見出し画像

崖っぷち戦士・後藤駿太の番狂わせで荒れる外野手争い

群馬のイチロー」ともてはやされたのも、もう10年以上も前のこと。

高卒野手で開幕スタメンは、球団史上初の大記録となったが、実働11年ながら規定打席は一度もない。

身体能力の高さは誰もが認めるが、どうしても守備固めのイメージがついてしまった。

そんな後藤駿太が、今年のオープン戦においては、最も注目を集めている選手の一人だ。

12日のジャイアンツ戦に、6番・右翼でスタメン出場すると、3打数3安打の固め打ちに加え、1四球も選び、全打席出塁を記録した。

つづく13日の中日戦でもスタメンで、第1打席からチャンスメイクとなるヒットを放つと、第2打席でもセーフティバントを成功させ、前日に続いて6打数連続出塁となった。

オリックスの外野手争いは、し烈だ。

2年連続の首位打者である吉田正、昨季本塁打王のラオウ杉本、絶対的リードオフマンの福田が名を連ねる。

そんな中、ルーキーの渡辺と野口は、それぞれ中堅・右翼のポジション獲得を目指し、レギュラー陣を脅かしている。

2年目の来田もこれに加わることになる。

後藤駿太が頭一つ抜けている、そんな印象を受けた。

打撃については、もともとはフルスイングが持ち味だったため、タイミングの取り方や確実性が課題であった。

今季、外国人バッターを彷彿とさせる、独特な構えから見事に結果を残している。


守備は言うまでもないだろう。今日の中日戦でもしっかりとレーザービームを見せてくれた。

こうなると、依然として未確定要素となっているDH争いが予想しにくくなる。

吉田はおそらくメジャーを見据え、守備に就き続けるシーズンを目指すだろう。

ラオウ杉本は、本人曰くGG賞を目指すようだが、時折一塁守備につくなど起用が固まっているわけではなさそうだ。

T-岡田が復帰し、本調子が確認できれば一塁手で使うのだろうが、バレラやラベロといった、助っ人枠としても一塁とDHは考えておきたいところだ。


中嶋監督は、調子重視、の起用が印象的だ。

後藤駿太の調子が続けば、開幕スタメンは十分にあり得るだろう。

楽しみだったルーキーの即起用はなくなるかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?