【更新】ホワイトハウス電子請願の作成方法Ver.2019(次期請願署名内容案)
最終更新:2019/2/26|Facebook版
2018年12月16日現在実施中の #辺野古嘆願署名 (署名期限は2019年1月7日)について、「更に踏み込んだ内容の請願もできるのでしょうか」との質問を受けました。そこで、ホワイトハウスの #WeThePeople で実際にアカウントを作成して、どこまでできるのか検証してみることにしました。以下、アカウント作成後に請願作成を行う場面から、ステップ・バイ・ステップでそのプロセスを検証しました。 【2019.2.26追記】2019年2月24日、沖縄県民投票が実施され、52.48%の投票率で投票者の72.8%(424,273人)が「反対」に投票。このシミュレーションで想定した通り、沖縄県民の圧倒的多数が辺野古新基地建設に明確な「NO」の意思表示をしました。沖縄県条例の規定に従い、全体の有権者の4分の1以上の得票(規定25%→結果37.6%)を得たので、県知事は投票の結果を内閣総理大臣及びアメリカ合衆国大統領に通知することになります。この結果に伴い、このシミュレーションもアップデートする必要が生じました。第二弾の実施の有無・時期は依然ロブさんと検討中で、ロブさんには今回は沖縄県民の方がたとも事前に協議するようにお願いしています。今回の結果を経て、請願本文の内容を更新しました。
余談:「辺野古嘆願署名」は2018/12/18午後3:27に目標の10万筆を達成
※2019/2/26現在は21万筆に達しています。(※画像未更新)
ステップ① 5つの請願テーマから選択する
次の5つの請願テーマの中から選択を求められます。(上段左から右へ)
・We the People ask the federal government to:
我ら人民は連邦政府に対し、次のことを求める。
・Take or explain a position on an issue or policy
ある問題または政策についての立場を表明若しくは説明すること
・Tell us what the federal government is doing about an issue
ある問題について政府がどのように対処しているかを説明すること
・Change an existing Administration policy
既存の政府方針を変更すること
・Propose a new Administration policy
新たな政策を提示すること
・Call on Congress to act on an issue
ある問題に対する行動を取ることを連邦議会に要請すること
現在実施中の 「辺野古嘆願署名」で発起人のロブ・カジワラさんは、「新たな政策を提示すること」を求め、トランプ大統領に対し「嘆願」を行いました。具体的に求めた内容は「県民投票実施までの工事の停止」でした。
「請願」の本来の目的は既存の法律・命令等に基づいて発生する被害の救済を申し出たりすること、即ち「権利を主張すること」にあります。そこで、より具体的に実施中の施策の「停止」ではなく「変更」を求める内容にしてみます。
ステップ② 請願のタイトルを入力する(※更新)
請願テーマから「Change an existing Administration policy(既存の政府方針 [政策] を変更すること)」を選択し、選択したテーマが表示されていることを確認しながら、請願のタイトルを入力します。 ここで、仮にタイトルを「 Review & Revise the Agreement with Japan on the construction of MCAS Futenma Replacement Facility in Henoko, Okinawa. ( 沖縄・辺野古に海兵隊普天間飛行場の代替施設を建設する日本との合意について見直しと修正を )」としておきます。(※画像未変更)
普天間返還に関する日米合意は、宜野湾市普天間の海兵隊普天間飛行場を①沖縄に「返還」する前提の下、②同基地に駐留する在沖海兵隊部隊の司令部要員や家族をグアムに「移転」させつつ、主力部隊の一部のみを沖縄に残すため、名護市辺野古の大浦湾を埋め立てて③その代替施設を「建設」するというものです。つまり、「日米合意」は、基地「返還」のための「部隊の移転」と「代替施設の建設」がセットになった合意です。
「辺野古嘆願署名」では、①建設反対派知事の選出と②大浦湾の生態系への影響の二つを理由に、この代替施設の建設を「停止」することを「嘆願」しました。この「嘆願」を”政府方針の変更”を求める「請願」の域に高めるとしたら、何をすればよいのか。
ステップ③ 請願内容を入力する(※更新)
タイトルを入力すると、今度は請願の内容(説明)の入力を求められます(タイトルではなぜか先頭の語句以外はすべて小文字となりますが、ロブさんの請願では大文字・小文字が分かれていたので、何かコツがあるのでしょう。今回はその機能は再現できませんでした)。ここで仮に、来年2月24日に実施される県民投票で辺野古埋め立て反対の民意が新たに示されたという前提で、県議選、県知事選そして県民投票で示された「民意」を尊重し、「埋め立て」の工事それ自体だけでなく、工事建設の方針そのものの転換を求める請願とします。
仮に、こう入力しました。文字数制限があり、800字しか入力できません。
