである。
そしてすぐに妙高の宴会隊の方々の私設エイドがある。実はここは大変楽しみにしていたところだ。ここでは、しそジュースがあり、昨年の110kmの時も飲んで知っていたが、これがほどよい甘酢っぱさで最高に美味しい。
実は昨年の110kmの時に片方のフラスクにしそジュースを入れたのだが、あまりに美味しいので、ちょびちょび飲んで、エイドごとに味が薄くならないように少しずつ水をつぎ足していって、このしそジュースをなんと戸隠スキー場エイドまで味わったのだ。そのくらい美味しかった。今回もその作戦を遂行した。
さてさて、ここからゴールまで私のやることは一つ。脚が元気そうな110kmの選手に必死についていくこと。果たしてそれが出来るかどうか。
【参考】黒姫エイドin 13:11(18h41m)
6 黒姫エイド~笹ヶ峰グリーンハウスエイド(112km)
この区間は林道の登り基調のパートであり、「もうやだ、走りたくない・・・。」これに尽きる。
近くを走っていた100mileのランナーが、「これ、マジONTAKEだわ・・・。ONTAKEすぎるわ・・・。俺はもうONTAKEしないって決めたんだわ・・・。なのにここでONTAKEはないわ・・・。 」とブツブツ言っていた。
そんなONTAKE連呼ランナーではないが、実は自分もそろそろペース維持が厳しくなってきたと感じており、当初設定していた30hが難しいと判断し、笹ヶ峰に着いたら、あらためてペース設定を確認しようと思っていた。
ただ、関門や時間のことを絶えず気にしなくてはならなくなると気持ち的に堪える。どうしたものか・・・と地味に長い林道を進んでいたところ、急に「元気に脚動いていますね!まだまだイケますね、tkfs_akさん!」と私の名前を呼ぶ声が聞こえた。びっくりして、その声の方を向くと、110kmの男性ランナーであった。しかし、疲労した脳内の記憶をたどってもどなたか存じ上げない。大変な失礼を承知で、「今までレースなどでお会いしたことがありましたか?」と伝えたところ、「100mileの方をみかけたら、尊敬の思いを込めて、trail searchでレースナンバーで調べて勝手に声をかけて応援させてもらってるんですよ。」とのこと。
ホントに驚いた。110kmで黒姫の直後だと、まだ半分いくかいかないかのところでとても苦しいだろうに、赤の他人を鼓舞するとは…。だが、もちろんとても嬉しかった。
その方にはとても嬉しかったということのお礼と、お互い頑張って何としてもフィニッシュしましょうとお伝えした。この方のレースナンバーだけでも覚えていたら良かったのに・・・不覚・・・。
この後の下りに続く、西野発電所の吊り橋も待ちはしたが、感覚で言えば、2分ぐらいで通過か。
だが、その後すぐにやってくる激登り・・・。長くはないがキツい…。あれは昨年も嫌であったが、今年も(以下略)…
【参考】
笹ヶ峰グリーンハウスエイドin 15:52(21h22m)
7 笹ヶ峰グリーンハウスエイド~大橋林道エイド(128km)
笹ヶ峰グリーンハウスエイドのinの計測器のマットを通過した瞬間にまさかの大雨が降り出した。
噓でしょう?・・・(涙)と思っていたところ、daisukeさんに会い、アイスコーヒーとレッドブルをいただく。あぁー生き返った。
しかし、この豪雨に雷・・・どうしたものか。エイド食のカレーを食べて考えるか・・・。
だが、この豪雨の中、雨宿りできるスペースも限られている。降っていなかったら、原っぱにゴロンゴロンするのに・・・。
すでに回りにはこの豪雨と雷のせいでDNFを決めたランナーも多いようだ。それほどにひどい雷雨である。
ここであまりにも長い時間が経過していく。
自分の頭の中は、「バックル(あと10時間以上走り続けなければならない)・DNF(爆睡できる)・バックル(豪雨との戦い)・DNF(風呂入れる)・バックル(泥んこに耐える)・DNF(飯食える)・・・」と言った感じで結論が出すまでが長かった・・・。
笹ヶ峰Outの制限時間まであと30分を切ったところだろうか。それまでにどれほど自分を奮い立たせてきたか・・・。止まない雨に見切りをつけて進む覚悟をした。こうなったらカレーを食べて気分をあげていくぞ。もうカレー何杯だ。しかし、完走までの糧になったのは間違いない。2年連続美味しくいただいた。
