
隠された傑作!予測不能な銀河規模SFアニメ『ファンタジックチルドレン』
とんでもないアニメを見てしまった…こんな作品を見逃していたのか。
Twitterでとあるかたが紹介していたのが気になって、2004年に放映されてた『ファンタジックチルドレン』という全26話の作品を一気に見てしまいました。
この作品の素晴らしさが、もっと広まってほしいと思い、今回は『ファンタジックチルドレン』について今回は書いていきます。
みなさんこんにちは、tkです。
このnoteではわたしがこれまで見てきたアニメや、今後のアニメについての情報や感想を発信していますので、ぜひフォロー、スキ、コメントを気軽にお願いします!
さて、『ファンタジックチルドレン』の素晴らしさを書いていきたいのですが、この作品は全く予備知識なし、一切の事前情報なしで見てほしいので、この記事ではめちゃくちゃオブラートに包んだネタバレなしでいきたいと思います。
この作品を教えてくださったかたにも、「前情報なしで見たほうがよい」といわれて、ほんとにその通りにしてよかったです。とても感謝しております。
しかし、何も書かないとどんなアニメなのかさっぱりわからない!
でも、このアニメにふれてほしい!
なんなら、この記事の続きを読まずに、見てほしいくらいです!
その葛藤にもがきながら、ほんの少しのあらすじの紹介とこの作品のポイントを書いていきます。
謎の子どもたちを追う
あらすじはこんなかんじ。これ以上ほぼ語れない。
時は2012年、南の島・パパン島で両親と暮らす少年・トーマは、ある日島の遺跡でヘルガという少女と出会う。無口で、どことも知れぬ場所の絵を描いては、そこに行きたいと言う彼女の願いに、トーマはヘルガを慕う少年・チットと共に、ヘルガを“行きたい場所”へ連れていこうとする。
同じ頃、謎の黒衣の少年少女たちが、ある一人の人物を探していた。"ベフォールの子供たち"と呼ばれる彼らは、何十年かおきに世界各地に現れ、長い年月の間、ティナという女性を追い続けていた。
少年少女の連続失踪事件を追う刑事・クックスは、捜査の過程で"ベフォールの子供たち"の存在に辿り着く。
追い求めるほどに深まる子供たちの謎、不可解な現象、そして現れる謎の青年。一体、失踪した子供たちにどんな秘密が隠されているのか...
舞台は、南の島。フィリピンみたいな多くの島で成り立っているようなイメージの国です。

(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT
とある島の寺院の息子、このなんとも言えない表情の主人公「トーマ」。

この表情、本当に主人公なのか。いまでも疑問がある。
(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT
遺跡の仏像みたいな掌に、仰向けに寝転がってただ空を見つめるヤバそうな謎少女「ヘルガ」と、トーマが出合います。

何回聞いても「ヘルガー」に聞こえて炎タイプしか思いつかない。
(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT

(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT
ヘルガは、謎の絵に描かれた景色の場所にいくことを目的に、孤児院の仲間「チット」と抜け出そうとします。

こちらもなかなか愛せない顔をしている
(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT
孤児院を抜け出そうとするヘルガとチット、危なっかしい二人を放っておけないトーマは、目的の地を目指す二人を手伝うために同行するのです。
一方、「べフォールの子どもたち」と呼ばれる謎の少年少女たちが、誰かを探してさまよっています。

(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT
はい、ここまで!
もうこれ以上は言えない!楽しみが減ってしまう!次!
とにかく謎と伏線が張り巡らされる作品
第1話、冒頭はこんなシーンから始まります。
1853年、この研究者らしきおじさんがガタガタ震えながらブツブツと以下のようにつぶやいてます。

