『水星の魔女』からはじめるガンダムの旅
アニメ好きの一般人tkです。これまで見てきたもの、今後はじまるものについて、アニメ情報を発信するnoteをはじめました。
さて、タイトルどおり、初回はガンダムについてです。
ガンダムといえば名前は知っているけど、「ロボットアニメはちょっと….」、「おじさんたちが盛り上がるアニメでしょ」、「アムロとシャアは聞いたことがある」という人たちも多いと思います。
ガンダムは1979年に始まり、たくさんのシリーズがあります。
そのボリュームがハードルになり、何から見ればよいのかわからず、結局見るのをあきらめた人もいるでしょう。
(どのようなシリーズがあるかは今後わかりやすく記事にしていきます)
そんな中、昨年秋から今年の年初にかけて、ガンダムが広く話題になりました。SNSやネットニュースで『水星の魔女』というワードを見かけたかもしれません。
2022年10月から新シリーズのガンダムアニメである『機動戦士ガンダム 水星の魔女』が放送開始されたのです。
(わたしを含め)ガンダムファンにとっては、新シリーズ開始はお祭り騒ぎで、ネット界隈でとても盛り上がります。
しかし、今回はこれまでとは違い、ガンダム初視聴者が爆増し、ガンダムファン以外もTwitterでつぶやいたり、Youtubeで話題にとりあげました。
一体これまでとは何が違うのか。
『水星の魔女』は新しい世代に向けられた、「僕たちの物語」なのです。
「話題になっていたのは知っていたけど、まだ見てないや」、「ガンダムシリーズは見てみたいけど、何見たらいいの」、という方々にも向けて書いていきます。
学園を舞台にした青春もの
そう、今回のガンダム作品は学園ものなのです。
これまでのシリーズでは、
地球や宇宙で起きている戦争に主人公の少年が突然巻き込まれる
↓
そこにたまたまあったガンダムに乗り込んで、天才的なパイロットの素質を開花させる
↓
大きな勢力に身をゆだねたり、離れたりしながらも、戦争終結に向けてガンダムで戦地を切り開いていく
というのがよくあるパターンでした。
戦争が舞台なので、シリアスな場面が続くシリーズが多いです。
今回は全く違います。「水星の魔女」の流れはこう。
主人公の女の子が、水星から学園生活を夢見て、とあるモビルスーツ(※)にのって専門学校に編入
↓
友達ができたり、気になる男の子ができたり。いろんな物事をかけて生徒同士で決闘したり。
(※)モビルスーツとは、有人操縦の人型起動兵器のことです。ガンダムはモビルスーツの一種です。「ロボット」という表現はガンダムの世界では使われません。
これまでのガンダムシリーズは、戦争や紛争まっただなかで、戦う相手は軍人、仲間も軍人、舞台は戦場ということが多かったのです。
しかし、『水星の魔女』では、戦う相手は学生、仲間も学生、舞台は学校。と、がらりとかわり、たまにほんわかした学園生活も描かれています。
物語の始まり方や、舞台設定がこれまでとは全くことなる新しいガンダムなのです。
花嫁と花婿
『水星の魔女』の主人公、スレッタ・マーキュリーはシリーズ初の女性主人公であることも今作の大きな特徴です。
過去シリーズにも魅力的な女性キャラがたくさんいましたが、今作はいつもにまして女性キャラクターが多いです。
その中でも、ヒロイン的存在であるミオリネ・レンブラントと、主人公スレッタは婚約し、花嫁と花婿の関係になるのです。
え、どゆこと??
ミオリネは学園を経営する巨大企業グループの総裁(トップの人)の娘であり、学園の生徒です。
同じく、学園には、グループ傘下企業の社長のドラ息子、グエルという男子生徒がいます。
(少しネタバレがはいります)
ミオリネとグエルは婚約関係だったのですが、スレッタがグエルから結婚の権利を奪い取り、花嫁(ミオリネ)と花婿(スレッタ)という間柄になるのです。
百合要素…!?
と最初は思うのですが、気弱なパイロットであるスレッタと強気な戦略家であるミオリネの関係性が、コメディ要素もありながら進展していく様が楽しく、見どころの一つです。
これまでのガンダムでは、主人公の少年と、敵勢力のエース級男性パイロットがライバル関係になり、決着をつけていくのが定番の盛り上がり要素でした。
有名なアムロとシャアも、地球連邦軍のエースパイロットとジオン公国(とある宇宙の独立国家)のエースパイロットで、ライバル同士なのです。
女性同士の関係性を中心に描かれるのはシリーズ初の試みです。
主題歌にこめられたストーリー
今作の主題歌を歌うのは、ここ数年で若い世代から圧倒的な支持を得ている2人組音楽ユニットの、YOASOBIです。
YOASOBIの楽曲の歌詞には、必ず原作の小説が存在します。
たとえば、YOASOBIの最も有名な楽曲『夜に駆ける』は、『タナトスの誘惑』が元ネタ。
初めて原作小説を読み、『夜に駆ける』の歌詞の意味を理解した時には、ゾッとし、魅了されました。
今作のOPテーマでYOASOBIが歌う『祝福』にも、原作小説があるのです。
この原作小説とOPテーマは、本質に触れる内容になっており、ストーリーと深くつながっています。
機動戦士ガンダム 水星の魔女 公式サイト (g-witch.net)
原作小説を読み、『祝福』の意味をしり、物語がどこに向かっていくのかぼんやり考える。
物語の深さ(そして闇)を味わいながら、YOASOBIの疾走感あふれるサウンドを楽しめることも、今作の最大の魅力です。
多大なファンがいるアーティストが主題歌を歌っていること、物語を裏付け、表現することにたけた主題歌になっていること。
音楽の面においても、過去イチすばらしい作品だと思います!