Although the U.S. government and Government of Japan have formally agreed to replace Marine Corps Air Station Futenma in Okinawa with an alternate location within the Prefecture, the will of the people of Okinawa has been POWERFULLY DEMONSTRATED in the Okinawa assembly and gubernatorial elections, and most recently, in the 2/24/2019 prefecture REFERENDUM that asked specifically whether the Okinawans support the reclamation of land in Oura Bay in Henoko, Nago City. THE PEOPLE HAVE SPOKEN - 72% of Okinawan people are overwhelmingly AGAINST the construction. As a fellow democracy, their will as hosting region must be respected despite agreements between national governments. Review and revise the Agreement with Japan on the construction of new airbase in Henoko NOW.(訳)沖縄の普天間海兵隊飛行場について、これを県内の別の場所に移設するという合意が日米両政府間で正式に締結されていますが、沖縄の人びとの民意は、これまでの県議会選、県知事選、そして直近では、具体的に名護市辺野古の大浦湾を埋め立てることについての賛否を問う2019/2/24実施の県民投票おいて、強固に示されてきました。沖縄の民意は明白です。県民の72%が圧倒的に工事に反対しています。同じ民主国家として、たとえ国家間の合意があろうとも、受入地域の意思は尊重されなければなりません。直ちに、辺野古に新飛行場を建設する日本との合意を見直し、これを修正してください。
ステップ④ タグ(カテゴリ分類)を選ぶ
請願の内容を入力すると、18種類のタグ(カテゴリ分類)から選択を求められます。(左上から下へ)
Budget & Taxes(予算・税金)
Civil Rights & Equality(公民権・平等性)
Criminal Justice Reform(刑事司法改革)
Economy & Jobs(経済・雇用)
Education(教育)
Energy & Environment(エネルギーと環境)
Foreign Policy(外交)
Government & Regulatory Reform(行政・規制改革)
Gun Violence(銃による暴力)
Health Care(健康管理)
Homeland Security & Defense(国土防衛・軍事)
Immigration(移民)
Innovation: Arts & Technology(イノベーション:芸術・技術)
Rural Policy(地方政策)
Technology & Innovation(テクノロジー・イノベーション)
Transportation & Infrastructure(運輸・インフラ)
Urban Policy(都市政策)
Veterans & Military(退役軍人・軍隊)
「公民権・平等性」を含め4つ選んだのですが、規定により、タグは3つまでしか選べないと警告されました。やむなく、「エネルギーと環境」「外交」「国土防衛・軍事」の3つのみを選びました。
Energy & Environment(エネルギーと環境)
Foreign Policy(外交)
Homeland Security & Defense(国土防衛・軍事)
ステップ⑤ プレビューを確認する
タグ(カテゴリ分類)を選択すると、最終確認(プレビュー)画面となります。ここで「Publish(公開)」を選ぶと、請願システムに登録され、公開されます。一度公開すると編集はできません。また資料等を添付する機能があった筈ですが、その機能もありません。
画面下に赤字でこう書かれています。
「Once you publish, you will not be able to edit. Please review and consider sharing the text in an email to friends for feedback before you publish. 一度公開すると、編集ができなくなります。請願を見直し、メール等で本文を知人等に共有し、確認してから公開するようにしてください」
ここで「Publish」ボタンを押さずに、閉じました。
おわりに
ホワイトハウス電子請願の作成シミュレーションは以上です。内容が来年の県民投票の結果を踏まえたものとなっているため、この請願を公開することはできません。ご了承ください。国籍等の情報を確認されることはありませんでした。しかし他国政府に行う請願である以上、文言等には慎重を期したいものです。
資料等を添付できる余地がない状態(当初はその機能が備わっていたことが諸規則の内容からわかる)①問題提起と②現状是正の要請を800字に詰め込むというのは、なかなか困難で、入念な精査作業が必要そうです。個人で作成するよりもは、複数人で起草・吟味して公開するのが賢明でしょう。
以上