結果的にほぼ1時間、このエイドに留まってしまった。結局雨の中進むなら、もっと早く出てよかったのでは・・・と、後に全く思わなかったと言えば嘘になるが、これも天候に左右される山岳レースならではの話なのだろう。しかし、もうこれで目指すはとにかく完走だ。33hかかってしまおうが構わない。もちろん、完走は無謀な話ではなく、昨年の自分の記録やこれまでの疲労具合を見ても、視野に入っている。ただ、心配なのは、昨年は問題なく走れた林道などがこの豪雨でどうなっているかぐらいだが、考えるのも億劫なので、レインウェアを頭まで被り、自分の中の雑音をシャットダウンして、笹ヶ峰の牧草地を走り始めた。
そして、黒姫山の西口登山道エイド(122km)到着時の前にはすでにヘッデンを点け始め、そして雨も止み、レインウェアを脱いでザックにしまっていたかと思う。なお、気持ち的に笹ヶ峰で再スタートをしたためか調子がいい。そして、水が全く減っていなかったことと、次の大橋林道エイド(128km)までの登りは昨年の経験から苦ではないため、このエイドでは補給せずに進んだ。そして特に問題なく大橋林道エイドに到着した。
【参考】
大橋林道エイドin 19:54(25h24m)
8 大橋林道エイド~戸隠スキー場エイド(141km)
大橋林道エイドは、確かシャリとパタゴニアスープがあったと記憶しているが、これを混ぜていただいた。パタゴニア・シャリ・スープ・・・、最高だった。私はこれまでに出走した長い距離のトレイルランニングレースで気持ち悪くなってとか嘔吐いてしまうなど、そして補給を受け付けられなくなることに縁がない。よって、エイドでは固形物も喜んで食べている。
ちなみに、普段の私は、魚嫌いの野菜嫌いの肉大好きの超偏食ジャンキー野郎である。
このあとの大橋林道エイドから戸隠スキー場エイドの間は自分の中では少し気になっていて、目立つ登りがないが、幅が狭いトレイルも多々あったはず。完全な夜間パートの中、そこが全く走れないと厳しいだろうなと考えていた。
その後、予想どおり泥沼化したトレイルに苦戦し歩くことが多くなる。そして歩き続けることに体が慣れてしまって、走れるところもぼぉっと歩き続けてしまう。そして、ふと我に返り、何でここ歩いちゃったかなぁ、と後悔・・・を繰り返す。このようなふわふわした感じで戸隠スキー場エイドまでの記憶がほぼない。
この区間で記憶があるとすれば、途中、鏡池を通る前の天命稲荷神社にある数多くのミニ鳥居について、今回はくぐらずに左に逸れて通ったが、昨年は鳥居を潜らなかったか・・・どっちだったっけ・・・と思いながら進んでいった記憶があるぐらいか。
そもそもこのあたりは走ったか、とぼとぼ歩いていたか・・・、思い出せない。やはり、ここのあたりは記憶が飛んでいる。
【参考】
戸隠スキー場エイドin 22:25(27h55m)
9 戸隠スキー場エイド~飯綱林道エイド(151km)
計測器のマットを通過して、時間を確認すると、夜の10時25分である。うーん、出来れば15分前には到着していたかった。
というのも、このエイドでは15分~20分滞在して、10時30分には出発していたいなと思っていた。
昨年の場合、ここのエイドの滞在時間は17分であり、このエイドの定番食である温そばを食べることが出来た。
もちろん、ゴールまでの時間調整は想定内である。ただ、時間に余裕があるわけではない。さて、どうしようか。
考えた結果、温そばを諦めた。だが、あったかいものが欲しく、コーヒーがあったのでいただいた。
そして10時30分には間に合わなかったが、10時34分にこのエイドを出発した。滞在9分・・・。まぁ、長くとどまってもフィニッシュには近づかないしね・・・と自分に言い聞かせた。そして、とうとう次はラスボス瑪瑙山だ。でも、まぁ眠すぎる・・・。
よく、ペーサーを経験した方曰く、疲れていなかったら、瑪瑙山はそれほど大変ではないと言う。ただ私の場合、疲労困憊で、しかも真夜中の霧が出ている時しか知らないものだから、それはもう苦行である。登っていると山頂にいる誘導スタッフの方のヘッデンがぼおっと見えるのだか、意識がフラフラするようになってしまった。気づくと、まばたきすると立ったまま寝てしまっている。これはまずい。昨年のウルトラトレイル・マウントフジにおけるラスボス霜山の状態と同じになってしまっている。なんてこったい・・・。