事前に過去作を見る必要は全くない
でも、今までのガンダムを見てないとわからないこともあるんでしょ?
いえ、『水星の魔女』を見るために、事前に過去のシリーズを見る必要は全くありません。
ガンダム初見で、何の知識がなくても楽しめます。
(もちろん過去作を見ていたほうがテンションが上がることは間違いありません)
ガンダムシリーズには、大きくわけて「宇宙世紀もの」と「宇宙世紀以外のもの」に分かれます。
「宇宙世紀もの」は、その名のとおり「宇宙世紀(西暦みたいなもの)」という時代のものがたりで、世界観が統一され、複数の作品に同じ人物が登場したり、シリーズの間でストーリーがつながっています。
「宇宙世紀もの」のシリーズをみる場合は、過去作を見ていないと話がわからなかったり、設定が理解しきれないところがたまにあります。
たとえば『閃光のハサウェイ』という作品が2021年に映画で上映されましたが、この作品は「宇宙世紀もの」で過去作と繋がりがあります。
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』公式サイト (gundam-hathaway.net)
アムロとシャアが決着をつけた14年後を描いた作品で、アムロの戦友の息子が主人公の作品です。
ガンダムファンは熱狂、大興奮の映画でしたが、ガンダム初見の人だと「??」な箇所が多々あったことかと思います。
でも、今回は「宇宙世紀以外」の作品です。
過去の他の作品と設定、ストーリー、何のつながりもありません。
アムロもシャアも出てこないし、地球連邦軍やジオン軍も出てこないし、ザクも出てこないし、なんならガンダムに込められた意味も違います。
全く異なる世界観で描かれているので、古くからのガンダムファンでも新鮮な気持ちで観れる新しい作品なのです。
製作陣の意気込み
これまでとは違う要素がたくさんあり、ガンダム初見でも楽しめるのだと言うことを書いてきました。
過去作との違いを出し、実際に多くのガンダム視聴者を生み出しました。
これは偶然ヒットしたものではなく、今までガンダムを見ていなかったひとたちにも届くように、製作陣が意図したことなのです。
岡本プロデューサーのインタビューによると、
10代の子たちから話を聞いたときに、「ガンダムは僕らに向けたものじゃない」、「タイトルにガンダムとついてたら見ません」と言われたことが刺さり、
若い世代の入りづらさをなくすための試みが始まったようです。
「ガンダム」シリーズという固定概念にとらわれず、ストーリーのはじめはヘビーにしすぎず、学園を舞台に始めて、学生たちが中心の物語で、ラブコメ要素も入れて…
と、クリエイターのかたがたの工夫によって、生み出されました。
『水星の魔女』は「僕たちの物語だ」と思ってもらえるようにという制作陣の意気込みで作られた作品なのです。
『水星の魔女』のみどころ
ここまで、過去作とは違い初見でも大丈夫!ということを中心にお伝えしてきました。
『水星の魔女』がどのようなお話なのかは、ぜひアニメを見てほしいということもあり、あまり内容にふれずにきましたが、少しだけ見どころをピックアップしておきます。
モビルスーツを使った、学園生徒同士の決闘!
金銭、栄誉などを互いに望むものを決闘で、生徒同士で奪い合います。最新の技術を使って作られた迫力ある戦闘シーンはガンダムシリーズの中でも随一。
名言の数々
「水星ってお堅いのね」、「ダブスタクソ親父」など、個性あふれる名言が飛び出します。
「魔女」とは何か、「ガンダム」とは何か
タイトルにもある「魔女」というフレーズは何を意味しているのか。この世界では禁忌される「ガンダム」の正体は。
いつの間にか応援したくなる男性キャラたち
今作はイケメン男性キャラたちも大活躍。
特に、最初はいやなやつのドラ息子、グエルくん。
ストーリーが進むにつれて彼の人間性も成長し、「あれ?いつのまに応援している!?」
そんな錯覚におちいることでしょう。
回をかさねるごとに深まるストーリーと絡み合う謎
はじめはさわやかに始まるストーリーも、展開が進むにつれて、不穏な動きや謎がうごめきます。スレッタのお母さんはじめ、いろいろな人が怪しいです。
第0話(前日譚)との関係は?第0話にでてくる女の子は明らかにスレッタにみえるけど名前が違う…同一人物なのか..!?などなどの深まる謎。
機動戦士ガンダム 水星の魔女 公式サイト (g-witch.net)
そして1クール目最終話の最後の衝撃シーン…
ガンダムの世界を楽しみましょう!
ということで、『水星の魔女』からガンダムを見てみてください!
『水星の魔女』だけでもいいし、これを機に過去作にチャレンジするのもよいと思います。
また、過去作や世界観の紹介を記事にしていきますので、よろしくお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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