(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT
ああ…繰り返し、繰り返し、記録する。
見ろ、記述だけでも500年で13回も。
死んで、よみがえり、生き続ける続ける子どもだ。
何が目的だ!
おぞましき悪魔、死の吸血鬼、信仰しがたき亡者よ。
やつらべフォールの子どもは意図的にたびたびこの地上に現れ、人類と干渉する。
やつらは死んだふりをしているだけだ!
数十年ごとに墓のなかから起き上がり、子のいる家庭に潜り込む!
子を殺し、家のものになりすます。
やつらはこの先また現れる!
急がねば!まだ誰もこれを知らない…
墓をあばき、眠っている間に殺さねば!
おじさんが、べフォールの子どもがヤバいやつで、それを恐れているシーンなのはわかるのですが、この後、べフォールの子どもが少し現れて、いきなり場面は2012年に飛びます。
冒頭のシーン、いや、1話を通して、何がなにかまったくわからない!
そして、この冒頭のシーンをはじめ、物語中盤までは、多くの謎のシーンがでてきます。
「この言葉は何のことを言っているのかわからない。」
「この人は何を目的にこんなことをやっているの?」
「てかお前だれやねん」
こんな風に思う謎シーンばっかりです!
しかし、しかしです。
中盤から物語が一気に動き出して、
「べフォールの子どもたちは何者なのか」
「ヘルガの目指している場所はどこなのか」
「1853年の研究者がブツブツいってたのは何のことか」
全てわかります。
中盤までも退屈なわけではありません。
適度なスピードで展開があり、決して退屈するものではないのでそこは安心してください。
そして、終盤。
物語が終結に向かいながら、これまで張り巡らされた伏線が一気に回収されていきます。
その伏線は、とても前半を見ている限りでは想像できない、規模が大きく、そして熱く、感動的で、心がうごかされること間違いありません。
好奇心と不安をあおるBGM
ここまで書いてきた通り、この作品、とにかく謎が多いです。
登場人物がいろいろと謎めいたことを発言するシーンがたくさんあるのですが、謎すぎてそれがヤバい話なのか、ちょっとした情報なのか、見ている人には本当によくわからない。
このアニメは、そこを音を使って、視聴者の不安と好奇心を巧みに操っています。
例えば、このシーン。
何気ないシーンで、べフォールの子どもたちが、いきなり謎の機械を見つめながら、こんな会話を繰り広げます。
「ああ!こ、この反応は『オエセル』だ!」
「えっ!」
「なんだと!」
「量はわずかだが、やはり『オエセル』だ!このあたり一帯に残留している!」
「どういうこと!?」
「ここに『オエセル』があるわけないよ!何かの間違いだろ!」
べフォールのこどもたちの会話より引用

(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT
いやいや、「オエセル」って何よ!
そもそも「べフォールの子どもたち」が何者かもわからないのに!
という状況なのですが、突然流れる
チャラーーーーン!ドゥドゥルルルン!
チャラーーーーン!ドゥドゥルルルン!
(文字だと全く伝わらない)
奇妙なBGMが、「オエセル」ってやばいものっぽいぞ。この先どうもやばそうなことがおきそうだ。
と、不安と好奇心を掻き立てるのです!
ズーーーーーン!
とか
チャーーーーン!
とかやばいBGMがふんだんに使われて、緊迫感MAXで楽しめます!
絵柄はあまりすきじゃないけど引き込まれる
この作品の一番大きなハードルは絵柄なんじゃないかと個人的には思います。
正直なところ、タイトルイラストを見て、「おもしそうだな、見てみよう」とはならないです。
2004年のアニメなのですが、同じ年に放映されていたアニメたち、例えば『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』や『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』とくらべると、作画の魅力に劣ります。

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会

©創通・サンライズ
主人公のトーマはこんなだし、

(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT
ヒロインのヘルガにはときめかないし、

(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT
べフォールの子どもたちも、もっと不穏な感じの画にできただろ!とか、

(C) TAKASHI NAKAMURA/NIPPON ANIMATION CO.,LTD..・FC PROJECT
ほとんどの登場人物、4頭身じゃねーか。
と思ったりもします。
でも、その作画を気にするのはせいぜい最初の3~4話くらいで、
中盤を超えてくると、全くきにならず、物語にどんどんとのめりこんでいきます。
わたしも絵柄で判断して、アニメを取捨選択することはあるのですが、この作品は絵柄だけで見ないことを選択するのは非常にもったいない!
最後まで見たからといって、多くのキャラクターを好きになるわけではありませんが、一部の魅力あるキャラクターもいますし、わたしは最終的にふたり好きなキャラクターができました。(誰かはいえない。。。)
とにかく何も考えずに見てほしい
さて、あまり中身を話すことはできませんでしたが、
「とにかく何も考えずに見てほしい」
このひとことにつきます。
およそ20年も前のアニメではあるのですが、やはり、いつになってもいいアニメは朽ちないなと、改めて感じさせてくれた作品です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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