そんな状態にイライラしそうになりつつ、かつ、結構なフラフラ具合で瑪瑙山の山頂に到着した。だが、すぐにまた激下り・・・。これはキツい。おまけに結構な霧も出ており、軽く恐怖を感じた。
まぁ、昨年もこんな感じだったけどね。
【参考】
飯綱林道エイドin 01:17(30h47m)
10 飯綱林道エイド~Finish飯綱リゾートプラザオーロラ(163km)
ここのエイドに到着するまでに分かっていたが、日にちがまた変わった。今日は18日で月曜の祝日で・・・、確か敬老の日で、3連休の最終日・・・。
「え?明日ですか?普通に出勤どぇす。」
そんなこんなで、昨年同様、黒姫エイド前の関川沿いでいただいた宴会隊のしそジュースをここで飲み干す。ここまでしそジュースを堪能する男。
もう、神様、仏様、宴会隊様である。おかげで最後までいけそうだ。あの濃さ、甘酸っぱさ…最高に美味しかった。
そして、最後の給水はミルクティーにした。
また、コンソメスープを飲みつつ、チップスターをバリボリバリボリバリボリ・・・。こうなったら、ザックの中に入れてたクリームパンとバナナも食ったろー。ガツガツガツ・・・。
うーん。我ながらすばらしい食欲だ。
さて、フィニッシュまであと残り12kmで制限時間まで2時間以上ある。少しでも順位を追い上げると言う思いはないため、キロ9分で十分だ。ウィニングランを楽しもう。そうと決めたら、とても楽になった。
フィニッシュまでの林道はもうほぼ下り基調である。ただ、終盤は疲労との闘いであり、ロードに入ると何となく遠回りされているという感覚にもなって、また、トレイルも最後の最後で2回ぐらい入るので気を引き締めなくてはならない。
でも、昨年もこうだったよな・・・と思い出しながら、また、これまで走ってきたことを思い出しながら走った。
そして飯綱スキー場のプラザオーロラの明かりが見えてきた。まだ、フィニッシュ関門まで20分ぐらい余裕がある。
おっ、フィニッシュ待ちのランナーが見えるぞ・・・。これがフィニッシュ渋滞か、そりゃそうだよね。最後の最後で普通にゴールなんかしたくないよね。そりゃ喜んで待つさー。
今回のレースにおけるターニングポイントは2つ。
妙高のゲレンデで脱水から回復できたこと。
笹ヶ峰の雷雨で諦めないで進んだこと。
いざ、フィニッシュまでいくと、渋滞も2名ぐらいだった。だか、この渋滞でさえも名残惜しくなるほど。
だけど、これでバックルを持って帰れるぞ。
お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
epilogue バックルゲット
Finish後、皆さんと合流する。遅くなり申し訳ない。余韻に浸りたいが、すでに午前3時30分・・・。バスでokuiさんと黒姫のホテルに戻る。途中でバスがコンビニに寄ってくれたのだが、動く元気がない。そして、信濃の道の駅が停留所となり、そこからまた、ホテルのバスも来てくれたが、体がバッキバキのため歩くのが苦行・・・。
ホテル内の移動さえもしんどい。でも頑張って入浴・・・、そして頑張って自室に戻り、そして爆睡!!!
翌日起床し、何とか朝食へ向かう。うんめぇ・・・。食欲旺盛で何より。
そして、お目当てのバックルをゲットしに行くために、再度、妙高赤倉へ。
とてもキツく、辛いレースであったけども、とても華やかであり、とても非日常的な3日間だった。
過酷な果てに得られる充実感はホントにたまらない。
これがウルトラトレイルランニングレースの醍醐味なのだろう。
この3日間に関わった皆さんに感謝!
ただ、最後、長野駅でお土産買うに皆と離れたばっかりに、乗り込んだ新幹線を間違え、ひとりぼっちで東京駅まで自由席で立ちっぱなしだったのが、この3日間の一番の苦行だったのかもしれない・・・。
信越五岳トレイルランニングレース2023 ~パタゴニアカップ~
Shinetsu Five Mountains Trail
163km D+7100m
time 32:42:51
Total results 234/629
Completion Rate 40.2%
追記、現在、月間練習走距離が20キロの週末ランナーが信越五岳100mileを完走するためにしたことなどいろいろ自分で考察したことを書き留めています。もうすぐアップすると思いますのでご覧ください。