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まだ予断は許さないけど、変化は起きた

夫の手術が終わってからは、毎日ICUでの面会が始まりました。
15時から19時までの間の10分間。10分間しかないけど、複数回行っても良いらしく、私は15時と19時前の二回行く事にしました。
なぜなら・・・
ICUには他の重篤な患者さんもいますので、夫の病院では、プライバシー保護なのか?私がICUに入るときは他の患者さんのベッドを看護師さんがカーテンで覆う作業が最初にあるのです。それを見ていたら何回も行くのは迷惑を掛けるかなと思ってしまいました。

★術後2日目の面会★
手術から2日経っても意識は混濁。
看護師さんの話では、一度睡眠剤を止めて覚醒させたときに左目をしっかり開けて、看護師さんの「分かりますか?」の問いかけに頷き、右手でグーチョキパーができたとの事でした。
右側頭部の開頭手術をしたため、右目は腫れていてまだ開けられる状態ではありませんでした。

私は家族四人で撮った写真を持って行きました。意識が戻った時に最初に家族を見て欲しいと思ったからです。

★術後三日目の面会・・・息子と共に★
なんと面会に行ったら、夫は人工呼吸器は抜管されていて酸素マスクのみになっていました。嬉しい!!少しずつこちらの世界に戻ってきてくれている!
頭部の分厚い包帯も取れて傷口はテーピングのみ。自発呼吸ができているので上半身を起こした状態でベッドに寝ていました。
抜管して声が出るようになりましたが、まだ「あ~」「う~」の返事。
それでも充分だと思いましたが、一緒に面会に行った息子が話しかけたら小さな声で「おめでとう」と言いました。
多分、息子に子どもが産まれていることを思い出して発した言葉だと思います。
実際、夫は一ヶ月前に息子の子どもに会いに行って抱っこしているのですが、記憶はまだまだ混乱しているようです。

開頭手術の後は痛みが強いらしく、麻酔薬の点滴を続けていたらしいのですが、この日はもうそれも外されていました。
看護師さん曰く、もう少し色んな管が外れればリハビリが開始できるとのこと。
??合併症のことはもう心配しなくて良いのかしら??
尋ねてみると、まだ予断は許せない状況でした。
やはり・・・

★術後三日目…二回目の面会、娘と共に★
一回目の面会の時に好きな音楽CDがあれば持ってくるように看護師さんに言われ持参しました。意識はイマイチだけどベッドサイドで音楽を流してくれるそうです。なんと手厚い対応でしょう。心から感謝です。

うとうとしていた夫ですが、看護師さんが声を掛けて起こしてくれたら少ししゃべりました!!
「俺が元気になったらニューヨークに行こう」
実は夫が倒れる前日に、娘は入社したばかりの会社を退職していました。
色々あってメンタルがやられて出社できなくなり、夫が退職手続きを全て一人でやってくれた翌日に倒れたのです。
退職したら気分転換に旅行に行こうと計画を立てていました。
その地がニューヨークだったのです。
覚えてる!!と嬉しくなりました。

ICUで管に繋がれていたときに痰の吸引をしてくれていた看護師さんがひと言・・・
「ご主人はヘビースモーカーでしたか?」
そうです。夫はお酒は一滴も飲めない体質ですが、その代わりタバコは沢山吸っていました。
看護師さん「痰がすごく出るのはヘビースモーカーだからなんです、タバコは絶対に辞めた方がよいです」と。
確かに、倒れたときはタバコを一服し終わった時でした。きっと血管が急に収縮したことで脳動脈瘤が破裂したのでしょう。
タバコは百害あって一利無し。
こんな時は、倒れる前にもっと強く禁煙を促すべきだった!とか、脳ドックに連れて行くべきだったなど、後悔が波の様に押し寄せてくるのです。
もう過去は変えられないのに・・・

面会だけが私の身体が動く瞬間になりました。
今日はもっとよくなっているかな???と微かな期待をしながらも、頭の半分では、もしダメだったらお葬式はどこでするんだろう?なんてことも考えてしまう日々です。

そして手術から一週間目、私が車を運転中に、なんと病院から電話が掛かってきました。。。
あ~~~ぁ、心臓がドキドキ

つづく・・・

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